○月○日
「でもサァ、1組が1番集まってるよね。マサミとリカと」
「リョウコとサヤカと」
「ノザキと」
「5組も何気に多いよ。アダチとか」
「チヨジもいた?」
「チヨジもいた」
「乞うご期待」
○月○日
「チエはね、サッカー部」
「カヨちゃんは?」
「カヨちゃん、アンサンブル」
「アタシ、テニス部入っちゃった」
「テニス部? ヘタレのオヌシが、なしてまた?」
「うらら先パイに憧れて。アタシ、水星人のマイナスなんだ」
「えーっと? 話がいまいち見えないんだけど」
「うらら先パイ、六星占術によればアタシと相性ピッタシなの」
「とうとうアタマに虫でもわいたか」
「アナちゃんは?」
「だって、憧れてんだもーん。あ、アナちゃんもアンサンブル」
○月○日
「モリとかいうヒト」
「あー、あの帰宅部のヒト」
「体育の短パンがスパッツみたいなヒト」
「いっつもぼっちでサァ」
「完全自己中モードで、授業中早弁とかしてるし」
「たまに仮病使って、保健室で別マ読んでたりすんだよね」
「んで、手首なんかメッサ傷だらけ、みたいな」
「ソッチ系?」
「相当キテる」
「そら普通に引くわ」
「イタいよねー」
「ダヨネー」
「さーさー、もうゆくだっちゃ」
○月○日
「激ヤバだよー、宿題1コも終わってない。どーしましょ」
「アダヂも、アダヂもー」
「恐怖の社会科全都道府県丸暗記とか」
「マジ、ドツボ」
「ダメ元でも半分とちょびっとだけしか覚えらんねえべ」
「逆ギレしそう」
「しかも全部漢字で書けとか」
「うわー、マジありえない」
「ホントにうわーだよ」
○月○日
「春期講習詰んだ」
「マジ死亡フラグ立った」
「ココロが折れた」
「3時間もガチでやってられっか」
「きゅーけいは5分もない」
「グワシ!」
「英語のマスヤマ、超ウゼーッッッ!」
「アンタ、目の焦点合ってないよ」
「もー人生いっぱいいっぱい」
「ギリ、トラウマレベル」
「無理ゲー」
「死ぬぅ~」
「吐血」
○月○日
「そえば! 春休みは6時半から塾だったんだ」
「へえ、何てとこ?」
「enaってとこ」
「あっ知ってる知ってる。ね、入って何かヨイことあった?」
「特になし」
「……即答だね」
「てか、バックレ。講師セクハラ魔だし、電車チカンの嵐だし」
「場所は?」
「玉川上水」
「それって太宰が心中したとこじゃん。カッケー」
「ダザイって誰?」
「…………」
○月○日
「生徒指導部、鬼ムカつく」
「チェックきびしすぎ」
「朝っぱらから校門前でいちいちガン見しやがってサァ」
「頭髪検査や服装検査にひっかかると、速攻で生徒手帳没収」
「あとで反省文書かされーの、保護者呼び出されーの」
「トドメに、1週間トイレ掃除の刑」
「だいたい、スカートなんて中学から余裕で直してたじゃんね」
「スクールソックスも学校指定でムダに短くされちゃって」
「これ、寒くない?」
「これ、よくないよね。せめてハイソにしてほしい」
「不妊症になるっつーの」
「それよか、ヘアピンのサイズまで決められてるってどうよ?」
「横1センチ以内、縦6センチ以内」
「シュール通りこしてもはやギャグだね」
「ゆえてる」
「それな」
○月○日
「期末テスト最終日恒例の校内アウシュビッツ!」
「出た! 全学年、体育館という名の強制収容所ガス室送り!」
「そ・お・し・て、どS先公党による地獄の大洗脳が……」
「アギャーーー!」
「怖っわ!」
「とにかく、《華美》なものは100パー禁止」
「メイクも禁止、ピアスの穴も禁止、透明マニキュアも禁止」
「バーバリーのマフラーも禁止」
「ラルフのセーターも禁止」
「セーシュンも禁止」
「超凹む」
「ぱねー」
「ぢっと手を見る」
「ハイル・ヒットラーざんす」
○月○日
「で、生まれつき地毛の赤いコには《赤毛届け》を出させたり」
「《赤毛届け》ってすごいセンスだよね」
「赤毛のアンじゃないんだからさ、ッたく」
「あと、天パの奴は《癖毛届け》出せとか」
「それモロ、サベツじゃない?」
「ザケンなって」
「べーロイ」
「責任者出てこい」
「グーでパンチしたい」
「しまいにゃグレるぞ」
「グレてシャブ打って援交して六本木のクラブで……」
「以下自主規制」
○月○日
「アタシ、実は《眉毛描いていい券》持ってる」
「アンタ、《生まれつき眉が薄い届け》出してたもんね」
「そう、それで担任からハンコ押してもらうと眉描いていいの」
「親に証明してもらうんだよね」
「証明って、どーやって?」
「とりま、証拠品として小さい頃の写真を学年主任に提出して」
「アッチョンブリケ!」
「そこまでやる」
「マジ、ウケる」
「昭和すぎて笑う」
「だけど、今度は逆に眉を描いてないと校則違反になるんだよ」
「何それー?」
「イミわかんねー!」
○月○日
「ロートンヌのケーキ、スキなんだ」
「それ、どこにあんの?」
「武蔵野線の新秋津駅」
「立川の伊勢丹にもあるという説」
「そんなにおいしい?」
「そこそこ美味。お値段もリーズナブルだし」
