ハタラキバチの集団が
熱を放出している朝のラッシュアワー
「桜の花が咲きました」
風の中から声がする
朝日に照らされた空中のガラス群は
ひたすら転写を重ねている
コマ送りの空は砕け散るくり返す青の不在
マーマレードのずんぐりした瓶が翼を書きかけて
止まる。
雲はもうはるか彼方
足元は見なくても続く集団に運ばれている1個の体温は
邪魔されたくない
邪魔されないって本懐だ
カラ
無水フレグランス
パイプ椅子に座る時に残してきた体温は
不覚にもまた半減期にさしかかる
バラバラの足音でバラバラに冷えながら
同じものを運ぶ集団は
運びながら
運ぶ時
その先になんだ
鳥。
歩兵とか不平とか同時期に流れ出す
風下に立って
粉々の窓ガラスを浴びながら
腕を押してみる
不意に不自然なかたちに
前にある体温
を押してみる崩壊しながら
崩壊するのは
不自然に満ちた不自然に言葉描く時
ままハレーションをくり返し
羽音を呑み込み
熱を帯びたまま
方向を誤らないことが最適解なのだと
収まるべき所に
つづき閉じていく
六角堂タワー
作品データ
コメント数 : 16
P V 数 : 1581.4
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2025-02-04
コメント日時 2025-02-24
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:1581.4
2025/12/05 20時37分57秒現在
※ポイントを入れるにはログインが必要です
※自作品にはポイントを入れられません。
〈マーマレードのずんぐりした瓶が翼を書きかけて/止まる。〉このフレーズを何度も思い出してしまいます すてきです
0はじめまして。 いつも思うのですが、さして思い入れもなく書いた部分が人によっては刺さったりするのですね。 何かマーマレードというワードが甘ったるくて、そんな感じがしたのです。 ご感想ありがとうございました。
1古さと新しさがある。 おもしろいです。
0簡潔なコメントありがとうございます。 でも簡潔なコメントほど返事に窮しますね。
0猫さん >古さと新しさがある。 具体的に展開してもいいのですが、ちょっと棘のあることを書いてしまうことになってしまいます... 抽象化して言うと、シュールレアリスムのオートマティスムのようなものだということです。 ともかく、おもしろかったですよ。
0ちょっと前のお返事感じが悪かったですね。 すみません。 コメント感謝しております。 コメントを付けるってエネルギーが要ることですよね。 自分がやってみて分かりました。
0追伸 >抽象化して言うと、シュールレアリスムのオートマティスムのようなものだということです。 これは本当によく言われます。 棘ですか、それはそのご配慮を素直に受け取りたいと思います。
0長いこと書いてるワリに上達しない書き手だなあと思いつつ、何が駄目なのだろうと言語化を試みてみると、例えば「ハタラキバチの集団が/熱を放出している朝のラッシュアワー」っていう入りがもう駄目で、これは詩と言うより歌詞の言葉遣いだ。まあ歌詞の言葉遣いで詩を書いても何ら問題はないが、そうするなら歌詞の言葉を使うことに自覚的になるべきだろう。この作品にそういう自覚は見えない。 続く「朝日に照らされた空中のガラス群は/ひたすら転写を重ねている/コマ送りの空は砕け散るくり返す青の不在」もひどい。ガラス群、転写、砕け散る、青、不在。これでもかというほど悪い意味で現代詩的な語彙が並んでいる。 ありきたりな言い方をするならオリジナリティが全くない。オリジナリティは創作の最低要件だ。
1ぎゃん。 おまるさんが書きたかったことを完備さんが書いてくれたかもしれませぬ。 現代詩はほとんどネット以外では読まないのですが 自分が読むテキストを考え直した方が良いのかもしれません。 完備さんの言葉を受け止めつつ、一つの意見と捉え直し歩んでいく所存です。 それにしても完備にしては長いコメありがとうございました。
0「さん」が抜けました。 「完備さん」です。
0詩の中で、 言葉を再構築していく過程がイメージの散乱により、 言葉が飛び散っているような印象です。
0レモンさんありがとうございます。 ご指摘のところを踏まえて言葉と向き合っていきたいと思います。
0作品を読ませてもらって、コメントも読ませてもらって、なるほどな~と勉強させてもらいました。 比喩や言葉選びが、このサイトの中ではちょっと珍しい気がするんですよ。と言ってもそんなに作品を漁れてないんですけども。 わたしの感覚で書くなら、比喩同士の距離感が近いのかな。元々の言葉と、喩として用いる言葉の距離は、遠ければ遠いほど比喩特有の面白さが生まれて、近ければ近いほど読者に伝わりやすくなりますよね。 余談ですけど。ずーっと昔、ある小説投稿サイトで雪を発泡スチロールに喩えた方(ベテランさん)がいらっしゃいまして。この2つの言葉はなかなか遠いです。もちろん比喩として使えるんですけど、作中で機能させるにはコツが要ります。そのサイトは批評を前提としたサイトでしたから、ま~皆さんから叩かれてましたね。全然違うだろう、と。 でも、詩のサイトであれば何も問題なく受け入れられたことでしょう。 紅茶猫さんの比喩は結構近いので、読者に伝わりやすい反面、詩をメインで読まれる方にとっては物足りなさを感じるのかも? と予想。 比喩の距離、そして方向性の調整。この2つの調整がまとまりや散り具合に掛かってくるのでしょう。 伝わりやすさは強力な武器になり、多くの人を引き込みたい時に用いると効果が出ますね。 ただ、この距離感を特技とするなら、もっと効果的な演出の仕方がありそうですね。特に御作の場合はメッセージ性、と言いますか情景が濃いですから、もったいない気も。 作品のテーマが好きです。 『蜂と体温』は一般的に刺さりやすい題名だと思いますし。蜂と熱、それらを運ぶ電車。まるで蜂のように規則正しい音を立てながら走る箱、その内側から見る景色と、入れ替わりつづける体温。同じ方向へ向かい、そして帰る蜂の群れ。 そうなんですよ、視点の取り方は素直であり、誠実な硬さを持っていて、その辺りが作品の強さに見えるんですよね。根本的な大事なところへ視点を置いているように感じます。 あと、テーマはそんなに明るい話題では無いんですけど、全体的に光量を明るめに調整されているのが読みやすくて良かったです。
2丁寧なコメントありがとうございました。 この詩のだめだめなところは作者が一番良く分かっております。 なぜならこれは落選詩のリフォームだからです。 落選した詩の推敲だなんて、スタート地点から前向きな気持ちなど持てないものです。 ただこうしてこちらへ出したことにより、様々なご意見ご感想を伺うことが出来たのは良かったと思います。 いただいたアドバイスを今後の詩作に生かしていきたいです。
1完備さんの言う、歌詞的な言葉遣いの自覚、万葉さんの言うテーマ性の面白さという二つの意見に、同意かなと思いました。 熱と、その形状記憶について扱っているのかなと、受け取りました。熱が失われていくことについてはもう諦め、完全に冷える前に形を整えようとして、「六角堂タワー」が出来上がっていくような。 第4連が一番好きです。熱を持った腕を押した後に、「体温」そのものを押すというのは、詩ならではの表現だなと、感嘆しました。
1ミハイさんコメントありがとうございます。 賛否両論普通はいろいろあるものですから、サンドバッグのようにひたすら受け止めてまいりたいと思います。 過去を振り返る時には酷評を生かしつつ、そこから前へ進む時は褒められたことを生かしていきたいものです。 ミハイさんはどんどん活躍の場を広げておられるようですね。 頑張って下さい。
1