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ちらんじあ/もーしょん
滓の中の祈りが 願いが。 擽ったい風を受けて 目と唇が、三日月の孤 花の薄い皮膚に口を寄せて、ほっと香る。蓮。背中を預けた。逆さまの祈りと共にある。逆さまの祈りは追って来る。追って行く。角の生えた幼子、その黒黒と光る目の水分。 逆さまに吊るされたぜつぼーの人形達の性器を撫でる光。 あたしも昔光に犯されたよ。 そんな記憶が、今も脳内で点滅し続ける。オープンワールドのゲームの広大なマップに光るアイテムみたいに。 ぜつぼーの人形よ、動け。 お前の眼下に嵌ったその冥い穴から、世界を捉えろ。 なんだって言えるでしょ? 何故あなたはそこに居る? 正当化では無く。あなたの言葉。あなたの言葉を吐きたい? 殺して。た。か? ぐしゃぐちゃの、でろどろの、きしかしの、悪臭立ち込めるそれらに指を突っ込んで、弄って、浮き上がるごきぶりの翅や腐った葉や犬の毛、蛆の死骸。 そして、あなたの指。 あなたの指は誰でも無くて、誰でも有って、そして私では無いものの祈り。 ちゆ。 あたしイってみるんだと思う。結局は何処へも行け無いから。世界は広過ぎるから。いつか君が歩いた空の上。凡てが残酷で優しい屋上の軌跡の奇跡。に、裸足の跡を残して。あたしイってみるんだと思う。だって、今日は天気が良いから。死んだ犬の毛を編む。編まれた丸いほわほわのそれが、私の魂になる。 ちゆ。 泥の中に足を差し入れて、腕を広げてみた。がおおおお! ちんちらのおなにーのこと、ちらにーって言うんだって。 ちらんじあは空中から水分を吸収する植物。不思議。 虚しさに包まれたなら、と、巧くいっとるわ、の間を泳ぐ金魚の鰭が寂しい、と言ったので、餌をばら撒いた。それらも元は魚肉だ。 ただ傍に居て欲しい。 あたしの鰭が言う。鰭を持ち、翼を持ち、牙と尾を持つ猿なら、なんて名で呼ばれるんだろう。全部妄想? 寂しくてお腹が減るのなら私の肉を食べると良いよ、と、蛆と花を咲かせて。咲かせて。咲かせて。蛆と花よ。愚かさはあっても、悪は居ないよ。咲かせて。 殺してあげるよ。 君が言ったのか、私が言ったのか、覚えて居ない。そんなの嘘だけど。 目が覚めて、隣で寝て居る恋人の朝立ち股間を掴み、寝ぼけた口にきすした。 歯槽膿漏の彼の、朝だけ臭う口をくんくんくんくん嗅いだ。 ちゆ。 叫べ
ちらんじあ/もーしょん ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 578.6
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2025-09-30
コメント日時 2025-10-03
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


色んなイメージが出て来て、個人的には楽しめました。個人的には、というのは、最近のマイブームで、イメージや単語をつなげていく、なるべく断絶させないで、そうすると楽しいと思えるので、詩もそうして読んでいます。結構、雑多で負のイメージのある言葉も避けないで使っており、ただ美しいだけではない部分への挑戦が見られ、その勇気と情熱は楽しめました。そんな気がしました。また何らかの意味につながるべきものごとだと思っておりますが、わたしとして一番いいと思ったのは、「がおおおお!」の所でした。割と単純なわたしです。ありがとうございます。
0滓の中の祈りですか。そして擽ったい風。ぜつぼーの人形たちの性器。これらのイメージに居竦んでしまう側面もあるのですが、「ちゆ」。これはキスのオノマトペを歴史的仮名遣いで表わしたものだろうか。叫べと言う最後。何かが終わったと思うと同時に何かかが始まっているのかもしれません。
0これはちょっとイカされましたね。 気持ちわるくて、 街の角で、下着姿で、(よく動画で見かける)長い髪を振り乱して、 一人叫び声を挙げて動き廻る女性。 こんな姿を見かければ、僕は逃げだすに決まってる。 ?白犬さんて、女性の方だったんだ。 いいですね。 ちゅ! この間が、 またなんとも言えないくらいの気持ちわるさを演出していて、 タイトルは『ちらんじあ/もーしょん』 このハナアナスス属の着生植物も葉は垂れ下がり見た目非常に気持ちわるくて、 でも花を咲かせれば色味はあざやかで美しい。 かなり際どい言葉を吐かせているけど、 女性語りだけに内心から内面に迫ってくる怖さがあります。(特に日頃から女性に対してわるさをしている男どもには) 精神錯乱状態 女性からこんな風に言われたら男どもは退散します。 退散してほしい男どもにはこんな文章を突きつけてやる。 それもいいかも この恐怖嗜好体験は、gooでした。
0性描写は書き手の個性がすごい出る。 書き手にとってはむずかしい問題なんですけど、 白犬さんの作品にはエロ小説みたいな表現は殆どでてこない。 そこは感心するが。 何か真剣さが足りないような感じがする。 毎回おもうのがこの調子でいって オチはどうなるんだろうな... って不安になるのですけど、 本作も不安は的中しました。 予定調和だな、と。 とはいえナラティブに仕掛けを凝らすみたいな書き方してもボロが出るんだろうね(←失礼) まんことかおなにーとか出てきても、 ギョッとする感じがないんです。ぜんぜんドキドキしない。 そこんとこ、なんでなのか考えてみるといいかもしれない。
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