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夢の叶え方
職場のビルの屋上から見下ろす、深夜の東京。 蛍のような光の粒が、静かに、残酷に瞬いていた。 胸の奥を、黒い蛇が這いまわっていた。 誰にも気づかれず、ただ静かに、ずっと。 子供のころ、 スーパーマンのように空を飛びたかった。 雲の上まで行けると思っていた。 いろんな人を助けて、皆から憧れられる存在になれると思っていた。 そのとき、 下から歓声が聞こえた。 歓声が私のスーツの裾を持ち上げた。 皆が私をみて目を輝かせる。 なるほど、これがヒーローの視点なのか。 空を飛んだ私は歓声に応えるべく観客たちの元へ向かう。 風が顔を叩く。目が乾く。 涙が頭上に向かって落ちていく。 大空を割く矢のように。 大地が私に近づいてくる。 歓声がクライマックスに達した時、 ついに私は、 夢を叶えた。
夢の叶え方 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 666.1
お気に入り数: 0
投票数 : 2
ポイント数 : 1
作成日時 2025-07-28
コメント日時 2025-08-17
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 1 | 1 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 1 | 1 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 1 | 1 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 1 | 1 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


いいのですが、すごく惜しいと思う。 夢の叶え方。~ついに私は 夢を叶えた。 この終わりは、叶えきれない夢を叶えた。という願望の現実を夢で叶えてみせた。ということなのでしょうが、このまま終わってしまうのであれば、現実には叶えきれていない夢が夢のままでキレてしまうわけです。 夢の中で覚醒された現実を夢にみるですね。 ならば終わりはもう少し、例えば、はじめに戻ってビルの屋上から眺めみた違う景色に移行してみたら如何でしょうか? ~叶えた。という勘違いに覚醒されて気づく。そしてすぐに現実に引き戻されるわけですが、さっき見た夜景とは違う景色に映るわけです。それは~夢を叶えた。という意識が無意識に働いていた、と 、その気づきによって夢を叶えるヒントを新たに発見するかもしれないのです。 そうした視点間の移行で空間としての拡がりと奥行き。詩としても情感に深みが出るのではないか。と思われるわけです。
1初めまして。 2通りの読み方を楽しませていただきました。 ですが、どうしても投身自殺の方を色濃くよんでしまい、 夢の中、ヒーローとして大地に降り立ち、笑顔で歓声に応える姿があまり想像できませんでした。 こんな風に投身自殺と読めてしまうのは、私だけかもしれないのですが、 ギリギリで表現されている中、 もう少し、「夢」の中を膨らませてほしいかな?と思いました。 ありがとうございます。
0こんばんは、 >>そのとき、 下から歓声が聞こえた。 歓声が私のスーツの裾を持ち上げた。 この連の流れが好きです。
0私自身自殺の色が濃く出るように読んでしまい、悲しい詩だと思いました。でもきっと彼には続きがある。失礼ながらメルモsアラガイsさんのコメントと被ってしまいますが、締めだけでも「歓声を浴びたという"夢"」に対比する"現実"にシフトした言葉があったら、文章により深みが出るのではないかなと感じました。 コメントが文意に沿っていなければすみません。
0ヒーローの視点とは愉快だと思いました。歓声がクライマックスに達した時とは?と考えると具体的な想像力が飛翔している自分に気付きました。
0実際に夢を叶えたとしたらダイブして昇天して雲の上に行ったという非常に身も蓋もないシニカルな内容なんだけど、それだけ?ってなりますね。 寝ている間に見た夢でもそれは変わらず、その点はメルモさんが仰っているから割愛するとして、やはり人間が描ききれてないせいか感情移入出来ない。 この人の夢はなんだったんでしょうね。その辺りがもう少し描かれていてよい気がします。文学が人間を描くことだとするなら。
0なんとも懐かしい気持ちです。
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