冷房効かせ朝に書き書き
コツコツ物書く月曜日がはじまった
妻はスマフォで小説書いておる
黒という黒のこの部屋で静かに
大丈夫だと背を押すハードロック
サツマイモいただいて申し訳が無い
退屈として音楽を浴びたい
幻聴ほんとに減った寂しくある
書くこと歩むこと心身脱落
小銭入れがいっぱいかよ
午後五時となり残っている陽よ
秋風窓を叩いて
さびしみどうしてこうして日が暮れて
つかれてきて時計の音
ブルース流して清掃しよう
今日の道に花のないたんぽぽ
五時の時報のさびしいかぎり
宇宙の花としてあなた
妻が足へとキスしてくれた
本日は夕飯早くざるラーメン
火曜日にしてもう御金が無い
睡眠少ないけれど落ち着いた朝
本日もいきがって弾き語り
妻に手をひかれドラッグストアへ
妻が本気でダイエットサプリ買ってきた
未だ暑い陽の下を帰る
コルトレーン流してビターなコーヒー
食道弱っているか妻と考える
ざるラーメン生活万事即俳句
おじいさんと呼ばれ食べて寝ころぶ
妻が又何か欲しいという
妻の集中している目が厳しい
一服して皿を洗う
皿を洗いあげて一服する
幻聴聞こえて体が止まってしまった
砂糖水を飲み眠剤服す
寝て起きてコチコチ
寝て起きて何もしない
やっとコーヒー飲んでカプセル服して
砂糖水含み満足
野にふるえるねこじゃらし
午前三時に起きてどうする
喫煙がやめられない秋風
妻は未だ眠り当たり前だ三時だ
煩悩の益々盛ん腹が減った
よく目覚め片づけ終えた
ひとりにしてくれない秋が深くなる
陽の暑くカーテンをシャッとしめた
鬱気分なのでひとり山をみている
妻が体調を崩して薬渡した
目覚め宜しく今は宜しくない双極
闇一本の煙草の火
悔しさのガム噛みしめている
鬱や花が美しいよ
こじんまりした部屋に一人
ともかく句作するこの秋も学ぶ秋
妻が神様に助けを求めていた
ふたり歩いてねこじゃらし
ひとりコンビニ袋下げて帰ってきた
横になっては陽が暮れて
悪夢より目覚めてこの世いとおしい
目覚めすっきりとして砂糖水
鬱の原因多分薬の摂り過ぎだ
今朝はコンビニに二回行って考えごと
レジで茸のオムレツ温めて貰う
鬱の酷くて涼しい部屋とする
妻の神様に相談事したい
ガムとサイダー買ってきてもらいにこにこ
禁煙はじめてみても心彷徨う
禁煙はじめましたと念じて書く
お金のかからない趣味で良かった
妻が出かけてしまってさびしい
高架下花を握って歩む
スーパーマーケットで妻の傘持っている
鉄火丼という選択があったか
煙草水に沈めてみた
風呂に入りつつ禁煙本読んでいた
お茶のカフェインに酔っていた
首こり肩こり苦心して書く
あとで疲れた眼に目薬さそう
チョコアイスバー溶けてこぼれちゃった
あとは眠るだけにして虫の声
月夜コンビニ袋下げて歩く
なごやかなああなごやかななごやかな
ガサガサ夏の魔物も去る夜かな
雨はやんでいる菓子買いに行こう
自由律俳句それは力ぶら下がる糸瓜
昔の日記読む何を悩んでいたことか
松風通り傘ふって歩く
垣根の椿に己を見いだす
しとどに濡れてゴミ置いてきた
みぞれ浴びて求め歩く
冷えている書きつめる
やっと澄んでゆくわたしのこころ
ほろほろ歩く草の上
しぐるるや体力ついてきた身へ
準備してすることもなく一人
水に月在る朝のつつましさ
雪のめったにふらない町に生かされて
しぐるる山のこころとなって進む
雨の音虫の声詠いつづける
書くことは歩くことこころを放つ
病院烈しいクラシックが流れておる
三人並んで話が弾みます
病院では煙草がなくても平気です
お金も持たず気楽の内
先生への手紙持ち診察を待つ
涼しくなりこれでお料理できますね
禁煙の日の覚えやすく九月九日
お手洗いで手を洗います
落ち着いた診察日のスタンドグラス
なかなか落ちつけない、禁煙破りそう
わたしはわたしの正しさを知らない
あなたはあなたの正しさを知っている
妻についている天使よ妻を救って
小さな世界だ私は私の道を行こう
ひとの詩を読み語る愉しみ
電験学習しようか一日考えよう
どん底だからねぇのぼるしかない
本を少なくしようとしかし句集を残す
漫画本五千円で売って妻に二千円やる
この先一年をどう生きよう楽しもう
日高さん昼は納豆だけかよ
声を出してエンジンをかける
