フィラデルフィアの夜に XXⅡ - B-REVIEW
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エセ詩人

いでよ、エセ詩人!

コトダマ とはよく言ったものだ。 ハキダセ と 男は言う。 おまえは誰だ? わたしは何者だ?   

湯煙

硬派な作品

萩原朔太郎や中原中也のエッセンスを感じます。

千治

体験記『呆気ない宣告』

それはあなたの現実かもしれない。

大概のことは呆気なくドラマティックではない。そうした現実の丁寧な模写が作品に厚みを増している。

ほば

世界は自由だ━不死━

わかるということ

あなたにとっては何が、その理解が起きるピースになるだろうか?

ほば

ふたつの鐘がなるころは

鐘は明くる日に鳴る! いつでもそうだ!

運営在任中に出会った多くの作品の中のベスト。決して忘れない。

yasu.na

良い

シンプルに好き

あっす

パパの日曜日

パパの日曜日

いい

明林

終着点

生きる、その先に死地はない!

美しくさわやか、そして深い意味が込められたシーン、均衡の取れた心情と思想、強い意志で最終連へと迫る引き締まった展開、我が胸にこの詩文を抱いて!

yasu.na

九月の終わりを生きる

呼び覚ます声

夏の名残の暑さが去ろうとする頃、九月の終わりになると必ずこの作品のことを思い出す。

afterglow

こっちにおいで

たれかある

たそがれに たれかある さくらのかおりがする

るる

詩人の生きざま

言葉と詩に、導かれ救われ、時に誤りながらも、糧にしていく。 赤裸々に描写した生きざまは、素晴らしいとしか言いようがない。

羽田恭

喘息の少年の世界

酔おう。この言葉に。

正直意味は判然としない。 だが、じんわりあぶり出される情景は、良い! 言葉に酔おう!

羽田恭

誰かがドアをノックしたから

久しぶりにビーレビ来たんだけどさ

この作品、私はとても良いと思うんだけど、まさかの無反応で勿体ない。文にスピードとパワーがある。押してくる感じが良いね。そしてコミカル。面白いってそうそう出来ないじゃん。この画面見てるおまえとか、そこんとこ足りないから読んどけ。

カオティクルConverge!!貴音さん

あなたへ

最高です^ ^ありがとうございます!

この詩は心に響きました。とても美しく清らかな作品ですね。素晴らしいと思いました。心から感謝申し上げます。これからも良い詩を書いて下さい。私も良い詩が書ける様に頑張りたいと思います。ありがとうございました。

きょこち(久遠恭子)

これ大好き♡

読み込むと味が出ます。素晴らしいと思います。

きょこち(久遠恭子)

輝き

海の中を照らしているのですね。素晴らしいと思います☆

きょこち(久遠恭子)

アオゾラの約束

憧れ

こんなに良い詩を書いているのに、気付かなくてごめんね。北斗七星は君だよ。いつも見守ってくれてありがとう。

きょこち(久遠恭子)

紫の香り

少し歩くと川の音が大きくなる、からがこの作品の醍醐味かと思います。むせかえる藤の花の匂い。落ちた花や枝が足に絡みつく。素敵ですね。

きょこち(久遠恭子)

冬の手紙

居場所をありがとう。

暖かくて、心から感謝申し上げます。 この詩は誰にでも開かれています。読んでいるあなたにも、ほら、あなたにも、 そうして、私自身にも。 素晴らしいと思います。 ありがとうございます。みんなに読んでもらいたいです。

きょこち(久遠恭子)

カッパは黄色いのだから

良く目立ちます。 尻尾だけ見えているという事ですが、カッパには手足を出す穴がありますよね。 フードは、普通は顔が見えなくなるのであまり被せません。 それを見て、僕はきっと嬉しかったのでしょう。健気な可愛い姿に。ありがとうございました。

きょこち(久遠恭子)

永訣の詩

あなたが出発していく 光あれ

羽田恭

あなたには「十月」が足りていますか?

もし、あなたが「今年は、十月が足りてない」と お感じでしたら、それは『十月の質』が原因です。 詩の中に身を置くことで『短時間で十分な十月』を得ることができます。この十月の主成分は、百パーセント自然由

るる

だれのせいですか

どんな身体でも

どんな自分であっても愛してくれるか、抱きしめてくれるか、生きてくれるか SNSできらきらした自分だけを見せてそんな見た目や上辺で物事を判断しやすいこんな世の中だからこそ響くものがありました。例えばの例も斬新でとても魅力的です。

sorano

衝撃を受けました

ベテルギウス。まずそれに注目する感性もですが、詩の内容が衝撃。 猫。木。家族。犬(のようなもの)。女の子……。など、身近にあふれている極めて馴染み深いものベテルギウスというスケールの大きいものと対比されているように感じられました。

