荒々しい鷲
永遠を望み続けた末の
象徴
とかげのしっぽが切れてしまった
雨は三十日振り続け
闇の中で止んだ
隣の家では子供が鳴いている
わたしのお手玉を返して欲しいと叫んだ
悲しい道路が続いている
川を横切って
頭の中まで一直線に―
これが愛
わたしの愛
調子っぱずれにチューニングされたわたし
あなたの愛が調律してくれる
わたしをいつの間にか
裏切り者の私を
地獄から救い出してくれたあなた
何という優しさだ
今まで聞いたこともない
あなたは高みから手をかざし
光を発し
すべてを包み込んで癒す
悲しみの涙が
その瞳からこぼれ落ちた
あなたの異常なまでに強い愛
まるで魔法のように
血を吸う魔法
血を吐く魔法
時として確率は
最上級の絵を描くことがある
運命の出会いが
すべてのふたりを強引に結びつけ
離れなくさせる
その閉ざされた輪の中で
乱れ飛ぶ自由が
完全なる善性を合成していき
すべての存在がそれぞれの対を成す
その完成において
世界のプログラムが果たされる
それ以降
ニルヴァーナでは
永遠の幸福の中
時が静かに過ぎ
愛が愛と共に手をつないで
本来の約束された
デッサンを
描き終える
その後は―
息を数える必要もなく
光線が
海水を波立たせ
穏やかな海の上に
浮かぶ二枚の木の葉
寄ったり
離れたり
波に砕かれ
散り散りになって
何もなかったかのような
地球が
その心の中で
わたしたちへの感謝を述べている
惑星的つぶやきが
宇宙にこだまして
光の存在が
明らかになったふたつの愛を
たくさん存在し続けた全ての善の存在の中において
ふたつがふたつであることを
確かめてる
その確認において
宇宙全体は喜びに震えている
新しい世界が
痛みとともに生まれる未来を
永遠の中で繰り返されてきたことが
すべて変質してしまったことを
思いながら
母性と父性の融合の奇跡が
起こったことを
もはや何ものも否定できないと
知っているから
空で鷲が鋭い眼とくちばしを持って飛行し
輪を描いた
光の中で風が吹き渡る
風が静かに吹き抜ける
空の青と雲の白に日輪は光り輝く
翼あるものよ
あなたの子宮の中で
世界が永遠の夢を見る
わたしはそのもっとも最初の
到達者となるだろう
作品データ
コメント数 : 6
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お気に入り数: 1
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作成日時 2025-08-01
コメント日時 2025-08-02
#現代詩
#縦書き
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| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
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2025/12/06 01時29分58秒現在
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おはようございます。 >>雨は三十日振り続け 闇の中で止んだ 隣の家では子供が鳴いている わたしのお手玉を返して欲しいと叫んだ この連が印象的です。 闇の中で雨が止むのですか。 三十日も降り続けた、これもどんな雨だろうかと想像しました。
1なんかね、雰囲気で直観的に書くんですよ。自分の過去を振り返りながら。
0「あなたの子宮の中で 世界が永遠の夢を見る」 ここがいいと思いました。 「2001年宇宙の旅」みたいで。
1そうですね、女性と子宮は永遠の憧れですよ…。
0悲しい道路という表現がよいと思いました。 悲しい出来事なのでしょうか。 その中で女神のような人と出逢ったのでしょうか。
1そうですね、この道路は、家の南側を通っている道路です。いつも眼にしています。わたしの飼っていた 犬が、道路を横切って、用水路に落ちて死んでしまって以来、悲しい道路になってしまいました。 女神のような人と、出会ったんですね。ありがとうございます。
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