台風には台風の事情
夜コーヒー飲んで夢の誘いと闘う
ちりちりちりちり蟋蟀の声
言い間違いが多いマイラジオ
流転は夢としてここに住む
空の澄むひとり脳内花畑
だらだらとだらだら祭り眺め入る
久々母に会って親しさよ
母よ煙草やめられなくてご免
母の車の軽快な
明日は本がくるわくわくする夜
本日は本がくる仲秋の涼風
よい目覚めのとくに夢もみず
野菜炒めにポテトサラダを待っている
嘘は書かないようにしよう煙草を喫った
整えて散らかして書斎
旅を念頭に今日の一日
流れ星人が恋しい
酒断ってひたすら句で夜を誤魔化す
生きている体をほぐす
サイダー飲んで澄んでゆく
目覚め宜しく胃の中は空
カプセル服して安気して
汗まみれの体洗いあげる
床を汚して罪の気持ち
ミルクティー飲んで本日最後の煙草
坊主頭のすぐ乾く
午後六時に眠るのかよ
ネットに没入しおしごとおしごと
重い荷負って妻帰る
この歳もあなた任せの秋だったよ
風呂に入ってすっかりさっぱり
バスタオル見あたらず困っていた
秋に仰ぎ見る妻こそ天下一
ふたりだけの家族写真をとろう
辛そうな妻へと優しくしよう
人生を愛してひとを愛する
考えることが楽しい秋の夜
呼吸整えて安心しよう
道を単純にして堂々行こう
意志を鍛えて秋風に感化されない
禁煙失敗のつづく夕暮れを眺め入る
今年もあと三か月か黄色い草
道のふとしたところばらの花
過去の日記の細かい字でびっしり
妻がさみしさで調子を崩す
思考無となり咲いていた花
働いてないせいか太ってきた
本が駄目な日がつづき本を売った
句集枕辺に置いて昼寝
つかれている蟋蟀の声もなし
虫の声のしない静かな秋
眠剤効いてきて眠ろうか横になる
今日は母が来るそして本が届く
カプセル服して落ち着いた秋の朝
トーストに目玉焼き妻よありがとう
さて洗面所掃除をはじめましょう
あたらしい腕時計つけてかっこういいぜ
本が届いたうれしいにこにこ
この旅、果てしない自由律俳句の旅
陽の入る部屋にふたりおる
柔らかな雲ながれる秋です
おとなりから掃除機の音秋の朝
早々つかれて体力がない
爆音かけて書斎清掃したい
ジョニー・ウィンターのブルースを嗜む
雨しとどにふったあとの空の青さよ
わっと雲どどどっと山
丁寧に禁煙準備すすめる秋よ
人間関係に悩みつつボランティア
常金欠の煙草野郎である
囚人妄想のとらわれを生きる
漢字が難しい昔からである
馬鹿と書いて叱られた昔思い出す
ぢっと手を眺め放りだす
しとどに濡らす雨部屋に一人
雨ふるさみしい空間を眺める
固く念仏を放さずなもあみだんぶ
つかれきて草の青々
修行としての句でなし溢れくるもの
腹が減ってコンビニに行くとする
ともかく禁煙パッチ貼りつづける一念だ
雨の中を歩く
山頭火に明治天皇を尊敬して書く
コロッケの味の残った舌
やみつきメープルのカフェラテ美味しい
ため息に先が思いやられる
精神的支柱としてわが妻眠る
まぼろしの声聞こえ部屋掃除する
このまま行こう初冬の世界へ
さあ掃除しよう立ち上がれ
やはり煙草が欲しいニコチンが欲しい
煙草買ってきた病気の元を買ってきた
花や水のような音楽を聞いている
幽霊の歌を歌って秋終わる
すこやかに透明に生きたいな
エゴの強さに悩まされる
歩きたいだけ歩いて雨の中
病後を静かすぎるくらい静かに
いつかのきみが今のきみでここにいた
私は大きな子供秋を楽しむ
あなたは一人でない、わたしは一人
悪い思い出の秋の雨に打たれて
今度はセロリを買おうと妻が言った
悩み抜き雨の音
くりかえしくりかえし心身脱落
つかれて蟋蟀の声
不安定な空をぐるり見回す
仕事を忘れ夕食は鯵
そうして何する句作する
さみしさ雨を急いで帰る
病み上がりの私が歩いている
生きたい私が歩いている
夕方目薬をさすいい感じ
大きな雲をわが物のように見た
大きなおなかをぽこぽこ叩く
涼風に吹かれてばかり
洗いあげた妻の髪のよい香り
変わらない部屋の変わらなさに驚く
変身する時間が欲しい秋の夜
腹いっぱいで夢のかぎりよ
幽体としてのいつかの自分が書いたもの
犬の気持ちがわかりたい
部屋のゴミが気になるふたり
皮膚病治ってきて良かったと神に礼
卵かけご飯に霊性感じておる頂く
あめあがりの道をふたりで
