フィラデルフィアの夜に Ⅶ - B-REVIEW
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いでよ、エセ詩人!

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大概のことは呆気なくドラマティックではない。そうした現実の丁寧な模写が作品に厚みを増している。

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鐘は明くる日に鳴る! いつでもそうだ!

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美しくさわやか、そして深い意味が込められたシーン、均衡の取れた心情と思想、強い意志で最終連へと迫る引き締まった展開、我が胸にこの詩文を抱いて!

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afterglow

こっちにおいで

たれかある

たそがれに たれかある さくらのかおりがする

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言葉と詩に、導かれ救われ、時に誤りながらも、糧にしていく。 赤裸々に描写した生きざまは、素晴らしいとしか言いようがない。

羽田恭

喘息の少年の世界

酔おう。この言葉に。

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久しぶりにビーレビ来たんだけどさ

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カオティクルConverge!!貴音さん

あなたへ

最高です^ ^ありがとうございます!

この詩は心に響きました。とても美しく清らかな作品ですね。素晴らしいと思いました。心から感謝申し上げます。これからも良い詩を書いて下さい。私も良い詩が書ける様に頑張りたいと思います。ありがとうございました。

きょこち(久遠恭子)

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きょこち(久遠恭子)

輝き

海の中を照らしているのですね。素晴らしいと思います☆

きょこち(久遠恭子)

アオゾラの約束

憧れ

こんなに良い詩を書いているのに、気付かなくてごめんね。北斗七星は君だよ。いつも見守ってくれてありがとう。

きょこち(久遠恭子)

紫の香り

少し歩くと川の音が大きくなる、からがこの作品の醍醐味かと思います。むせかえる藤の花の匂い。落ちた花や枝が足に絡みつく。素敵ですね。

きょこち(久遠恭子)

冬の手紙

居場所をありがとう。

暖かくて、心から感謝申し上げます。 この詩は誰にでも開かれています。読んでいるあなたにも、ほら、あなたにも、 そうして、私自身にも。 素晴らしいと思います。 ありがとうございます。みんなに読んでもらいたいです。

きょこち(久遠恭子)

カッパは黄色いのだから

良く目立ちます。 尻尾だけ見えているという事ですが、カッパには手足を出す穴がありますよね。 フードは、普通は顔が見えなくなるのであまり被せません。 それを見て、僕はきっと嬉しかったのでしょう。健気な可愛い姿に。ありがとうございました。

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永訣の詩

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もし、あなたが「今年は、十月が足りてない」と お感じでしたら、それは『十月の質』が原因です。 詩の中に身を置くことで『短時間で十分な十月』を得ることができます。この十月の主成分は、百パーセント自然由

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だれのせいですか

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衝撃を受けました

ベテルギウス。まずそれに注目する感性もですが、詩の内容が衝撃。 猫。木。家族。犬(のようなもの)。女の子……。など、身近にあふれている極めて馴染み深いものベテルギウスというスケールの大きいものと対比されているように感じられました。

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フィラデルフィアの夜に Ⅶ    

 フィラデルフィアの夜に、針金が動かしました。  ゆっくり。軋ませながら。 一歩一歩、悪臭を放ちながら。 ふらつきながら、前を見据えて  突如大騒ぎが起こった街中。 駆け付けた警察官は、あってはならない者を見る。 死体。 骨ばかりになった、所々肉片をつけた歩く死体。 骨と骨の隙間からは向こうの景色が見え、死臭がつんざき、これは確かに現実の物。 「動くな」 向けられた言葉、銃口。 反応なく、背筋伸ばし、前を見、死体は歩く。  次の瞬間、執拗なまでの弾丸が、少なくなった肉片を吹き飛ばしました。  死体の汚れ変色した骨まで砕かれ、倒れました。 これは何なのか。 悪戯か。 警戒と共に警察官が近づくと、見たのは針金でした。 骨の中から、肉片の中から、細い針金が飛び出し、絡み合い、死体を元に戻していきます。 腕が動き、脚が動き、体が動き始め、起き上がり再び歩む。 右目だけにある眼は澄んで、まっすぐ見つめる。 骨の周りには細い針金が束になり、伸び縮み、筋肉のごとく動いています。 しかし、どのような原理で。  警察官は気づきます。 死体が見つめる先、歩む先、それは花屋だと。  死体は、銃弾の跡が残る何枚かの紙幣をレジに置きました。 腐葉土を飲み込むように体の中へ。 擦り込むように様々な種を体の各所に。 球根も植え付けて。 気が済んだのか、そして店の外へ  そのまま死体は歩いていく。 警察官たちは死体の彼についていく。 敬意を示すためのように。 彼は、落ちていきます。マンホールを開け、その中へ。 深い深いその穴は、ライトを照らしても何も見えなかったのです。 それきり、彼を見失いました。  花が咲きます。 人の形に。 地下、光差す下水の一角。 必死に探した警察官は、彼の痕跡を見つけました。  彼はこれをやりたかったのです。 最後の時に。  色彩豊かな花々が、暗い一画を満たします。 警察官たちが黙とうして、名前のわからない彼だっただろう骨と針金を棺に入れて。 その針金がどのようにして彼を動かしたのか、誰にもわからないまま。


