ところどころ錆びたコンテナの中の
胸いっぱいの悲しみが
いつまでもどこまでも運ばれてゆく
人間は本当のことしか記憶できないのだから
この悲しみは本当のこと
古い体温計が今も僕の体温を測っている
悲しみを測るように
記憶の中からバッティングセンターが浮かぶ
確かにあの辺りにあったのが
いつの間にかなくなっている
物事を難しく考える友人となぜかよく行って
打って打って打ちまくった思い出が
バットを握っていたこの手の平に
痛みを伴って滲むよ
あいつは大学を中退した
記憶の中から高校を中退した奴のことが浮かぶ
不良だったが僕にやさしくしてくれた
今そのやさしさが
過去からこちらへ戻ってくるようだ
あいつがどのように物事を考えていたかは
同級生の顔面を殴ったあの手に漲っていた
力によって思い知ることができそうだ
記憶はすべて本当のことである
そして何が足りなかったのか
知らせてくる
作品データ
コメント数 : 10
P V 数 : 672.8
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2025-06-22
コメント日時 2025-06-25
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/06現在) | 投稿後10日間 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:672.8
2025/12/06 01時30分15秒現在
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殆どの人間はまじでテキトーに生きていて、テキトーにしかものを見ておらず、テキトーに仕事しているので(それはもう、ほんとびっくりする。○意が湧くくらいだ)お作品を読んでいて、yasu.naさんは優秀な側の人なのだろうという気がしました。
1殆どの人間はまじでテキトーに生きていて、テキトーにしかものを見ておらず、テキトーに仕事しているので(それはもう、ほんとびっくりする。○意が湧くくらいだ)お作品を読んでいて、yasu.naさんは優秀な側の人なのだろうという気がしました。
0↑たまに、こんなふうに2個コメントがつく現象、なんなんだろ?
1記憶の確かさ、不確かさ。「本当」である記憶。記憶に翻弄されるのは不本意でしょうが、詩にすることで記憶に対する主体性を確保出来ると言う、コンセプトが感じられる詩だと思いました。
1テキトーがうまく生きる秘訣かもしれませんね。私からは、どんなに物事を難しく考えることができても、大学の制度に沿わずに自分勝手に思考しているだけでは大学は卒業できず、どんなに感情としてやさしさを持ち合わせていても、幼稚で暴力を抑えられないようでは高校を卒業できない、とだけは言っておきます。
0時に漠然として不確かな記憶。でも、その存在は確かであり、うそであるとして切り捨てることのできないものであり、人間の考えの軸ともなるものだと思うのです。
0カッコいい詩ですね。B-REVIEWを支えて下さってありがとうございます。この詩は、非常に 正確に正しく書かれていて、知性がにじみますね。
1中退という言葉からは、諦め、無念などを連想しますが、ある種の懐かしさもあるかもしれないですね。 >記憶はすべて本当のことである >そして何が足りなかったのか >知らせてくる 人生は少なくともまだ中退に至っていない。 それなら懐かしさの中に様々な手がかりがあるかもしれないと思えました。
1好意的な評をありがとうございます。私はビーレビを依然として作品発表の場の一つとして選択してゆくでしょう。ビーレビには「話しやすさ」のようなものがあって、それは作品発表やコメントのやりとりにとって最高の性質であると思います。
1前向きで強い考え方をお持ちですね。 学歴、資格、年功、貧富、こういったものが根強く支配するこの社会で、高校中退者、大学中退者の大多数はずっと弱者のままであると思われます。彼らの中で、強い人は己の人生のつまずきを帳消しにすることができるかもしれませんが。 羽田さんの強い意思が、可能な限り多くの人間に懐かれるよう願うばかりです。そう、 >人生は少なくともまだ中退に至っていない。
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