冷静にならなければ冷水シャワー
妻が暗くあれば暗くなる
書きつめる日々のさまざまを
コーヒー飲んで落ち着いている雨の日
雲は鬱蒼としてじぶん明るくするばかり
音楽ながして寝室掃除
私は書いて妻は話して発散する
愛は強く真剣書きつづける
妻が苦しいと、よく話を訊く
妻を眠らせ細々句作する
煙草嗜み侘しくなってゆく
書いていたら妻にのぞかれた
花ひらくとは妻と出会えた
リハビリ心地よい風が吹く
雨ポツポツと暗い空かよ
ふっと雲より山が現れ
貧乏妄想に弱ってしまう
哀しい昔を思い出す一人だったよ
作品データ
コメント数 : 4
P V 数 : 557.1
お気に入り数: 0
投票数 : 2
ポイント数 : 135
作成日時 2025-10-10
コメント日時 2025-10-19
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
| 叙情性 | 40 | 40 |
| 前衛性 | 10 | 10 |
| 可読性 | 10 | 10 |
| エンタメ | 5 | 5 |
| 技巧 | 30 | 30 |
| 音韻 | 30 | 30 |
| 構成 | 10 | 10 |
| 総合ポイント | 135 | 135 |
| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 40 | 40 |
| 前衛性 | 10 | 10 |
| 可読性 | 10 | 10 |
| エンタメ | 5 | 5 |
| 技巧 | 30 | 30 |
| 音韻 | 30 | 30 |
| 構成 | 10 | 10 |
| 総合 | 135 | 135 |
閲覧指数:557.1
2025/12/05 20時17分44秒現在
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風にそっと歌うよウーyeah(・ω・)b
1冷房の効いた朝に、この詩を読みました。 私も同じような病気だから、この季節の重さが痛いほどわかります。 それでも話者は、妻への思いやりを忘れない。 煙草をやめられない苦しさも、薬に依存してしまう日々も、 仕方ないと受け入れるやさしさを感じます。 不思議なのは、調子の悪いときでも、 妻への愛情がさりげなくちりばめられています。 一句一句のあいだに、痛みと静けさと愛が同居していて、そこに“人間らしさ”を感じます。 「書くことは歩くこと」という言葉があるけれど、 この詩の人は、本当にその歩みの中で書いている。 読んでいて、涙が出るほどあたたかい気持ちになりました。
こんにちは。お読みくださりありがとうございます。 目下、禁煙生活を送っており、あんまり煙草煙草言っているテクストは読みたくないので(笑) 内容には深く触れませんが、毎日毎日お馬鹿さんのように「煙草やめたいなぁ」と 煙草をもみ消していた日々の記録ですね。入院から無事地獄より生還し退院となり 一年間、傷病手当金で過ごしていた日々!!違うかな?ちょっと年数がわからなくなっているんですよね。 自由律俳句はダンボール箱二箱分いっぱいに原稿があってちょっと整理しなきゃと考えているんです。 ただ、この「妻」の登場回数は、僕が家にいないことには出ない回数だと思うんですよね。 「生き直し」た日々でしたけれど結構普通でした。寧ろ今の方が色々ふってきます。 そこで、詳しく返信できなくてごめんなさい。コメントは真剣に読んでいます。 まあ最近気づいたことなのですけれど、僕と妻の二人の世界っていうのも危険なんですよ。 実家に行ったり、また実家から実の母が遊びにきたりしないとその世界に嵌まっちゃう。 僕はそれで仕事行きたくない病を発症しました。この作品はそうなるとは露知らず、誠実、夫婦している時期のお話しです。
0途中で気付いたのですが、これは自由律の俳句を連ねて、詩にしたと言うコンセプトだったのですね。明治天皇や種田山頭火を尊敬しているのですね。日常性に埋もれない、詩精神の不屈さを思いました。
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