二〇一九年初冬 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

死んだベテルギウス

衝撃を受けました

ベテルギウス。まずそれに注目する感性もですが、詩の内容が衝撃。 猫。木。家族。犬(のようなもの)。女の子……。など、身近にあふれている極めて馴染み深いものベテルギウスというスケールの大きいものと対比されているように感じられました。

二酸化窒素

七月の雨

ずっと待っていた

渇いた心を満たす雨に満たされていく

afterglow

桃太郎の神殿

幻想的な具体、具体的な幻想

時刻、刻々、刻むということは生きるということである。生きる、生まれる、死を予感する全ての事象が望む新たな幻想、書かれるべき詩、読まれるべき詩がここにある。

狂詩人

優しい人が好き

淡くうかびあがる差異のせつなさ

自分にとって「優しい人」と他者にとって「優しい人」は同じ「優しい人」だろうか。同じ言葉を使っていながら思いうかべるものは同じだといえるだろうか——

沙一

死ね、ニュートン

こいつはいい

こいつはいいよ。文体とイメージは翻訳ランボーの剽窃だが詩の勢いはホンモノ。

豆大福の日

ひとつ私に くださいな。

仮に、お伽噺のような平和があるとしても 敵は、存在するする。人には 雉、猿、そして犬のようなタイプの人のように個性が色々であっても、共通する敵が いる。敵に勝つために、もっとも大事なことは、共通する喜びに きがつくこと

真清水るる

ひらいて、とがって

ひらひらとひらかれひかれて

ひざこぞう、に出逢ってください。そして手をのばして作品の言葉にためすすがめつ、触れてほしい。

帆場 蔵人@⚰

薬売り

胡散臭さがたまらない

怪しいものや不思議なものが好きな方におすすめしたい、世にも奇妙な掌編——

沙一

書かざる言わざる、雄弁に水銀を

黙って笑ってろ、沈黙は金

これを見ているあなた、恥ずかしくはないんですか? 答えられないのですか。 なんでですか。 理由があるという訳でもないのですか? ああ、そうか。 全部、冗談だというのですね。

鳴海幸子

夏は夜。月のころはさらなり

田舎の夜道は暗くとも、恋は華やかで明るい——

沙一

あなたとどんぐりとハナミズ……

悪意のないホローポイント弾

ここには○○の残酷さが描かれている。 ○○が何なのかは、読めばわかる… …かもしれないし、わからないかもしれない。 感じ方は「人それぞれ」だから。

R

祖父の痕跡

黙想を貫いた彼が最後にみたものは…

祖父の遺物が並んだ「私」だけの世界… 彼の深層に踏み込むべく「私」は宝物箱に触れてしまうのか…祖父とは一体何なのか…

つつみ

直列つなぎ-うんこ!!(……

青春の現代詩

青春はいつも、エロくて汗臭い。そして切ないけど優しいところもあり、美しい瞬間もあるけど、昆虫たちも僕らも命を捨てて夫婦になることを受け入れる。それが生きるということだから。個人的には、僕は飯田華子さんの紙芝居を観に行きたい。

