ねじれた記憶が 午後をさらって
静かな寝息が 窓を曇らせた
羽根は欠けたまま 折りたたまれていて
バスは静かに 誰の名も呼ばない
透明な地図 端から染まる
ただの模様に 触れていたいみたいで
人工のループ 角を曲がって消える
スキップする魚達 影を映さない
眠たいピアノ 反響しない部屋
ひび割れた時計が 泡をつかまえた
名前のないスニーカーが乾いて
逆さまのまま 歩道に揺れている
粒子の階段 ゆっくり沈んでいく
踊り場のひだまりで お茶の準備
カップの底で ゆっくり溶けていく
夢の中でしか 覚えられない数字
缶バッジの裏 静電気のにおい
昨日の夜に 遅れて届いた
誰も知らない軌道の上で
無音の信号 すこし濁っていた
作品データ
コメント数 : 6
P V 数 : 633.2
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2025-05-19
コメント日時 2025-05-21
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:633.2
2025/12/05 23時55分22秒現在
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静かでいいですね。 オンラインではない状態、としてのオフライン。繋がっていない、宙ぶらりんな状態。あるべきものが欠けているさま、みたいな空気感なのかなあと思って読みました。 呼ばない、映さない、反響しない、名前のないetc 重ねられていく「ない」が詩のトーンを形作っていると思います。 さかさまに揺れるスニーカーや、泡を捕まえるひび割れた時計といった情景は、生活の中にあるのに、ぽっかり周囲と浮いているようなオフライン感を示しているのでしょうか。あるいは自分がオフラインだから、周囲の物たちが果たすべき普段の役割を失っているように見えるのでしょうか。 いろいろと考えることができて面白かったです。 ちょっとだけ思ったこととしては、作者の意思みたいな、それでそのオフラインであることをどう思っているんでしょうみたいなことが見えなくてむずむずするというか。すこし濁っていた というのはフィニッシュにしてはちょっと弱い気もします。 あと、これは気分を害されたら本当に申し訳ないのですが単語の連なりがどこか生成AIっぽいというか。なんでかって言われると説明できないんですけど、低温というか実態がつかめない感覚がありました。
0「夢の中でしか 覚えられない数字」 この数字は白昼夢の中の数字と言う訳ではないのかもしれませんが、「覚えられない」に念がこもっていると思いました。
0ありがとうございます。 色々な解釈をしていただけて、とても嬉しいです。この作品は言葉遊びのようなもので、意味よりも言葉の響きやリズムなようなものを重視して作りました。 わたしの心情や意図は入っていないのでそのように感じていただくのは自然な流れかと思います。 それでも色々想像してくださるのは本当にありがたいことです
1ありがとうございます。とても鋭い解釈で驚きました。 >夢の中でしか 覚えられない数字 ここだけは、少し念をこめています。夢の中でしか出てこないメロディーがあり、覚えておいて、起きたら楽譜に起こそうとか思っているのですが、どうしても思い出せない、ということがありました。 メロディーより、少し無機質な感じにしたかったので数字にしました
1音楽に例えると、バッハが良く似合うと思いました。 バッハの曲というのは、 感情的ではなくて、非常に建築的であり、 和音に和音を被せ続けて、重層的な響きを醸し出しているのだ、と、 昔、音楽の先生をしてた知人が言っていました。 同じように、 この詩もフレーズがフレーズに重なり、 豊かな響きを醸し出していると思いました。 センスの良いことばがお見事です。 ありがとうございます。
0ありがとうございます。 バッハのような偉大な音楽家を想像してくださるなんて恐縮です 音楽の先生からバッハの「G線上のアリア」を聞かせていただいたとき、バイオリンの一番低い音のGだけで演奏されていると知り、その重厚さに感銘を受けました。 Gだけで構成されていることをタイトルに入れているところもおもしろいですね 久しぶりにバッハに触れ懐かしい気持ちになりました。ありがとうございました。
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