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peridot marmalade   

白犬 
作成日時 2017-11-02
コメント日時 2017-12-08

 

ペリドット エメラルド 2つの石は似ていて 少しだけ違う緑色で 君の誕生石のペリドットは 少しだけ枯れた淡いグリーンで 控えめな君にとても似合う気がした 僕の誕生石はエメラルド 2人の誕生石の色が似ている それだけのことが 嬉しかった 少しも似てない2人の狭間で 2人のアイコンのモチーフが少しだけ似ている それだけのことが 嬉しかった 似やしない2人の間で . . . エメラルドは深い闇を通って来たんだよ 冷たい夜にわざと窓を開けて眠る僕を TKがスピーカーから歌う 「まさかね」 君に言えなかったこと とても寂しかったこと 君の過去を 汚せないこと 君の今を 汚せないこと 笑いながら言う 「君にはもっと似合う人が居るよね」 緑色は君に似合う色だと思うよ エメラルドは海の色に似てる 夜の闇が彩ってくれる 枯草のようなペリドットの淡さが 胸に詰まって 僕はエメラルドのジャムを口から吐き出す 君はペリドットのマーマレイド 氾濫する淡いグリーンの煌きが 小さな鍋の中で 沸き立つ 今夜は満月が明るいよ 月の光の下なら ペリドットもエメラルドも 同じように 見えるんだろうか . . . ペリドットとエメラルド 砕かれた 砕いてしまった 苦しかったら 粉々にして 空に 帰して 空から降る緑色のきらきらきらきらが 痛い 痛い 痛い 痛い 痛いよ ──────冷たい月の光に 小さな魔法をかける 深い夜のエメラルド


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花緒 (2017-11-02):

依頼に応じ、もう一方の方、削除しましたので、ご確認を。

白犬白犬 (2017-11-02):

ありがとうございます。大丈夫です。ミスをしてしまい、すみません。 お忙しい中、素早い対応、感謝します。

まりも (2017-11-07):

誕生石の色やアイコンのモチーフといった、本人の付随物のようなもの、が似ている。それだけでも嬉しい、と述べた後に、〈少しも似てない2人の狭間で〉〈似やしない2人の間で〉と繰り返される落差の切なさ。 〈冷たい夜にわざと窓を開けて眠る僕を〉どうして〈僕〉は、自分に厳しく、辛く接してしまうのでしょうね・・・それは、〈君〉を傷つけたくないから、汚したくないから、ということ、なのか・・・。 エメラルドの色の深さと、〈僕〉の心の深さ、〈エメラルドは深い闇を通って来た〉闇を見て来た自分と、その闇を〈君〉には見せたくない、そんな想いをさせたくない、という〈僕〉の思いと。 〈エメラルドのジャム〉と〈ペリドットのマーマレイド〉鮮やかなイメージ。ぐちゃぐちゃ、に潰れているジャム(のような自分)と、澄んだ色の中にスライスされた果物の形が残っているマーマレイドの対比。 畳みかけていく調子や、嬉しかった、と述べた後の落差のリフレイン、鮮明なイメージなど、リーディングの際に非常に効果的(訴えかける力、印象に残る力)が強い作品ではないか、と思いました。 アクを取りながらじっくり炊いたジャムの、澄んだ色合いと濃厚な触感、これもまた美味ですよ。

花緒 (2017-11-07):

どんどん読みやすくなってこられてますね。ここまで読みやすいとポエム感もいいアクセントになってきているような印象を受けました。私の能では、うまく批評しうる作品ではないですが、楽しく拝読しました。

渡辺八畳@祝儀敷 (2017-11-08):

砕けてからの表現はとてもいい。だけどそれまでが水増し感があるというかテキストの量に対して内容量が薄く、もっと圧縮できる気がする

なかたつ (2017-11-16):

 いつもの白犬節とはうってかわって、一読驚きました。丁寧に、まるで説明文のような作りになっているのですが、それが内容と一致して心地よさを覚えます。  ペリドットとエメラルドという、色だけは多少似ている宝石。そのイメージを援用して、おそらく2人の人物が似ている部分がありつつも、やはり違っているという語りかけ。それでも素直な気持ちとして「2人の誕生石の色が似ている/それだけのことが/嬉しかった」とあるのが、効果的です。好きな人ができると、何とか共通点を探そうとして、親近感を覚えるのは、決して僕だけではないでしょう。それでも、語り手は冷静に「似やしない2人の間で」という事実を忘れないようにと、自覚があることも示されています。  場面は変わり、語り手の視線はエメラルドにうつります。「エメラルドは深い闇を通って来たんだよ」という事実は、そのエメラルドをウインドウショッピングのように一見した人にはわからない、語り手だけが知り得る情報でしょう。語り手がエメラルドに近い存在であることが示唆されています。  所々挿入される声「まさかね」「君にはもっと似合う人が居るよね」というのは、眠りにつく「僕」が布団の中で聴いている声、もしくは思い出している声です。夜の闇が訪れたとしても、エメラルドやペリドットが持っている色彩が見えなくなってしまうのではなく、それらの色彩は宝石そのものが所有しており、失われる色彩として思いを馳せているのでしょう。  さきほどと違うのは、共通点を探して喜んでいたのではなく、ペリドットの淡さを孕むことで、「僕」がエメラルドのジャムを吐いてしまうということ。つまり、受け入れることを拒否し始めたのです。ジャムという、見た目としては、しっかりとした形は持たないふよふよとした、まさに吐瀉物らしい吐瀉物。僕はマーマレイドが好きなのですが、エメラルドが闇を通って来ていたものの、マーマレイドの橙色が陽の光に浴びた色として、対比しているのでしょうか。それでも、月の光の下で、同じように光ることを望む語り手の思いは、真摯に伝わってきます。  最後は、何が起きたか全くわかりませんが、ペリドットもエメラルドも砕かれてしまったということ。望んでいた月の光が地上に降り注ぐのではなく、砕かれたペリドットとエメラルドが地上に降り注ぐ。それが、語り手にとって綺麗なものではなく、痛いものとして降り注ぐ。中盤では、語り手の何気ない率直な思いが示されていたのですが、最後はやはり白犬節で、淡々と移り変わる風景を描いており、語り手の思いが一気に読めなくなります。ただ、何も考えずにそうした風景の中に読者を導いているというのは、巧いと思います。  砕かれてしまって全てが終わってしまったのかどうか。その続きは、読者の数だけ答えがあるような気がします。

百均@B-REVIEW ON/ (2017-12-08):

>今夜は満月が明るいよ > >月の光の下なら >ペリドットもエメラルドも >同じように >見えるんだろうか からの >ペリドットとエメラルド > >砕かれた > >砕いてしまった ここが凄く巧みというかなんというか。 色が似ているからという始まりを否定するような「似やしない2人の間で」から、 同じような色をしているけれども、似ているけれども絶対的違う相容れないもの。それは「エメラルドのジャム」「ペリドットのマーマレード」にも現れていて、ジャムとマーマレードも似ている物だけど、やっぱり違うんですよね。そして、ジャムとマーマレードは僕は血の比喩として読みました。…とかなんとか、そういった否定を挟みながら。月の光の下なら確かに同じに見えるかもしれない。という希望を裏切るように、 砕けてしまう。 >──────冷たい月の光に 小さな魔法をかける > >深い夜のエメラルド 僕はここで、無理矢理同化した印象を覚えます。1+1=1にするための手順というのでしょうか。僕は一緒に心中したみたいな感じがします。水面の奥深く海底に入水したイメージです。


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