二酸化窒素

ずっと待っていた

渇いた心を満たす雨に満たされていく

afterglow



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フィラデルフィアの夜に XXⅡ    

フィラデルフィアの夜に、針金が傍らに佇みます。  暗い病室に、機械の音だけが微かに聞こえてくる。 それは心臓の動きを捉えています。 今は規則正しく動く心臓。 ただ不意に想定外の動きを示す。 機械に繋がれたその人は、今晩も身動きできず、寝転びます。 眠りにつくこともできずに。  静かな夜。聞こえるのはずっと機械の音だけ。 機械以外の音にはかえって敏感になっている。 そう思っていました。 機械のライトの灯りを、何かが遮っている。  気づかなかった。 細い何か紐みたいなのが数本、機械と自分の間にある事を。 暗闇に慣れた目が確認できた。 それは人の形を取っていると。  細い針金のような物が、人の姿を輪郭だけ取っている。 音も出さず、気配も感じさせず、いつの間にかこの病室にいます。 機械が叫び出す。 心臓が規則から外れて動き出した。 あまりに驚きすぎたのか、体も心臓も正常に動かすことができなくなっていたのです。  ただ目は、人の形をした針金を見る。  針金の人。 その心臓の辺り。 急に針金が集まりだす。 動いている。一定の速度で。 落ち着いた心拍で。 それを、輪郭だけの右手が手に取り、差し出す。 針金の心臓は、異常を示す心臓の元へ、置かれた。  心臓は置かれ、肉体へ入り込む。 入り込めば入り込むほどに、体に繋がれた機械の叫びは収まっていきました。  感じます。 夜にあるべき様な、ゆっくりとした心臓に、鎮まっていっていると。  心臓は規則正しく動き、それに伴い機械は一定の速度で反応をし続ける。 果てしなく永く続いた煩いが消えたとわかります。 ただ、身動きはできず、声もでません。  針金がまた手を差し伸べてきました。 「この心臓を元に戻そうというのか。あの患ったものに」 そう思いましたが、なおも体が動かないのです。 針金の手は、また心臓の位置に当てます。 また針金が出てきました。 赤い赤い、針金。血管、それを模したもの。 素人目にも、病んだそれとわかるもの。それに似せた針金。 それが痛みもなく、体から離れていくのです。  赤い針金は、右手の針金に絡みつき、するとその針金の体の左胸に行きつく。 心臓の様に動き出した。 かつての自分の心臓の様に、不規則に動きながら。  そのまま、針金が輪郭だけをとったその人が、やさしく見つめているかのように思えました。  急に部屋が明るくなる。 白衣の医者と看護師がなだれ込んできた。機械が異変を示したといいながら。  数十分に思えた時間は、そんなにまで短い時間でした。 明朝、レントゲンが取られる。 あの晩が嘘でないと教えるかのように、心臓には針金がその動きを助けていたのでした。


フィラデルフィアの夜に XXⅡ ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 4
P V 数 : 1235.4
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2021-03-14
コメント日時 2021-04-07
#現代詩
項目全期間(2024/04/19現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
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前衛性00
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 エンタメ00
技巧00
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構成00
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閲覧指数:1235.4
2024/04/19 08時11分55秒現在
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    作品に書かれた推薦文

フィラデルフィアの夜に XXⅡ コメントセクション

コメント数(4)
カオティクルConverge!!貴音さん
作品へ
(2021-03-29)

全部を追うのは根気がいるので どうして針金を軸にいくつもの夜を書こうと思ったのかここら辺で知りたいです。

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羽田恭
カオティクルConverge!!貴音さんさんへ
(2021-04-06)

引っ越してしばらくネット環境がなかったので返事が遅れてしまいました。すいません。  「アウトサイダーアート」というちくま新書の本の中に、発想の元になったフィラデルフィア・ワイヤーマンが取り上げられていました。 一体誰なのか全くわからないまま作品だけが有名になったという、ゴミ捨て場から発見されたその作品は白黒写真でも印象に残り、ネット上にもほとんど作品の写真がなかったりしましたが、とても気になっていました。  また、個人的に大学時代に美術の素養が全くないのに針金でシュールレアリスム的な作品を作っていたのも、きっかけの一つです。  その後最初の作品を「遺作」という題で書き(フィラデルフィアの夜に、という書き出しはここからやっています)、2年か3年はそのままでした。  そしてオリジナルの連作を書こうと思い立ち、最初は円空(江戸期の仏師。日本中に鉈で荒く切った仏像が多数現存する)でやろうとして上手くいかず、フィラデルフィア・ワイヤーマンを元にやりだし現在に至ります。  最もフィラデルフィア・ワイヤーマンからどんどん外れていっていますが。

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三浦果実
羽田恭さんへ
(2021-04-07)

まじか。知らんかったです。私もその針金って素材の意味を知りたかったんですけど、アウトサイダーアートの背景があったなんて。限界芸術研究会というサークルを知ってるんですけど、その方々が針金を素材にしてワークショップみたいなことやられていたんですけど、針金っていろんな形になるから面白いですよね。ところで、 フィラデルフィアシリーズたまにしか読まないですけど。ナラティブな物語だったんだなあ。

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羽田恭
三浦果実さんへ
(2021-04-07)

ナラティブを調べてみると、 「「ナラティブ」とは「語ること」を意味しますが、ストーリーテリングのように出来上がった物語を語るのではなく、より自由に一人ひとりが主体となって語るイメージを持つ言葉です」 とありました。 そう言われるとそうですね。 自由に勝手に語っていますね。最近ではアイヌの昔話やら山の怪談やら金枝篇やらからも題材を引っ張ってくるようになっていますし。 針金の自由性とナラティブは相性がいいのかもしれません。

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