「アタシ的にはオーボンヴュータンがスキ。大井町線尾山台の」
「目白のエーグルドゥースもオススメ。マジ4つ星ランクだよ」
「場所ど忘れしたけどキャロリーヌってとこも赤丸急上昇中」
「ダイエットの天敵なんだよね、あーゆーの」
○月○日
「話変わるけど、ジューグンイアフンてこの間習わなかった?」
「バカ、ジューグンイアンフだよ」
「そのジューグンイアフンてサァ」
「だーかーらー、ジューグンイアンフだってば!」
「ヤキビーフンかオマエは」
「アタシ、ビビンバの方がスキ」
「ダイエットの天敵なんだよね、アレも」
○月○日
「じゃあ、日本人と外人の間のコはハーフになるワケじゃん?」
「そりゃ、そーだ。どーでもいいけど」
「じゃあ、そのハーフと外人の間のコは?」
「んー、やっぱそれもハーフ?」
「や、四捨五入してほとんど外人なんじゃね?」
「じゃあじゃあ、そのハーフか外人のコがまた日本人と……」
「だあーっ! もうやめんか!」
「もーややこしいからそーゆーの全員ハーフでいいよ!」
「シカト、シカト」
「そんなことより、とっととメロンパン買ってくるべしだよ」
「以上現場からでした」
○月○日
「アタシ、洗わず捨てる」
「マジ? 洗わず捨てちゃうのォ? 何かテイコウないソレ?」
「だって、どうせ捨てるヤツだもん」
「マジマジ?」
「実話」
「ボボは?」
「アタシも基本、洗わず捨てる派かな」
「ふーん……マジか。みんな《洗捨て》派なんだ」
「《アララギ》派みたく言うな」
「そもそも、マンボウはどうなのよ?」
「……洗わず捨てる」
「って、いったいこの話のテーマは何だったの?」
(ボーナス・トラック)
「英数国の順」「したら抜き打ちで持ち検されちゃってサァ」
「ビートとかいうカラオケ」「おだふじのケーキ」
「課題クソダリー」「またつぼ八に行ってしまったのだだだ」
「ツンデレはぺったんこ」「アンダーとトップの差が乳首だけ」
「今日は歯列矯正器を」「午前中2・5キロのロードレースが」
「《指定美容院》で髪黒くして」「大泉学園から地味に遠い?」
「アイプチも禁止」「オール3で1245がないんだよ~」
「憧れのうらら先パイ……」「英語のマスヤマ、超コロス!」
「頑張れチヨジ」「きぐしねいです」「もうしゃべるの疲れた」
「アンタねー、言いかけたら最後ま」
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 139.8
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2025-12-15
コメント日時 2 時間前
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/16現在) |
| 叙情性 | 0 |
| 前衛性 | 0 |
| 可読性 | 0 |
| エンタメ | 0 |
| 技巧 | 0 |
| 音韻 | 0 |
| 構成 | 0 |
| 総合ポイント | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:139.8
2025/12/16 07時55分17秒現在
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こういうのよくみるけどその都度 わたしが感じるのは 作者が非常に内気で真面目で寡黙でじっと 内なる憤懣をためたまま冷ややかに周囲を 批判的に観察している方であるということですかね。 でも抑えてばかりいては身が保たない。 それを爆発させるために仮託するのが、 いささか荒れた感性を偽装することによって 世間に対峙する女生徒たちの擬態(会話)を 通して外部に放出するという感じですかね。 こういう形式のはもう何度も何度もみてきているので 年寄りにはあまり衝撃はないのですが、 世の中には深窓の令嬢やお坊ちゃま のごとく素直に純情に育った方が多くいらっしゃって あるいは面白く読まれるのだと思ます。 そういうまっしろな心を失ってしまうと読むものが なくなってしまうわたし自身の哀れな境遇に ため息も出るというものです。 「漂流教室」というマンガが昔ありましたが この詩のタイトルはなかなかに面白く感じた次第 で興味を引くものがありました。
0コメント、有り難うございます。 お察しの通り、このタイトルは楳図かずおの「漂流教室」からきています。 昔から大の楳図ファンで、中でも「漂流教室」は1番のお気に入りです。 (ちなみに、ベスト2は「わたしは真悟」、3は「おろち」です) というわけで、最初はそのまま「漂流教室」というタイトルにしようかなとも思ったのですが、 ちょっとそれではあまりにもあんまりかなと思い直し、結果このようなものに落ち着いた次第です。 いつもお読みくださり、光栄の至りです。
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