『トランプ大統領が描く次の政策は？／アメリカの根底に流れる”反知性主義”』 なる番組を見て、それについての何とか大学学長のうんちくを聞いたところ、これってちょっと頭のいい高校生なら充分話せるんじゃないの？って思ってしまった。まあ、テレビでの解説だし、実際の講義では「もっとらしいこと」をマシンガントークで学生に向かってがなり立てているお蔭で、さも偉い「先生」のように見えているのかもしれないが。
そもそも、歴史、政治、ジェンダーなどを概覧する人文学って学問の名に値するのか？学問（研究）とは新しいものを創り出すというのが前提であり、俗な例えだが、素晴らしい殺虫剤を開発することは研究と言っても差支えないにしても、二種類の殺虫剤を比較することは誰でもできるわけで、実際にそれに要する時間は開発と比較では月ほどの差がある。しかし、あら不思議、殺虫剤を「政治」あるいは「歴史」に置き換えると、時間を要しないただの比較がさも高尚で難解なことを宣っているかのように聞こえてしまうのだ。
でな、最近では、「ジェイン・オースティンとジェンダー」なんて論文を著す人文学者がいたりするんだが、「自負と偏見」、「ヴィクトリア朝時代の女性」などの本を図書館から借りて読み、そこにアンコンシャス・バイアス、ジェンダーギャップなどの言葉を散りばめると、御大教授のみならず、大学一年生でもそれらしい論文が三日で書けてしまう。そういったなんちゃって論文「ジェイン・オースティンとジェンダー」なんか誰が読むんだ？ということになるが、もちろん、その内容において、教授と学生とに論旨の展開と表現を除いて有意な差異が見つからないとすれば、すぐに物置の片隅で埃をかぶることになるのは火を見るよりも明らかである。いやいや「意識の高い人」が読むんじゃないかという向きもあるだろうが、そういう人ほど、自分を主張することには熱心だが、他人の主張に耳を傾けようとはしない。
「意識の高い人」とは人文系の学者によくある顕著な特徴だが、彼らほど視野が狭く月並みな連中はいないのだ。彼ら（数だけは百花繚乱）の論に違いは全く感じられないが、その自己評価は天よりも高い。連中の自己紹介によると、自分がアメリカ大統領なら、トランプ大統領なんか足元にも及ばないほどの政治手腕を発揮できるそうだ。ちなみに、ああいう人たちの論は過激化する傾向があるが、その内容がイデオロギーの強度でしか差別化できないからである。
ある建物を太陽に向かって撮影した写真と、逆光で写した場合とでは異なるもののように見えるかもしれないが、その対象たる建物は同じものであって、それは、撮影を「解釈」と変えても同様だ。「解釈」から建物を創り出すことは不可能である。要するに、人文系の学問からは何も生み出せない。
本来の多様性とは、才能の多様性、たとえばピカソとルノアールは違う、であって、性別、人種、社会階層などのアイデンティティとは関係がない。にもかかわずアイデンティに拠る「多様性」を濫用している人文系の学問は本来の多様性とは縁がないのだろう。その証拠に、「多様性」という言葉を使っているが、皆が同じことを言っている。
作品データ
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作成日時 2025-05-08
コメント日時 2025-05-10
#現代詩
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2025/12/05 19時57分22秒現在
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狐の舞踏会
>本来の多様性とは、才能の多様性、たとえばピカソとルノアールは違う、であって、性別、人種、社会階層などのアイデンティティとは関係がない。 そうなんですか？ 顔の黒い人もいる。白い人もいる。色んな人がいる。それを多様性というのでは？ 才能の多様性もあるかも知れません。しかし、それが本来の多様性だと仮定すると、その『本来』の中には歴史的な語源としての『多様性とは、才能の多様性という意味で生まれた言葉である』という証拠のようなものが欲しいのですが。 また、この一文を読むと、作者の方が才能主義者のような印象も感じるのです。私は、主義というのは何事も疑う立場です。
0歴史的な語源なんて、どこにもありませんよ。 仮にシェークスピアが「多様性とは顔の色である」と言っていたとしても、何の証拠にもなりません。 顔の色と、人間の中身に一体何の関係があるんです？ 全くの無関係でしょう。 ここにはいろんな作風（多様性）の詩が投稿されている。 でも、そこに人間の顔の色を考慮して評価する人などいません。 あなたもそうでしょう？ 「主義というのは何事も疑う立場」なのはかまいませんが、それではまずご自身を疑うことから始めてはいかがですか。
