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つくよみ
君ならで誰にか見せむ梅の花色をも香をも知る人ぞ知る ——紀友則 春の夜は無言の裡にも更けてゆく おしえてもらった和歌の意味を 胸奥ふかくにとどめながら 舌のうえでころがす飴玉 部屋から 窓のそと その先へ 電話の糸はとおくまでつづいている 満つる 月を詠み 香をたきこめた言葉 笏はスマホにかわっても 万葉のころからかわらない 春の夜は無言の裡にも更けてゆく 春に咲く花は浮世に多けれど君の色香ぞ吾は知りたる
作成日時 2019-05-07
コメント日時 2019-05-28
つくよみ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1124.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 17
項目 | 全期間(2021/01/17現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 4 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 4 | 4 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 5 | 5 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 4 | 4 |
総合ポイント | 17 | 15 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0.8 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0.8 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0.8 | 1 |
総合 | 3.4 | 3 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
『胸奥ふかくにとどめながら 舌のうえでころがす飴玉』 いいですね~ こんな表現が自分でも出来たらなと、と羨ましく思います。 まさに『舌のうえでころがす』ように味わうべき作品ではないかと思いました。 過去に想いを馳せる、その心情がそのまま詩的に表現されてるのかな、と思いました。上品ですよね。
0tOiLeT さん 気に入っていただき、ありがとうございます。 今作は三月に書きましたが、新元号が令和になり、シンクロニシティを感じています。 想いを言葉にして伝えたくなるのは、今も昔もおなじですね。でも、言葉をかわしていないとき、もしかしたらより深く、好きなひとを想っているものかもしれませんね。
0最後の和歌は、紀友則の歌の意味を教えてくれた人に向けた歌ですよね。だからこの詩はそれ自体が相聞歌になっている。古き良きものを踏まえつつ、新しさもある。ああ、これはまさに令和の時代の日本の詩歌だなと思いました。素敵です。
0哀愁亭さん はい、最後は私なりの返歌です。 紀友則の和歌は相手の審美眼を讃えているそうですが、私の方は比喩的に相手の魅力を詠っていますね。 古きよき文化に、多くのひとが親しみをもてる時代になったらいいなと思います。 ありがとうございます。
0拝見しました。 沙一さんらしい、古風さを思わせる世界観が独特で良いと思います。 短歌と詩の結合をさせた作品を他に見たことがなかったので、その意味でも新鮮でした。
0ふじりゅうさん 現代自由詩の始まりにあったであろう、短歌や俳句といった古い詩形式への反抗心のようなものが私にはなく、古きよきものは進んで取り入れていきたいと思っています。単に、古風なものが好きでもあるのですけどね。 コメントありがとうございます。
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