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石
いし、という言葉が 手の中の小石を離れて 水の中を落下してゆく それが戻れない旅でも 目を輝かせて 未知へと旅立つ 冒険者のように 蒼く光る 美しい水のなかを どこまでも深く 嬉々として 落ちてゆく一つの いし、としての 私でありたい
作成日時 2021-02-24
コメント日時 2021-02-24
石 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 364.4
お気に入り数: 2
投票数 : 3
ポイント数 : 2
項目 | 全期間(2021/03/01現在) |
---|---|
叙情性 | 1 |
前衛性 | 0 |
可読性 | 1 |
エンタメ | 0 |
技巧 | 0 |
音韻 | 0 |
構成 | 0 |
総合ポイント | 2 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2 | 2 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
手の中の小石、落ちていくいし(石、意志、意思)、そしてそれらを見つめる「私」。 「みず」も「みず(から)」の略かつ象徴性を帯びていて、四重奏の構造がうまくかみ合ってとても美しいです。 詩作をする際の心のあり方を歌った詩だと拝読しました。 メイドインアビスを思いおこしたのは、読者(=つまり、わたし)の予断でしょう。 短いながらも洗練され凝縮された詩語が美しい反面、「私でありたい」という最終行が、幾分か甘く感じました。 私性を全面に押し出さずとも、この作品で伝えたい事は伝わってくる気がします。逆に私性を強調された事で、押し付けられた感覚のように捉えられてしまうおそれもあるでしょう。 思わず漏れ出た、溢れ出た私性、という好意的に読む事ももちろんできますし、個人的に気になっただけなのですが。 ともかくとても素晴らしく感じました。 拝読できて嬉しいです。
2投稿してから誤読に気付きました。 こいし→いし→水の中へ→私 なんですね。 石(意思、意志)が沈みそこで「私」と出会う。 溢れ出ているのではなく、ただ静かに存在している 「私」という他者に出会う、と解釈すると、とても素晴らしく思えました。 とすればこの作品が横書きで書かれているのも納得です。 構造、詩形、音、に絶え間ない心遣いを感じます。 改めてこの作品を読めた事に感謝します。 ありがとうございました。
3【補注】 第2連は、「メイドイン・アビス」からのパスティーシュを含みます。
0水中を落下する石の不規則な動きを 「未知へと旅立つ冒険者」 「嬉々として落ちてゆく一つのいし」 と表現された感性が素晴らしいと思いました。 同時に詩の底に流れるポジティブな感情を望んでいる 「私」 は、何かネガティブな現実に直面してるのでしょうか。 詩の外を想像してしまうほどに惹き込まれた自分でした。
1細部まで、丁寧な読みをありがとうございます。 メイドイン・アビスは、最近ハマってまして、本作品はアビスからの影響を受けております。 引用ではないので、厳密な出典では示しませんが、「第2連はパスティーシュを含む」と、させて頂きます。
0ありがとうございます。 想像して鑑賞してくださり、作者として嬉しいです。
0>いし、という言葉が >手の中の小石を離れて >水の中を落下してゆく とあるように事物存在である「小石」とそれを指す語である「こいし」とが離れていく時(この場合「いし」なのだけど)、「私」という実在から「わたし」が離れて、いっしょに「落下」していっているようでした。 だから、三連の >蒼く光る >美しい水のなかを >どこまでも深く >嬉々として >落ちてゆく が、まさに見ているようなリアリティをもって美しく感じられてきます。 それを私も見ながら感じている、という《私》の二重性があるのでしょう。 作品全体を通じて響きあう音や配置もさることながら、以上の点について非常に素晴らしいと思いました。静けさのなかに鮮明な映像と動きが浮かんで美しいです。
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