駅の傍らの公園で
微かに聞こえたギターの音の
歌い出しを待っている
普段降りない駅の前
午後十一時の静寂は
春の季節には心地が良い
そこの傍らの公園から
少し聞こえたギターの音は
多分そんなに上手くはない
歩き慣れない駅前の
暗闇をのそのそ進みながら
土曜の夜更けに高揚してる
目の前にある公園に
響き渡っているギターの音と
ひっくり返って萎む声
振り返ってみた駅の前
自動販売機の明かりを見つけて
何となしに足を止めてみる
通り過ぎるはずだった公園と
孤独なつもりのギターの音と
少し後ろめたくもあるこの僕と
さっき通った駅前に
ジュースを買いに戻ってみたり
少しだけ明日の休みに甘くなる
今度こそ通り過ぎる公園の
何度か聴いたギターの音の
歌い出しを待っていた
作品データ
コメント数 : 7
P V 数 : 1919.1
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 22
作成日時 2021-05-16
コメント日時 2021-06-02
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
| 叙情性 | 8 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 7 | 0 |
| エンタメ | 3 | 0 |
| 技巧 | 1 | 0 |
| 音韻 | 1 | 0 |
| 構成 | 2 | 0 |
| 総合ポイント | 22 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 8 | 8 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 7 | 7 |
| エンタメ | 3 | 3 |
| 技巧 | 1 | 1 |
| 音韻 | 1 | 1 |
| 構成 | 2 | 2 |
| 総合 | 22 | 22 |
閲覧指数:1919.1
2025/12/05 22時12分13秒現在
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各連3行に整えられたきれいな詩。このような作品では、整えようとする気持ちが過ぎて、語り漏らしが生じやすいけれども、この詩はこれで完成されているようです。 「普段降りない駅の前」では、確かにこのような心情、温かい逡巡とでも言うべき心情になりますね。
0いい詩ですね。微かに聞こえたギターの音の歌い出しを待っている話者の、はっきりとは口に出せない期待感、昂揚感とリンクするかのようにタイトルがある。この微妙に面はゆい感覚の構成と、描きたかった部分をタイトルで示唆する手法は好きですね。目立ちました。
0コメントありがとうございます。 私は勢い任せに詩作をして、そのまま勢いに任せてその詩を投稿してしまうことが多いです。本作もそうでした。 ですので手応えというか、その詩が人に読ませても恥ずかしくないようなものなのかどうか、投稿した後になってから不安になることがよくあります。 しかし本作を『完成されている』と評して頂けて、なんだかもっと自信を持って良いかもしれないと感じました。 読んでいただきありがとうございました。
0コメントありがとうございます。 タイトルは毎回投稿のたびに迷ってしまいますね。 どのくらい意味のある試みになるかは分からないんですけど、タイトルを考えるときはいつも出来るだけ、『タイトルを見る→本文を読む→読み終わってからもう一度タイトルに目を向ける』の読者の目の流れを意識した上で命名しています。 ようやく今回で初めて、タイトルを含めて人様に褒めてもらえたような気がします。 読んで頂きありがとうございました。
0コメントありがとうございます。 「ギターの音」がくどいというのは、言われてみれば確かにと感じます。 文章に法則性を持たせることに終始しすぎたかもしれないです。 文章を削ぎ落とす…本作でその作業は行ってませんでした。 なんというか、やっぱり見抜かれてしまうものなんですね… 今後の投稿では、研ぎ澄まされていると感じていただけるようなものを書きたいですね。
0琴線に触れるといった言葉がありますが、私も通りすがりに聴こえるハーモニカの明るい音色と童謡の演奏に心を持っていかれてしまった経験があります。 作品のラブソングのラブは深くて大きなものを表すものだなあとあらためて思いました。掻き鳴らされるギターの音が時空を満たして演奏者と語り手とをつなぐ磁場の引力のようなもの、かもしれないと。
0コメントありがとうございます。 通りすがりに聞こえる音色って、なんであんなに心惹かれるんでしょうね。 本作は実際に体験したことを元に書いたのですが、確かにあのギターの音が聴こえた空間からは離れ難いものがありました。 磁場の引力とは、言い得て妙だと思います。
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