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梅雨も明ければ
湿る金属 の臭いと 舌の先 金属は湿っている 唇は乾いている それは六月二十三日 信号は点滅している 主の無い 蛍袋と 荒屋敷 壺屋の水は甘かったか 久茂地の水も甘かったのか 今は 酒屋の水も なんだかとても酸っぱい じんじん 今も その花に隠れているのか そこからも 誰かの光は見えているのか じんじん あの娘の涙を飲んで 落ちて来るか じんじん 足元に 群れる射干の 語る人 少し湿ったね と 旧道沿いの あしもとのほうから 梅雨のにおい と 祖父のにおいがした ふりかえると あたり一面にシャガの花 思い出すひとがいるから 咲くのだろう もう一度ふりかえると 祖父の家 明日から空家となる 声も無く 人の面を 斫る月 君が百本の小説を乗り越え眠るころ 僕は一握の詩の前で童貞のままで 国際色の喧騒にしがみつきながらも 同じ月の夢に ニャー と哭く

作成日時 2020-07-05
コメント日時 2020-07-27
梅雨も明ければ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1597.4
お気に入り数: 2
投票数 : 0
ポイント数 : 14
項目 | 全期間(2023/02/09現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 4 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 3 | 0 |
エンタメ | 4 | 1 |
技巧 | 3 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 14 | 2 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1.5 | 1.5 |
エンタメ | 2 | 2 |
技巧 | 1.5 | 1.5 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 7 | 7 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
イラストがかなりいい雰囲気を出していますね! これだけでも十分評価できます。 これに続く詩ですが。 >明日から空屋になる にはっとさせられました。 >ニャー > と哭く ここも好きです。
1羽田さん ありがとうございます。 俳句部分以外は過去作の使いまわしですけど、何か繋がってるように感じていただけたらよかったです。
0作品全体から梅雨特有の湿気を感じました。 作中の「じんじん」は沖縄の童謡で蛍のことなんですね。 六月二十三日というとちょうど蛍の見頃でしょうか、信号の点滅から蛍の明滅へと上手く繋がっていると思います。 空の蛍袋と空き家になる祖父の家はさみしいイメージが重なります。 羽田さんが仰っていますが、ぼくもこの絵がとても素敵だと思います。特にこのシャガの花の絵は知らない人には嬉しいと思います。 >思い出すひとがいるから >咲くのだろう この部分が絵によって一層鮮やかな印象を残しているように思いました。
1国語の授業で読まされる伊勢物語とか「歌物語」の、散文と定型の韻文が相互に干渉するという表現には可能性があるんじゃないかと、かねてより思っていて、それをついにやられたかーという思いです。リズムが素敵なんですよね、ハライチに朗読してもらいたい。
1コメントありがとうございます。 つながってるようでしたら幸いです。点滅とじんじんが繋がってるのは、気づかなかったのでなおよかったです。射干の画像、どこまでぼかすか結構迷いました。野花にしては不思議な雰囲気の花です。
1お読みいただきありがとうございます。 そうですね。不勉強であまり読んでないのですが、物語だと歌のほうが多いのかな? ハライチって(笑) 散文でテンションMAXあげなきゃになっちゃいますね。それも面白いかも。
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