蛾兆ボルカ

ちがう星

ピッチャーとキャッチャーみたいだね

それから時々 おなじ星

三浦果実

いつまでもあいさつをしてゆ……

伝説の流行語はここから始まった

「かきかきたぶんしない」は伝説になった。わからない人には永遠にミューズは来ない。

三浦果実

粘土

こんにゃろっというやり場のない怒れる者よ

ほの暗い系男子がたどり着いた極北のモノローグがきみにはわかるまい

三浦果実

菊の花

2020年10月の裏番長/裏大賞

これの良さがわかるまで詩を書くんじゃない

三浦果実

死んだベテルギウス

地球は退屈な諦念に埋め尽くされてる

重力に支配された地球人にはわかるまい

三浦果実

風吹き抜ける青

残酷なロマンティズムがきみにはわかるまい

そのまま生き地獄で野垂れ死にするといいという孤高の美

三浦果実

ぢんせぃ

その喪失感は夢かうつつか

ネットとリアルがボーダーレスな、デジタルネイティブ世代の感性──

沙一

潮風

潮の香りにのまれるように

不思議な気配が手招きをしている

帆場 蔵人@⚰

空の下

大自然という舞台への出奔

二人が走り出す。広大な大自然という舞台へ。

羽田恭

明るい朝の歌

明るい朝のうらには、暗い夜があった

外をみつめることが、内をみつめることにつながっている──

沙一

震え 揺れ 回る

一気に詩情が注ぎ込まれていく。 それが 震え 揺れ 回る。 詩を詠み終えても、止まらない。

羽田恭

生きるためにパイを焼く

どうしようもなく生きていくということ

ただパイを焼く。それだけなのだけれど、衒いも奇抜さもなく心にぶつかってきて揺さぶられる。

帆場 蔵人@⚰

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二〇一九年初冬    

 四日、私たちは不調の機械をだましだまし使いながら、なんとか山林のノルマ面積を整備した。午前中、少し遅くなったが終わらせたのだった。  軽四のワンボックスのエンジンを掛け、ヒーターを最大にする。防水がかなり機能しなくなった合羽は水が入り、肘から手首までの衣服は濡れてしまっていた。  枯葉と土と泥が入り混じった車内は雑然としていたが、汗もかかないためか悪臭はない。しかし、それにしても汚い車内だ。  フロントガラスはだいぶ曇りが取れたが、まだ完全ではない。ゆっくりだが、林道を戻り始める。  現場仕事は終わった。  枯葉の上にいちめんに覆われた雪をグリップしながら、軽四ワゴンは長い林道を移動してゆく。  途中、アンテナの跡だと聞く大きな広場に車を止め、弁当を広げる。まるで色彩の無い、茶色一色のおかずが白米の上を覆い、飲み物は香りのいい紅茶だった。  汚れた車内の中で、美味いとは言えない弁当を食い、失意にまみれた広葉樹林と、落ちゆく雪を眺めていた。  咀嚼の数ほど多くの事柄があり、それを認めながら体内に落とし込んでいく。この一年を冬鳥の群れが一気にさらいあげ、上空へと舞い上がらせた。  五日、六日、雪は降り続け、朝一と昼頃、人力除雪に入った。車庫の片隅に埃をかぶった除雪器具を取り出し、雪をさらいこみ、特定の場所まで運び、棄てる。この単調な作業を進めていくと、次第に体は暖かくなり背中や胸が汗ばんでくるのを自覚する。それを何十回と繰り返すとようやく雪が除去され、いたるところにこびりついた、いやなおもいが剥がれ落ちてくる。  定期的に訪れる建設業者の除雪車が、警告音と稼働音を響かせて集落の落胆を削り取ってゆく。それらを眺め、簡単な事務的な作業をしつつ、時とたわむれた。  七日、朝、外は雪も降らず、少しばかりのときめきもあったがすぐに羽を失い、湿った雪の上に墜落している。行動を起こすべきことは存在するが、それは確固たるものでもなく、ただの無機質な存在でしかない。しばらく、その、「存在」を放牧しておくべきかということを考えている。  朝食を終え、すでに二時間以上経ち、しかしまだ洗顔や投薬すらもしていない。それらを終えて日記を書くか。それが終わってからは、また何をするか考え、そのあとは別な場所へ行くための羽繕いでもするしかないのだろう。


作成日時 2021-09-15
コメント日時 2021-09-16
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二〇一九年初冬 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 5
P V 数 : 355.9
お気に入り数: 1
投票数   : 1
ポイント数 : 0
#現代詩
項目全期間(2021/09/20現在)
叙情性0
前衛性0
可読性0
エンタメ0
技巧0
音韻0
構成0
総合ポイント0
 平均値  中央値 
叙情性00
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
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閲覧指数:355.9
2021/09/20 19時43分47秒現在
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    作品に書かれた推薦文

二〇一九年初冬 コメントセクション

コメント数(5)
YUMENOKENZI
作品へ
(2021-09-15)

yamabito様 冬になれば、否が応でも降雪、積雪と対峙せねばならない山の生活 ... 日々の山の作業にも増して、除雪は、本当に大変な作業ですね。  山を愛し、山に生きる、筆者の精神が、非常に静かで、極めてしなやかなのだと感じます。 畏敬の念を禁じ得ません ... 七日の「存在」をめぐって表現された節が、おもしろくて好きです。

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YUMENOKENZI
作品へ
(2021-09-15)

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yamabito
作品へ
(2021-09-15)

YUMENOKENZIさん、こんばんは。散文を読んでいただき、感謝いたします。また、御評価いただいたようで、大変恐縮です。 七日・・・ついての記述は、散文でありながらどこかにポエジーを含ませたいとするある種の仕掛けとでも言いましょうか。

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YUMENOKENZI
yamabitoさんへ
(2021-09-16)

yamabito様 こんばんは。コメントのご返事ありがとうございます。 私も北陸地方に暮らしておりますので、冬山に生き、それを描いた筆者様の世界が、大変興味深くて、すごく親しみを覚えます! 1度目のコメントにて、評価のチェックを入れ忘れてしまい、送信ボタンを押した後で気付き、慌てん坊の私は、投票だけを押して空白コメント送信してしまいました。無効票にならなければ良いのですが。。

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yamabito
作品へ
(2021-09-16)

YUMENOさん、おはようございます。 冬はきらいですが、冬がないと春もありませんし、やり過ごすしかないのでしょう。 評価のチェックはちゃんと入っておりました。ありがとうございます。 YUMENOさんの御作も読んでみたいと思います。重ね重ねありがとうございました。

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