わたしの海に着き、明るい貝殻の傍らにわたしはいる
耳を近づけると、遠い物音が、そして心の鼓動の高まりと
ともに長い歳月が打ち返してきた
陰惨に明るく打ち返す音、長い時に磨かれた寓話
アポロンの悪戯により仕掛けられた影がわたしを捕まえようとする
あなたの華奢な菫色の心を、刺のある花々の心を
高まっては途絶えるべきではなかった物音が
空の高みの虹の岩から海辺の耳元に聞こえてきた
空のように澄んだ瞳、まんまるの童顔
くつろいだ洒落っ気、堅苦しさとはまるで無縁
あなたに告げたいのだ
このような宝石を大気に降らすあなたに
その優美がつかのまの生命を与えるものの他には
なにひとつ心にとどめずに永らえるように
いつも唇に歌を浮かべているあなたに
その作者を知ることもないあなたに
新しい時代にあなたの唇が新しい崇拝者を集めるだろうことを
わたしたちふたりの塵は忘却というふるいに何度もかけられるだろう
やがて時の変化が美のほかの全てを滅ぼしてしまうまで
愛よ降れ
北国の海に打ち寄せる波頭に
雨よ降れ
錆びついた時の倦怠に
そして樹木や碧色の空の小鳥や
わたしたちの思いの上にこそ降れ
命はここにあるのだ
作品データ
コメント数 : 7
P V 数 : 545.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2025-12-24
コメント日時 2026-01-09
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2026/01/28現在) | 投稿後10日間 |
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閲覧指数:545.3
2026/01/28 18時53分29秒現在
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題名を間違えました。 「雨よ降れ」ではなく「愛よ降れ」です。 申し訳ありません。
0短詩の手法の場所の特定により座り心地を良くして安定させる写実の 手続きは「わたしの海」のひとことで心象に引きずり込まれてしまい、 読むことのできる人たちにとっては賛否がわかれるところになるのか 独特の世界にひろがる風景には前作と同様に再生のイメージはあるけど ここでは強くなく音と時間が何度も打ち返してくるような文に混じりあい わたしの海の概念をも強烈な個人的な感情ではなく美へと捧げられ て 詩的空間には確かに読者も居るはずなのにその輪郭も不明瞭になってゆき 作者は理想等の主張をすることもなく忘却や時の変化に目をくばりながら 愛の概念を浮き彫りにするため生命賛歌を歌うためだけの言葉として使う 自我としてのわたしと他者の役割の風景をかたちづけている枠組みは 少しづつ変化して溶けてゆきますます曖昧になってゆく反作用のなか 雨だけはより鮮明になり愛を求めるわたしに強く強く降りそそぐのだった ふむ、よくよく考えてみたら詩のコメントの仕方もわからなかった か らくがきコメントになってしまいました。作品UP感謝。ごめんなさい
1返事が遅くなり申し訳ありません。 この「わたしの海」のみならず、本来は公共のものである自然に対し、 わたしの「所有物」とすることに反発を持つ方はいるようですね。 ただ、そうした奔放さこそが詩だと私は考えているのですが。 一部の詩にはたたみ込む様なリズムと勢いが必要ですが、この作品においては 「打ち返してくる」という文と共に、一定の効果が得られたのかなと思います。 それにしても、私の中でも曖昧だったこの詩の構成が、らどみさんのコメントによって 明確になりました。 いい批評を頂き、有難うございます。
0こういう話題を繰り返していても得ることは少ないのかもですが、 watertimeさんが七つの海のひとつぐらいは私のものでーすと言っても たぶん文句いう人はいないのではないのかとぼくはおもうのですけど、 それよりも、なんだか知らないうちに明確になっているとのことで、 その文章だけではよくわからないのですが、watertimeさんの作品なのだから 読解力が深くて手の届かなかったところにぼくの言葉が知らないうちに 届いていたということなんだろうと、それ以上わかりませんが、思いました。 律儀のご返信ありがとうございます。今年も今後ともよろしくおねがいします。
0貝殻に耳を近付ける行為が極めて詩的で、第一連で、詩を読んで居るなあと言うきにさせられました。そして二連目で出て来るアポロン。しかし古代ギリシャが出てくるわけではなくて、「あなたの心」が第三連目で出て来る。物音に空と海。第六連目で出て来る宝石。どうしても西脇の覆された宝石と言う詩句が思い浮かぶのですが、この詩ではあなたに宿る、歌が、唇に宿る歌が宝石とイコールであるかのようなつながりでした。第八連目で出て来る忘却。忘却と言う篩(ふるい)。第九連目で出て来る愛。そして第六連目、つまりこの詩の後半での重要タームの、動詞の「降る」と言う単語。最終連手前で、「降れ」と言う命令形で出て来て、「命」と接続されているのが象徴的で、印象的でした。
0新年明けましておめでとう御座います。 今年もよろしくお願いいたします。 この詩ではありませんが、他の詩で「ぼくの川」と表現したところ、 誰の物でもない川を「ぼくの川」と表現するのはおかしいと言われたことがあるんですよね。 そんなことは分かったうえで書いているのですが、相互理解というのは難しいなあと 改めて思いました。 この詩では、余計な表現は出来るだけ省きましたので、シャープな一貫性が出たのかなt路 感じています。作品にもよりますが、不要な表現、文章は無い方がいい詩になりますね。 少しでも、らどみさんのお役に立てましたら幸いです。
0詩は、やっぱり書き出しですね。 書き出しがよくなければ、後がいくらよくても、読者の興を削いでしまうと思います。 アポロンのところからの連節、空間的な広がりが出てくるところが、私なりの工夫です。 全体として、技巧的に一番よい出来だと思いますので、そこをエイクピアさんにご理解 して頂けたようで、本当に良かったです。
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