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「啼き虫の種」   

作成日時 2017-12-01
コメント日時 2017-12-17

突然の吐き気に嘔吐したものには 胃液混じりの黒い虫がいた なにやら啼き声をあげている 私はその虫を裏庭に深く埋めた そんな事を忘れていたある日 裏庭から私の声がした 見に行くと私の背丈ほどに育った 赤黒い植物が花をつけ その中心から私の声を 止めどなく漏らしている あの吐き出した時に抱いていた 恨みつらみを延々と繰り返している 私の心中がそのまま垂れ流されている 忘れていたのに その声でまた恨みが蘇る 怒りながらその植物を 根っこから引き抜き燃やした せっかく忘れていられたのに あの人への再燃した繰り言が しばらく私を悩ませた そうして何ヶ月か経ち また吐き気がしてあの黒い虫を吐き出す 土中に埋めてはまた育ち呪詛の言葉を 燃やしては怒りに胃の腑を熱くし 最近では何ヶ月どころではなく 一週間もしない内に吐き出すようになった 毒々しい赤黒い花の声を聴いている内に 怒りが解消されないまま溜め込まれ それが吐き気を加速させ 悪循環だ 裏庭では今も恨みの植物が育っている


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コメント数(10)
カオティクルConverge!!貴音さん (2017-12-01):

はじめまして、貴音です。 記憶は忘れても何処かには残留していて 感情は常に湧いているから ふとした場面で 無自覚にその時の記憶や感情に重なる場面があると フラッシュバックすることがあります 楽しいことなら良いけど 嫌な事はさっさと無いものにしちゃいたい でも詩の人物は 裏庭に埋めてしまう それも何度も 恐らく、余程強い出来事か または最近まではそうだった出来事なのでしょう。 そんな虫の種はトイレに流しちゃえば良いのに 意識が狭くなっていて 同じ事を繰り返して 悪循環ですね確かに でも、こうも思いました。 裏庭に埋めるのは 常に目について 手離したくないから 本人は散々だと思ってるつもりだけど 繰り返すって事は それを求めてる もう自分を作っている無くてはならないの物に成り果ててるのかも知れません。 こんな感じに読めて面白かったです。

fiorina (2017-12-02):

浄化とは真反対をたどる流れにかえって生命力を感じます。 津波がわずかに足元を掬う深さであったにもかかわらず、 抗えないほどの力を持っていたように、 「吐いては埋める」この衝動は暗黒と光でなる宇宙の根源と結びついているからかもしれない。 愛と憎しみの物理的と言ってもいいような力の存在を思いました。 愛憎を自身も生きた読み手にほど、濃い花の色が見えると思います。 今回も重複や蛇足を感じた箇所がありますが、 自然の営みはそういうことを気にしませんので、 それさえも負のエネルギーに変えて、見事な花を咲かせるなら、と この辺は私自身の問題とも合わせて迷い中です。

まりも (2017-12-04):

どんどんサイクルが短くなっていくあたりに、切実さがありますね・・・ 毒々しい、とか、赤黒い、とあっさり形容されているがゆえに、さらりと読めるのか・・・それぞれ、具体的で、より生々しい比喩で描き出されていたらどうたろう、破壊的な迫力となるのではないか・・・と思ったり。エンドレスであるだけではなく、どんどんスパンが短くなるところに、めまいというのか、高速で回転する歯車に飲み込まれるような酩酊感があるように思いました。

花緒 (2017-12-04):

桐ヶ谷節、炸裂していると思いました。恨み、の内容が一切捨象されていることに凄みがあります。理由が書かれていないということで、業の深さが一層感じられるからです。恨み、というワードさえ使われていなかったら、もっと凄みが出たかもしれないということも思わないではないのですが、恨み、というワードを使うことによる分かりやすさも捨てがたいですね。久しぶりに、直球の桐ヶ谷節が来たなと思いました。

桐ヶ谷忍 (2017-12-05):

カオティクルConverge!!貴音さん♪?様 コメント頂きありがとうございます。 私も、どうしてこの詩の語り手は不快な結果になるのに、いちいち裏庭に埋めているのだろうと 書いていて不思議でした。 そうしたら貴音さんのコメント拝読して、なるほど! と。 やっと腑に落ちた気がします。 ありがたい読解をして下さって感謝します。 どうもありがとうございました。

桐ヶ谷忍 (2017-12-05):

fiorina様 コメント頂きありがとうございます。 >浄化とは真反対をたどる流れにかえって生命力を感じます。 言われて気が付きました。そうですね、 負のエネルギーですが、確かにこれもひとつの生命力だなあと。 とても示唆に富んだコメントに、ここまで考えて下さって嬉しくてなりません。 重複や蛇足があるにもかかわらず、温かく受け止めて頂いて感謝します。 どうもありがとうございました。

桐ヶ谷忍 (2017-12-05):

まりも様 コメント頂きありがとうございます。 生々しい比喩…そうですね、ちょっと表現が安易に走り過ぎたかも、と反省です。 >エンドレスであるだけではなく、どんどんスパンが短くなるところに 私も、このヒトどうなっちゃうのだろう、と書いていて唸ってしまいました(^^; 酩酊感とはまた嬉しいお言葉を。 どうもありがとうございました。

桐ヶ谷忍 (2017-12-05):

花緒様 コメント頂きありがとうございます。 桐ヶ谷節って花緒さんから頂いたお言葉ですが、それがないと、あれ私らしくないものを書いちゃったかな? と不安に思う事があるので、今回は桐ヶ谷節炸裂って仰って頂けて嬉しいような面映ゆいような気持ちです。 恨みという言葉を使わない…あぁ、そうですねえ…直接的な言葉より表現を磨いて、恨みという言葉を 使わなくても、簡単にそれが頭に浮かぶような表現で書けたなら面白かったなあ、とコメント拝読して 思い至りました。 今後の課題として考えてみます。 どうもありがとうございました。

百均@B-REVIEW ON/ (2017-12-16):

 虫が花の種になるという発想が分かった途端にピンと来るこの感じが凄くいいなと思いました。基本的にコメント欄が充実していて、僕から挟める言葉はありません。視野狭窄に陥っているんですね。文句をいいながらも、恐れながらも、見てはいけない物を見てしまう心理が垣間見えます。虫と花という組み合わせが、シンプルですが、力強いと思いました。

桐ヶ谷忍 (2017-12-17):

hyakkinn様 コメント頂きありがとうございます。 >虫が花の種になるという発想が分かった途端に~ そうですね、でもってその虫はというと自分の内臓から生まれて、吐き出したという設定なので いささか気持ち悪いと思います。 見てはいけない物を見てしまう…一種の自虐だなあ、とコメントを拝読していま思いました。 どうもありがとうございました。

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