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昏々
小雪が舞ふ 獸道をこれでもかといふ程かき分け、羽根をもがれた桃色の小鳥。母親を探してゐる 白栲くぐもる玻璃の戶が 私の顏を覆つた時 私は寢臺にてそつと 亡くなつたのだと氣づいたのだ 遠く幽かに引き離され 獨りぼつちだと なぜだか安心し、頬に傳ふものが雨にかはる時に 私は、大きく息を吐いた 柱時計は午前零時を指し またひとつ 死に近づいたことを確認する 山陰を驅けめぐりいくつかの花を踏む それでまた新たな息吹が宿る、簡單な史は刻まれていく。惡夢のやうなもの いや灰に近いものが、肩に增えていくのを、私はその男の背を追つてゐるやうだつた 懷かしいやうな 饐えた腕も躯ももう、己に近く、それでゐて易しく見守るだけの眼差しに似て、傍らはあいを解く ゆめならば覺めれば良かつたのに、幾度も殺される。いつかときしるす.
昏々 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 451.0
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2025-10-11
コメント日時 2025-10-17
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
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| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


おはようございます。 なんでしょうか、タイトルのように昏々と冬景色の中に引きずり込まれるかのような印象を受けました。 耳元、視界に文が針となり散っていくような感覚を受けました。
05年ぐらい前に書いたものを、だいぶ捻ってここに出してみましたが。何かしら印象や感覚を思い浮かんだようで良かったです、お読みくださりありがとうございます。
0ゆめならば覚めれば良かったのに、幾度も殺される、いつかの時を知る。 柱時計は午前零時を指し またひとつ 死に近づいたことを確認する。 懐かしいような 饐えた腕も躯ももう、己に近く、それでいて易しく見守るだけの眼差しに似て、傍らは愛を囁いた。 それでまた新たな息吹が宿る、簡単な歴史は刻まれていく。悪夢のようなもの。 山陰を駆け回りいくつかの花を踏む。 獣道をこれでもかという程 かき分け、羽根をもがれた桃色の小鳥の、母親を探している。 小雪が舞う。 いや灰に近いものが、肩に増えていくのを、私はその男の背を追って見ているようだった。 遠く幽かに引き離され 独りぼっちだと なぜだか安心し、頬に伝うものが雨にかわる時に 私は、大きく息を吐いた。 白くくぐもるガラス戸が 私の顔を覆った時、私は寝台にて、そっと亡くなったのだと気づいたのだ。
0夢かうつつか。夢幻譚なのか。死期ではなくて、四季や史記ならよかったのに。悪夢の様なものの正体とは。山陰を駆け巡り、いくつかの花を踏む。それでまた新たな息吹が宿る。簡単な史。灰に近いものとは何かと思いました。
0お読みくださりありがとうございます!どうせなら円環的な要素も見えるようもっと組み替えれば、死ではなく詩に近づけばよかったかなと今更おもいましたね。すると、灰に近いものは、春であり、桜の花びらとなるかなと。まあ、雪でも、塵や埃の類でも、あるいは、男のフケかもしれませんけど。悪夢とはそういった存在なのかなと。
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