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【19歳の私が書いた初詩作】だましうち
バカにしている方が楽だからバカな振りをするの あなたの魂胆が見え隠れするからバカな振りをするの うまく騙されているように演じる私はバカな女かしらん? 嫉妬、嫌悪、皮肉、殺意、一口で吞み込んで 忠犬のように尻尾を振るの そうすれば あなたはもっと私のことを 殺したくなるでしょう? もっともっと狂ってよ、めちゃくちゃにしてよ じゃないと何もわかんないよ 私はバカだから、さ 不整脈、あなたを想、うとなる、の ……恋か恐怖か、答えはきっと 後者 トラウマ植え付けたあなたが 勝者 通い詰めた家、2階の角部屋 散乱する マンガ洋服教科書私たち 前戯の前にロシアンルーレット 甘い甘い甘い甘い辛い、私が当たり 夕方5時ムードなんて存在せず響く市内放送 〈試合開始〉本日の武器はネクタイ手錠、それとも素手? 馬乗り私の首あなたの手近づく無表情の目その奥底に映る興奮、 シンセサイザ、食い込む手激しくなる腰食い込む手、手、手 シナプス崩壊、アドレナリン過剰分泌止まりません 今日はあなたの好きなバタフライ、チープなピンクの蝶が飛んでいるの 私も酸素が足りなくて飛びそう、跳べそう、翔ぶ、あ、 シナプス崩壊、アドレナリン過剰分泌止まりません ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 〈試合終了〉あなたの完勝 一人ひとりトイレで泣きじゃくりトイレットペーパーで拭く涙、は無かったことに うまく騙されているように演じる私はバカな女かしらん?
【19歳の私が書いた初詩作】だましうち ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 623.6
お気に入り数: 1
投票数 : 4
ポイント数 : 0
作成日時 2025-10-13
コメント日時 2025-10-18
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


メンヘラの美学、涙に濡れた幸福へ続く道。人に憎まれない人の、愛を求める嘆き。
1精読すべき水準の作品です。またあとでコメントします。
1ひとつの青春
1どんな試合だと思いました。スポーツの試合ではなさそうです。男と女のさや当てにしては過激であるような。試合終了で、あなたの完勝。女が男を立てているだけなのか。何かそこに留まらない、部分を呼んでくれとこの詩は望んでいるような気がしました。
1愛を口にする男(例えば黒髪氏とか)はキモいけど、 それってわたしに対しての反動だったのよね。 いまではわたしのほうがキモい女になってしまったのよ。 口喧嘩が高じて交歓もSMごっこになってしまった。という これはわたしのひとり思い込み。 もう精神錯乱状態一歩手前に取り乱しそうなわたしの状況。 愛憎劇ですな。 こんな状況に陥れば男女の関係も泥仕合。 互いに理由のなすりあい。 ああ、嫌だ嫌だ。 泣かないでわたし。 という状況がよく書けてますね。 男も女も燃え滾る恋愛は、キモい。
1さらに申し訳ない余談だけど、 数も多い女性の詩人。 優れた書き手も居ることは確かだけど、 特に恋愛関係から生じる愛憎劇って女性には得意な分野で、 これを自己保身的に詩的な表現で語らせればさ、 あの室町先生もおっしゃるように スケベな男性の心情もコロって持ち上がるわけで、 たちまち評価も高くなる。 でも、僕はだまされないよ。 キモい関係を表現として語るのは、 あくまでも詩的にキモいのだ。 流行かどうかはべつにして これもポピュリズムの一種なのである。
119歳という若さゆえの破滅願望のようなものが感じられ、参考になった。
1黒髪さんの、「メンヘラの美学」という言葉、とてもありがたいです…… 幸福へ続く道、でありたいですね
0この詩を書いたときは、愛に飢えていました。それは、今もかもしれませんが、男女の試合ごと以上の何か、感情の揺れ動きをかきたかったです。
0男も女も燃え滾る恋愛は、たしかにキモイかもしれませんね。 どちらかがクールでないとそれは長続きしないかと思います。 私のこの詩は、あえて、少しキザっぽい、愛だけで動いてるような(本能的な)感じで書いているなぁと、今、読み返して思いました。(若さゆえのかもしれません)
0未熟で、荒々しく、マテリアルがそのまま放り込まれており、この粗っぽさがそのまま推進力となる。 19歳といえば、なんてったって「19歳の地図」(中上健次)である。 あの「ぼく」の内面にあった言語化以前の透明な衝動が、この「だましうち」にも認められるように思われる。テーマというものはないが、しいていうならばある種の反ヒューマニズムといえるかもしれない。ネガとポジの陰影を巧みに使い分けやたらとエモを全面に出している前作「ブラッサイアの木」とは対照的に、本作では人間そのものの形をいったん解体し、そこに潜む暴力性や、意味の崩壊の瞬間を露わにする。 そこには、美しさよりも生々しい創造の原初性がある。言い換えると、温度が高い。メンヘラ詩を書くには醒めていては駄目で、書き手の精神が実際にメンヘラではなくてはならないのである。ネットの古より伝わる掟である。 「ブラッサイアの木」が完成されたデザインとしての美を志向しているのに対し、本作はそうした完成を拒絶しているのである。むしろ「未完成であること」「構成が破れていること」を根拠に、創造そのものの暴力性を引き受けている。 その意味で本作はニッポン人の凡庸さ、「調和」「完成」「静けさ」といった美学に抗している。日本社会がしばしば見落とす、クリエイティビティの原初性、混沌と衝動の力を、かろうじて実現しているのである。ニッポン人って暗いね! 作者がこの初期衝動を維持できなかったのは、社会的・文化的に成熟や均整を求める圧力が、創造の根源的な荒々しさを覆い隠していく日本的な構造と無関係ではないだろう。 本作「だましうち」は、その抑圧の前夜に残された、創造の野生の痕跡として読むべき作品である。
0性戯と言うのか前戯と言うのか。馬乗り以降の描写は、何か、止まらない、接近性の高さとか、詩語自体が緊密に絡み合ってと言う感じで、緊密性が高いと思いました。
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