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離散したせかいに千切れるよ笑って   

クヮン・アイ・ユウ 
作成日時 2018-03-27
コメント日時 2018-04-29

 

そうだよ、今から飛び込むから見てて ちゃんと居なくなるから見てて ほら 気がつくと片側の瞳からだけ涙が流れていて ここがベッドルームでも岩と岩の間でも波を受けていても天国でも地獄でももう何でもよかった アーティストが夢を歌う横で 悲しみ絶望を歌う人間こそが真のアーティストだと世界を睨みつけていた 涙を拭ったら 夢の終わりもって終わりとして 忙しく身支度をした 壊れたドライヤーは年中冷風で 今の時代ディスカウントショップでそれなりのものを買えるのになぜか頑固な姿勢を崩さなかった 崩さなかった そんなこと一つとっても器用に立ち回れたらあの時あんな借金はしなかった 免許が取れるのに卒業直前で辞退した 30万ローンを24回に分けて払うことを決めた夏の隣で、親親親と口々に言うのを聞いていた 愚かだからこの世界は公平だと思っていた 努力は報われる夢は叶う君も幸せになるのだと 現実にケチをつけても何にもならないこともその少し後に学んだ 君が千円のランチを食べる隣で 丸めたおにぎりの見てくれを気にして隠れて食べる人生があることを知った 米が食べられることがもう贅沢なのだと知った ダンボールをかじって そんな風に下を見ればきりがなく この世は二つに区分されていて 幸自慢も不幸自慢もキリがないから、そうだった だから飛び込んだんだった 片目から泣くなよ両方から泣きなよ そんな声も聞こえたけれどきっとこれも後付けだろうな 後付け後付け後付けで、飾りが増えるほどに僕らの人生は虚しくなった 穴はたった一つのものでしか埋められず他のガラクタ美しいものを持って来ても足りなかった 豪邸に積み上がる虚無とワンルームに溢れる精神病のどちらが幸か不幸か そんなものはかってどうするのか 君は今幸せか僕はどうか ここで今絶叫したら晴れて仲間入りか 君が叫ばないのはなぜか 僕が叫ばないのは この文字たちはどこへ行くのか、ゴールなんかあるのか 裏門で局部を蹴ったあの子が母になったと聞いた 痛みは消えたのに何かが今もずっと痛い 俺は何になったのか 君が何になるのか これは何になるのか 詩はどこへゆくのか 断絶せよ世界 断絶を叫んで断絶に狂って痛みのままにのたうち回れ 世界に壊れる身体も心も見てよねえ ほら、今から飛び込むからさ 断絶せよ 断絶せよ 諦めて諦めて諦めて諦めても消えない世界よ断絶せよ断絶せよ断絶せよ 千切れ飛ぶからだを見ていつか笑う君よ 千切れ飛ぶから 見てよ


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みうら (2018-03-27):

ユウさん3月の投稿ありがとう。ユウさんを詩人と呼称していいのなら、ユウさんは人物と作品が一体とする詩人だと思います。本作から鬼気迫るものを感じる。日常で感受することを言語化している人なんだと思う。断絶を作品に出来る人、いやそうではなくて断絶を詩にしなければならない人ではないでしょうか。 詩に関わってきた2年半、誤解は誤解のままに、弁明を拒否してきたと自分なりに思っているのですが、後悔はなく。なぜなら断絶を少なからず体感出来たから。言語化出来ない気持ち。 またいつものごとく自分語りをしてしまうコメントで失礼しました。というか自分を語る以外に何を語れというのかと、思うよね。ユウさんわかるでしょう笑。

IHクッキングヒーター(2.5kW) (2018-03-28):

やはり、「断絶」が答えにならざるを得ないのでしょうか。しかし、「見てよ」というのは断絶を見せつけるのか、あるいは… なんというか生意気なこと書いてしまってすみません。

沙一 (2018-03-28):

死にたい、というのは、生きたいという気持ちの裏返しではないでしょうか。 上手に生きたいけど、それがかなわないと感じたとき、人生やめてしまいたくなる。 同様に〈断絶〉も、ほんとうは誰かとつながりたいのに、うまく交流できないと感じたとき、自分を守るために壁をつくってしまう。 最後の「見てよ」という台詞に、声にならない心の声を感じました。 なんにしても、三浦さんの仰るように、鬼気迫るものを感じる文だと思います。 自分は読んでいて、あんまり卑屈になんなよ、と声をかけたくなりました。

エイクピアエイクピア (2018-03-28):

免許が取れるのに卒業直前で辞退した ここが心に響きますね。姉も確か免許が取れる直前に止めて二度目でとったからです。 断絶せよ 断絶せよ 諦めて諦めて諦めて諦めても消えない世界よ断絶せよ断絶せよ断絶せよ 千切れ飛ぶからだを見ていつか笑う君よ 千切れ飛ぶから 見てよ こんな終わりにも何か含みを持たした感じを受けて印象的です。

沼尾奎介 (2018-03-30):

すごく感情的な詩ですね。共感できますがそれは、俺が貧乏人だからかもしれません。

クヮン・アイ・ユウ (2018-04-29):

三浦さん 断絶を作品に出来る人、いやそうではなくて断絶を詩にしなければならない人ではないでしょうか。 せざるを得ないことをただしている。息が苦しいから呼吸している。そこにはより良い呼吸の仕方などはなくて、必要にかられてしている。 詩をやめられない気がするのはそんなところからでしょうか。やめたらどうなるんでしょうか。 詩は憎らしい愛おしい存在です。自分みたいです。 わけわからなくてすみません。

クヮン・アイ・ユウ (2018-04-29):

IHクッキングヒーター(2.5kW) さま コメントありがとうございます。 多くの作品ではそのように現実の提示があり、「でも」という資本主義、物質主義的な価値観からなんとか抜け出ようとする足掻きのようなものを感じます。 〜である。でも〜。 生きていく以上、これを続けていくだけなのかもしれません。尊いのかもしれません。

クヮン・アイ・ユウ (2018-04-29):

エイクピアさま ありがとうございます。お姉さまのエピソードをうかがえてありがたいです。 いつか僕もリトライすることがあるのかなと初めて考えられたからです。 詩をご覧下さりありがとうございます。

クヮン・アイ・ユウ (2018-04-29):

沼尾奎介さま ありがとうございます。 ご覧下さって嬉しいです。 僕の好きな方は、いつも少数派のことを思っていて、人知れず影にいる人を描いています。僕はそんな風になれないかも知れませんがなってみたいと望んでしまいます。


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