台所の窓のそと
蜘蛛の巣がかかっていた。
蝉の死骸がぶらさがっている
何日か観察してたら
蝉が半分くらいになって、
ポトリと下に落ちていた。
つぎの日、それもなくなっていた
たぶん猫に食べられたのだろう
また何日かしたら、
蜘蛛もいなくなっていた
たぶん鳥に食べられたと思うんだよね、
面白いよね
まだ蜘蛛の巣だけは残っている。
家の近所の路上に
車に轢かれた
猫の死骸があって、
女の子が頭を撫でていた。
それからしばらくして
若い母親がやってきて、あんのじょう、
猫のことを話しはじめた。
母親はおどろいて
手を洗ってきなさい
とキツい声でつきかえす
(あの工事中のビル
13階まで建ったけど
どこまでいくのだろう......)
その日は、晴れなのか曇りなのか
よくわからない天気で
なぜだかわからないが、
女の子はくりかえし
死んだら地獄へいくの?
と母親にたずねていた。
したいこと
やりたいこと
食べたいことは
即、叶えたほうがいい
朝、窓を覗くと雨が降っていた。
工事現場の近くで、
トラックにはねられて
こどもが死んでしまった
まだ二十半ばくらいの母親が、
ア゙ア゙ア゙と叫び声をあげていた
ずぶぬれの屍体が車で運ばれると
むらがっていた人々もいなくなった。
おもろいよね
作品データ
コメント数 : 20
P V 数 : 1437.7
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2025-08-18
コメント日時 2025-09-08
#現代詩
#ビーレビ杯不参加
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
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| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:1437.7
2025/12/05 23時55分30秒現在
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縦書きにすると朗読的な読み方になり、また一味違う感覚で読めました。横書きの時の風刺的な作品のイメージでしたが、縦書きだとちょっと和テイストなホラーの趣きがあるような。(この不気味さ好きです。笑) 初稿を読んだのがずっと前のような気がして、なんというかこの作品自体が蜘蛛の巣のように残っていた感じ。不思議な作品。
0はて? この作品、以前読んだ気が……。 その時は確か横書きだったような……。 縦ヴァージョンにして再投稿したのには何か深い意図でもあるのでしょうか。
0おはようございます。 タイトルがひらがなに変わっているのですね。 蝉の死→蜘蛛の死→猫の死→こどもの死と、 死がなにか一つの蜘蛛の糸のように繋がっているのでしょうか。 蝉が恐らく蜘蛛に触れ(半分くらいになっていたとあるのでもしや蜘蛛に食べられたか) その半分で落ちた死骸を猫が食べ、恐らく鳥に触れてしまった蜘蛛は鳥に食べられ、女の子は猫の死骸に触れる。 どこか繋がっている感じも致しました。が最後、若い母親の叫びがあり、 「こども」なので女の子かは定かではありません。 >>ア゙ア゙ア゙と叫び声をあげていた >>ずぶぬれの屍体が車で運ばれると >>むらがっていた人々もいなくなった。 >>おもろいよね この詩を貫く、「面白い」という考え方。 これが野次馬や第三者のものであれば残酷です。ただし >>むらがっていた人々もいなくなった。 という文の後なので一人の人間のつぶやきにも思えます。 いずれにせよ窓の外も内もヒンヤリした冷気が漂って来そうなラストだと感じました。 >>したいこと >>やりたいこと >>食べたいことは >>即、叶えたほうがいい この「食べたいこと」が読後まで波紋のように胸に広がって来ます。 ア゙ア゙ア゙と母親の叫び声がまだ響き渡ってしまうよう。
0ronaさん、万太郎の世話で返事遅れました。読んで頂き感謝です。
0紅井ケイさん、いつも衝動的に投稿しているのですよ。そして、手直しにえらく時間がかかるのです。何か月とか。
0ぼんじゅーるさんが長めの考察をおっしゃるのをはじめてみました。いろんな人にこの作品の感想をいただいたのですが、かつてBにいらした佐々木春さんが「インセルの詩だ」という意味のことをいって、すごいなーと感心した思い出があります。
0世話好きなんですね。 ミラクルが起きることを祈っています。笑
0Realityということを全編通して感じ、そういう意味ではおもしろいよねと思いました
0寝川魯鈍さん、鋭い指摘です。リアリティの擁護がわたしの一貫したコンセプトです。
1なんか前もこんな感じの作品なかった?露悪的な描写が続いたあと「おもろいよね」で締めるような。
0これか。 https://www.breview.org/keijiban/?id=14322
0完備さん、出しちゃいました。
0詩を読んで、豆乳を飲んでいます。 今したいことです。 皆さいごには天国行きです。 したいことをしましょう。
0リアリティの擁護。 いいですね。俺も何かそろそろコンセプト決めるかなぁと。でも、チャラチャラしたのも書きたいしなぁと言う感じです(笑)
0何処かで一度リアリティの擁護について語ることを楽しみにしています。すでに何処かで書かれてるのか。或いは作品から読み取るという感じですかね。とにかく刺激をいただきました。ありがとうございます
0そのうち分かると思いますが(もしくは、知ってるかもしれませんが)この界隈は下らねー連中の下らねー政治ムーブばかりでね、、かんじんかなめの「詩」が提供されずにわたしも困ってるんですよ。 これからは寝川魯鈍さんやazさんらに期待します。
0めりぃさん、バーニラバニラバーニラ(豆乳)バーニラバニラ高タンパク
1ありがとうございます。頑張りたいと思います。また、忌憚ない意見もいつでも聞かせてください。
0おまるたろう氏の一番いいところが出ている 詩だとおもう。 この詩がどれほどの価値があるかどうかは わたしにはわからないがおまるたろう氏は こういう子どもの日記のような素朴なものを書いて いけばいいのじゃないだろうか。 無理に背伸びしているわたしよりよほど正直で まごころがある。 そこは感心する。
0お読みくださり、ありがとうございます。
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