フィルムの向こうに広がる世界
憧れの人達がそれぞれの役になりきって
その役の生き様を一生懸命演じている
私は観客席に座ったまま
呆然と見ているだけだった
私はただの観客だった
本当に何もない観客だった
足を鎖で繋がれた
逃げることを諦めた
屍のような観客だった
フィルムをただ見つめながら
空腹に悶えて私は泣いた
どんなに綺麗な花を愛でても
どんなに高い宝石を買っても
決して満たされることのない、心の渇き
それは嫉妬か?劣等感か?
もはやどうでもいいことだ
本当は私だって
あのフィルムの中にいるはずだった
与えられた役を演じるはずだった
なのに、私はなぜここにいる?
答えは全部分かっていた
傷つくことに背を向けたから
本心に目を背けていたから
それが私がここにいる結果だった
小さなプライドを守ってばかりで
どうにもならないことに縋って
自分の心の声を無視して
私は何がしたかったのだろう?
願うならば
あのフィルムの向こうに私を入れて!
名も無い役でも構わない
セリフが無くても構わない
憧れるあなたと同じ世界に
ただ、存在したい!それだけなんだ!
いっそ、ここで叫んでしまおうか?
今からでも遅くないよね?
作品データ
コメント数 : 12
P V 数 : 1360.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2025-01-22
コメント日時 2025-02-09
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/06現在) | 投稿後10日間 |
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| 総合ポイント | 0 | 0 |
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| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
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| 構成 | 0 | 0 |
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閲覧指数:1360.6
2025/12/06 03時54分25秒現在
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江國香織、そう江國香織だ! なんか田代さんの作風(Bitter以降)ってあの人に似てるんだよ。 どことなく女性的口調をそのまま文にした感じというか その口調で叫んでる感じというか……
1まず、すごいタイトルだなと思いました。 内容の方はだいぶ前作とは違いながら、かなりストレートなように見えて、時制が混乱してたり、映画と思えばあなたが出てきたり、夢を諦めたと思えばまだ目指していたり、そういうすっきりとはいかないわだかまりみたいなものがまとまって表現されてるように読めました。 だから大声で叫びたいのかなって。
1凄まじいタイトルですね。 まるで昔の楳図かずおの恐怖漫画みたいです。 いっそ「餓鬼道」だけにして、前作と合わせて「煩悩」「餓鬼道」とシリーズ化されては如何でしょう。 3作目はもちろん「畜生道」です。
1まるで人間椅子(バンド)や日野日出志の作品のようなインパクトのあるタイトル? 銀幕の向こうはキレイな世界でも、そこに至るまでの争いは「強欲」に塗れた餓鬼道なのかも。 あれも欲しい、これも欲しい、もっと欲しい‥って感じで?
1コメントありがとうございます★ 江國香織に作風が似てるんですね! 私も気になって江國香織の作品を読んでみたら、確かに似てるかなーって思うところがちらほらありました(笑) 興味深い作家さんを教えて頂き、ありがとうございます★ 他の作品も読んでみよ★
0コメントありがとうございます★ そうですね、自分で言うのもなんですが、最近独特なタイトルが思い浮かぶことが多くて(笑) こちらの作品では夢を諦めきれなかった主人公が周りの成功していく友達を見ていく中で、悲しみ、嫉妬、劣等感、後悔と色んな感情に悩まされながらも本心に向き合いたいと強く思う気持ちを表現してみました。 以前、私が書いた「ゴールデン・メトロ」と何かにている部分があるかもしれないです(笑)
0コメントありがとうございます★ "いっそ「餓鬼道」だけにして、前作と合わせて「煩悩」「餓鬼道」とシリーズ化されては如何でしょう。 3作目はもちろん「畜生道」です。" ↑なるほど!それも面白そうですね★なんかいいアイデア浮かばないかな(笑)
0コメントありがとうございます★ "銀幕の向こうはキレイな世界でも、そこに至るまでの争いは「強欲」に塗れた餓鬼道なのかも。 あれも欲しい、これも欲しい、もっと欲しい‥って感じで?" ↑素晴らしい着眼点! そうですね、周りが成功して注目されていく中で、自分は置いてけぼりにされる孤独感、嫉妬心、どんな高級な物を手に入れてマウントを取っても満たされない虚しさが脳内で入り混じった様子を餓鬼道というように表現してみました。
0実は 「映画を観ている役」だったらこの観ている人も役者だから面白いなぁなんて思いました。その他大勢の観客に紛れた主役なワケです。あなたが。
1田代さんの文章は本当に読みやすいですね。この読みやすさはなんだろう。文章がするすると頭に入ってくる。言いたいことが明快。まるで阿川佐和子さんのエッセイを読んでいるようだ。親しみやすく人懐っこい。 それで今回のタイトルは嫉妬ジェラシー。君に寄せる愛はジェラシーと井上陽水の歌を思い浮かべながらこの文を読んでみる。 『餓鬼道』 どうやら、田代さんは人一倍自分に厳しく自虐性を兼ねておられるようだ。 他人に嫉妬する自分を餓鬼と形容するとは? 芸能界どれほどのもんじゃい、と思うけれど恵まれた1%の人達が成功者となり華となるその世界に同じようにジェラシーを共有出来るようになれば、この文章をとても名文と思うに違いない。うんロールスロイスにいい女といい男。確かにジェラシーな世界なのかと納得!
1コメントありがとうございます★ "実は 「映画を観ている役」だったらこの観ている人も役者だから面白いなぁなんて思いました。その他大勢の観客に紛れた主役なワケです。あなたが。" ⬆なるほど!そういう視点から見るのもありですね(≧∇≦)/
0コメントありがとうございます★ 素晴らしい着眼点!感服でございます(≧∇≦)/ 万太郎さんも仰る通り、この詩では他人への嫉妬をメインテーマに書いています。 どんなに努力をしても選ばれない厳しさ、高級なもので自分を慰めても意味が無いくらいの虚しさを全面的に押し出してみました★ 一番伝えたいテーマが伝わったとのことで嬉しいです(´∀`*)
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