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安心するまで
常備薬を車内に沢山備えて 電卓をたたく男がいる 羊毛が降ってくるかもしれない空を見上げると 池のボートはオールを盗まれて 手漕ぎじゃないと進めないようになっていた 車内の男はとっくの昔に寝入って居て 私は羊毛の降毛確率を気にしながら 男の容貌を覚えようとした 男の監視を頼んだ人は 既にこの世から離脱した人だ 少なくとも私にはそう思えた ボートは必要なさそうだが オールがないボートを見るのはつらい 男の容貌を必死に覚えようとしている間に 太陽は再び顔をのぞかせて 羊毛が降ってくる可能性は 限りなくゼロに近付いたので 私は少し安心した
安心するまで ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 827.5
お気に入り数: 1
投票数 : 3
ポイント数 : 0
作成日時 2025-05-23
コメント日時 2025-06-26
| 項目 | 全期間(2025/12/06現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
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| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


その男は僕でーす!見られてたのね!
1いつもより、ナゾーでイミフな割合が少な目なので、手加減してくれたのかな?とは思うのですが。 羊毛は分かりました。 おそらく羊の毛がりをしたことがあるのではないでしょうか? 羊毛は白くはなくて、薄汚れてて灰色なんです。 雨がふりそうな雲のイメージですよね。 男というのは、詩人の対極にあるような男性。 で、容貌と羊毛が韻を踏んでるかな?と思います。 お!閃いた。 男は越後の薬売り。常備薬を家庭に置いといて、使った分の代金を集めるひと。 >オールがないボートを見るのはつらい この文章は、タイトルを強調するためでしょうか。 というわけで、 常備薬といい、男が寝入ることといい、男の監視といい、羊毛が降らなかったことといい、 全てがタイトルに直結しており、 オールのないボートは、塩を少し入れるのが、あんこやぜんざいを甘く煮るコツ(スイカに塩でも良い)であるように、 安心できないものを少し加えることにより、 タイトルを引き立たせたのではないか?と思います。 だけど、全然違うかもしれないのですが。苦笑 ありがとうございます。
2エイクピアさん、はじめまして。 突然のコメント失礼します。 二藤と申します。 ビーレビュー内でVTuber堕天使ちゃんとしてサイト内の作品を紹介するツイキャス配信を行っております。 つきましては、 もしエイクピアさんがお嫌でなければ、『安心するまで』についてのラジオをビーレビのYouTubeチャンネルにあげさせていただきたいのですが……。いかがでしょうか?
1何かが起こりそうで起こらなかった(しかし、実際には起こっているのかもしれないけれど・・・)、みたいな物語を書くのって意外と難しいと、僕もそういった世界が好きでよく創作をするのですが、改めて思いつつも、この作品はそういった“起こるかもしれなさ”みたいなことが、上手く書き出されているように思いました。僕は羊男をちょっとイメージして読んだのですが、羊毛は雪の比喩かもしれませんし、本当にただの羊毛なのかもしれない。そういったこの作品の世界観が好みでした。
1三明十種さんコメントを有難う御座います。ああ、電卓をたたく男の事ですか。謎めかしておきたかったのですが。この詩を読んでくれた人の宣言は勇気を貰えたような気がします。
0レモンさんコメントを有難う御座います。羊の毛を刈ると言う季語が俳句にはあって、確か春の季語だったと思うのですが、私自身は羊の毛を刈ることはやったことがないし、見学したこともないのですが、俳句の季語に有るので、羊毛に関しては意識が高い方でした。俳句以外でも確かフランスとイギリスの百年戦争の原因が、王位継承権の出張など、いろいろあったでしょうが、フランドル地方の羊毛が原因と読んだ事が有ったので、そっち方面の方が影響の方が大きいのかもしれません。確かに羊毛は何だろう、排泄液みたいなもので汚れているとは読んだ事があります。容貌と羊毛は意識して居なかったですね。越後の薬売りや、代金の集金は想定外でした。話が拡散すると詩がだらけると思ったのです。ある種の緊張感をもって詩を終わりたいと思いました。タイトルが「安心するまで」なので、ある種の弛緩はしょうがないと思いましたが。
1B-REVIEWさんコメントを有難う御座います。ああ、間に合うのであれば、こちらからお願いしたいほどです。よろしくお願いします。
01.5Aさんコメントを有難う御座います。羊男は想定外でした。羊毛に限ることで、詩の引き締めを図りました。これは羊毛が空からと言う事で、既に発想が拡大している事から来る措置でした。羊毛が雪の比喩と言うのはちらとは思ったのかもしれませんが、矢張り、ほとんど意識して居なかったことなので、表現に反映させる事は出来なかったです。本当にただの羊毛と言う方向性が私の意識を占めていました。
2こんにちはm。 あり得ない出来事が続いて、それがリズミカルに展開される。 不思議な詩ですね。短くて読みやすいし。
1たわしさんコメントを有難う御座います。自分では意外と長い詩を書いたつもりだったりします、書き終わった当初は。リズミカルなのは、志賀直哉や武者小路実篤の影響なのかもしれません。学生時代によく読んだので。
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