フィラデルフィアの夜に Ⅶ ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 8
P V 数 : 1868.5
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2018-08-28
コメント日時 2018-09-14
#受賞作
項目全期間(2024/04/26現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
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音韻00
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閲覧指数:1868.5
2024/04/26 14時53分10秒現在
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    作品に書かれた推薦文

フィラデルフィアの夜に Ⅶ コメントセクション

コメント数(8)
かるべまさひろ
(2018-09-01)

素敵な不思議な中世観を感じました。

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羽田恭
(2018-09-01)

かるべまさひろさん、こんにちは。 素敵な不思議な中世観、というのがどのような意味なのかよく分かりませんが、楽しんでいただけたようで。 そこはよかったです。 ちなみに以前書いた作品を書き直しました。 まあうまくいったようです。

0
まりも
(2018-09-05)

針金でヒトガタを作る、彫像を作る、その「ココロ」や、いかに?という問への、 これはひとつの結論、ということなのかなと思いました。 前半はターミネーターのようで、不気味さがありますが・・・ 後半は、芽吹かない、無機質の肉体を豊かな花咲く大地に変えたい、と望む、「つくられたもの」のココロが動いていく、と言えばいいのでしょうか。 人もまた、何者か、によって「つくられた」ものであり、人生において何事かを成す、ことを、花を咲かせる、実をつける、と比喩で表したりもする、わけですが・・・、さて。 『チロヌップのきつね』という絵本がありました。最後には、力尽きて雪の中に斃れる狐の親子。春になって、その狐たちを案じる老夫婦が再びその地を訪れた時、そこには、親子の形にレンゲが咲いていた、というシーンで終ります。花を供える、手向ける、という「祈り」の行為が、その人の痕跡をとどめる、記憶に残す、美しい者へと変容させる、という行為に変貌する。そうした願いが、自らの「かたち」に花が咲くこと、へと結びつくのでしょう。羽田さんの作品の中で、主人公(針金男?)が願うのは、自らの肉体の「かたち」や「記憶」を残す、ということよりも、下水、汚水の流れる場所を美しいものへと変えたい、という願いであるように思います。

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羽田恭
(2018-09-09)

まりもさん、こんにちは。 フィラデルフィアシリ-ズでしばしば出てくるのが、「どうしようもない不遇な状況で自らのアートで慰めにする。良いものを作っていく」という人の姿です。  実際のフィラデルフィア・ワイヤーマンがそういう人だった気もするのと、生きる意味を見出すのはそう言うことだと思うので。  今回は自らの体に手向けてほしかった花を生やし、また寂しい下水に明るさをもたらしたいということになるかと。 ゾンビ同然の姿で闊歩したわけですから、かたちや記憶には興味ないでしょうし。 まりもさんの解釈通りでいいと思います。

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ヤエ
(2018-09-10)

肉体が吹き飛び針金になっても成したいものがあるように、人間の根幹には表現欲があるのかもしれない。警察官が最後に埋葬していました。針金人間を突き動かしている欲に敬意を払っていますね。詩全体を通して、人の表現欲への慈しみを感じました。

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羽田恭
(2018-09-13)

ヤエさん、はじめまして。 >針金人間を突き動かしている欲に敬意を払っていますね。 というより「どんな地位であっても、実行、あるいは忍耐によって貴くない得るような地位はない」ということかと。 (ちなみにゲーテの言葉です) 針金人間の行動が、貴く思えたのですね。 自らを損なわず、他の人を傷つけない、良いと言えるものを表現する事。 やはりそれには、敬意を表したいです。

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stereotype2085
(2018-09-14)

謎めいた死体の描写が面白く、グイグイと読み手を惹きつけて、死にゆく者が新しい命に何かを託す様まで持っていく。この「フィラデルフィア」シリーズにおいて、毎回高いレベルで描写をなさってるのを見るにつけ、羽田さんの築きあげた土台の盤石さを感じます。

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羽田恭
(2018-09-14)

stereotype2085さん、こんにちは。 >築きあげた土台の盤石さを感じます。 そう言ってくださるとは。長い事書き散らして、本を脈絡なく乱読した成果が出てきているのでしょうか。 (今目の前にある本は、仏典とウイルスとテズルモズルとミツバチと気象とゴルゴ13) 気が付いたら27作書いているこのシリーズ、また投稿しますね。

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