0まあ、本来の多様性というのはまさにwatertimeさんが言ったことだよね。 『ここにはいろんな作風（多様性）の詩が投稿されている。 でも、そこに人間の顔の色を考慮して評価する人などいません。』 これには僕も同意。僕のように星菫派の作品を書く人もいれば、AOIさんのようなフォルマリズム詩を書く人もいるし、watertimeさんのようにエッセイ的なものを書く人だっている。 そして、その評価は作品そのものであって、作者の顔の色ではない。 僕の星菫派的なものを批判する人は作品(あと僕の人柄、納得いかないけど)を批判するのであって、僕の顔の色で貶しているわけじゃないし……僕も僕で一部詩人を非難することはあれど、彼らの作品と意見を問題にするのであって、別に彼らの顔の色で批判しているわけじゃない。 ……それこそが本来の多様性のあり方ってことで合ってるよね(誤読をしでかしてないか不安)
0そうですね。 とても考えさせられました。 真の多様性とは何か？ 価値観であったり、肌の色であったり、障害のあるなしであったり、 お互いの違いを肯定できることなのではないか？ と思います。 芸術においても、十人十色を肯定できることなのではないか？と思います。 最も私のこころはそれほど広くはなく、どうしても、否定してしまう部分はあるのですが、それは“好み”の部分なのだと思います。 ところで、難しいことを噛み砕いて易しく話すことの方が、遥かに難しいのです。 病院に入院当初、私は｢世俗の垢｣ということばを使ったのですが、｢分からない｣と言われ、分かるように話そうと悪戦苦闘しました。 大学教授が高校生に分かるように話しているのであれば、その大学教授は、とても優秀な方です。 参考までに。 ありがとうございます。
0私の考えにご賛同くださり、有難うございます。 もちろん、誤読はありません。 作者の社会的背景を知ると、その作品理解の一助にはなりますが、だからと言って、その前後で評価が変動するとしたらおかしいなことですし、 評者の見識が問われることになります。 人の社会的立場とその中身が一致しないのは当然であって、「多様性」という言葉を用いて、社会的立場（アイデンティティ）がその人の中身を決めるというような言説は違うんじゃないかと思います。
0外形的な違いにどんな意味があるのか？ 価値観は内面ですが、肌の色は外見に過ぎません。 そうした外見を自らの存在意義にまで結ぶ付けてしまうのが問題なのだと思います。 「芸術においても、十人十色を肯定できる」、十人十色は確かですが、巧拙の違いは有り、それを否定すると、批評は不可能になってしまいます。 多様性を認め、批判を許容することであって、その批判を“好み”と受け止めるのは、ぼんやりした否定を論理的に言語化できていないだけだと思います。 「難しいことを噛み砕いて易しく話す」ことができないとすれば、本人の理解が不十分なだけで、話しの仕方は些末なことです。 「大学教授が高校生に分かるように話しているのであれば、その大学教授は、とても優秀な方です。」 彼は難しいことを高校生に分かるように話していたのではなくて、、易しいこと（高校生レベルの知識）を箇条書きのように話していただけでした。
0ふうん。 ずいぶんアタマが良いのですね。 ベンキョーになりました。 ありがとうございます。
0まあ、私はカレシをえらぶとき、 ガイケンやネンレイもじゅーししますけどね。 ヒャッカンデブはイヤだし、わかいのはイヤ。 あなたは、ガイケンもネンレイもカンケーないというなら、 80さいのヨボヨボのオバーチャンでもダイジョーブだし、ヒャッカンデブでドブスだけど、こころがきれいなオバハンでも、キスできるし、セックスできるんですねー すごいわぁ。そんけーします。
0レモンさん、あまり言いたかないが……それは作者さんに対して失礼な態度じゃないのか？ watertimeさんの意見の何かがレモンさんには気に食わなかったのかもしれないけれど、『ふうん。』って返したり、まるで二つ目の返信も相手を小馬鹿にしていると思われかねない感じの調子だし。
1わたしはバカなので、カンジをつかうのは、おこがましいとオモッタだけですヨ。 よいキカイです。 テイムラー隆ーさんにも、オウカガイします。 かのじょをえらぶとき、 ネンレイ、ガイケン、ハダノイロ、すべてカンケーないのですか？ にんげんのホンシツのみをとうなら、そうなりますよね？
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