B-REVIEW作品投稿掲示板


故郷   

永峰半奈 
作成日時 2018-12-05
コメント日時 2018-12-06

 

私は街灯を辿りながらどこかへ向かっていた 多分行ったことのない故郷のことを考えていたのだ 夕日の最後の薄明りが広がっている頃 名前も知らないあの鳥さえ巣に帰るというのに 行ったことのない故郷 それは私にとっては恐らくなくてはならないもので けれどそこに行くことは崖から落ちることを意味する 人には故郷がなくてはならないはずなのに 耐えがたい郷愁がひっきりなしに私を襲い やがて虚ろな記憶と一緒くたになって 私は人間でない何かになってしまう 生まれ故郷が人間の街ではないかもしれないという恐れが、本物になってしまう前に、早く 私はいったいどんな魂を宿しているのだろう そんな問いを、近所のおばさんも持つことがあるだろうか 人の家を模したような部屋にどうしても帰りたくないのに 夕日は最後に一点の閃光となって消え 今日も私は生まれ故郷を探し当てられなかった


コメント欄を隠す
仁川路 朱鳥| (2018-12-05):

テーマは離人感、もしくは、家庭からの疎外感でしょうか。少し説明的なように思えますが、心境の描写が多いからか、<私>の心の動きが実際に経験するかのようです。

永峰半奈永峰半奈 (2018-12-05):

仁川路 朱鳥さま 評をありがとうございます。テーマは、そうですね、離人感と「地球からの疎外感」でした。 評をいただいて読み返してみるとたしかに詩情が足りない、と思いました。詩情の滲む詩を書くというのは高度なわざで、その力は長期的に鍛えていくしかないのでしょうが、反省すべき点です。 心の動きを実際に経験するかのようだとのコメント、とても嬉しいです。しかしいただいた評とつき合わせて「単なる心情の説明になっていないか」再考してみようと思います。 ありがとうございました。

stereotype2085 (2018-12-06):

いいと思います。トリッキーな印象の作品が多い中で、これだけ素直に実直に自分の想いを描いた作品は中々ない。すんなりと内容が入ってきました。思考の飛躍も発想の飛躍もないし、読みやすいだけで一般性という点において及第点だと思います。ここに強烈なポピュラリティを持つ何かがあればと今後、更に期待させる作品でした。

つきみ (2018-12-06):

>そこに行くことは崖から落ちることを意味する >人には故郷がなくてはならないはずなのに そこが故郷だとはわかります。ですが言葉が足りないので、何故、行くことは崖から落ちることを意味する。のかが判読できません。 作品として、コメントで書かれている「疎外感」は感じますが「地球からの疎外感」を感じません。その他には、焦り、恐怖、助けて、精神が切迫している状態が伝わってきました。 私にとって故郷は大事な題材です。作者様もなのでしょうね。作者様が故郷を感受できる事、知らずに、みつけているかもしれない事。見つかる事を願います。

ふじりゅう (2018-12-06):

拝見しました。 私はどのような魂を、と詩人は結構考えそうですが、近所のおばさんはどうだろう。恐らく、そんなことはどうでもいいことかもしれません。 生きる意味、だとか、存在理由、だとか、そのようなものを題材にした詩はありふれていますが、それは逆に言うと、詩人はみなそういったことを考え続けていることの現れだとも思います。そしてそれがマイノリティであることも。 近所のおばさん、の一文から、そのような事を考えさせられました。 このように真っ直ぐに書かれた詩は以外に出会いにくく、かつ読みやすかったです。

コメントを書く
コメントを書くにはここから登録してください。またはログインしてください

投稿作品数: 1

© B-REVIEW 2018