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june,
インクの切れたボールペンで もう死んでいいと 何度も書いた 夢から覚めると すべての筆跡は雪になり 死体の周りに積もっている 凍えて、 自分の死体を抱えて歩き 歩いて 捨てる場所がない 引きずり、よろけて、ときどき、 死体を捨てられないような狭い土に 星を埋めた 顔面に塗ったしろい絵の具が 乾かないまま、夜を迎え わたしは、小学校に立っていた 当時既に五十代だった 四年生のときの担任が すっかり老けたわたしを見て おお木原か 一目でわかったよ 今から校庭で焼き芋するんだ 君もどうだい と、言った 夢から醒めて 醒めても 夜だった 暑くて、 ベランダに出た 星が綺麗で お腹が とても空いていた
june, ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1078.5
お気に入り数: 1
投票数 : 3
ポイント数 : 0
作成日時 2025-07-01
コメント日時 2025-07-04
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
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| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


こんばんは、 >>インクの切れたボールペンで もう死んでいいと 何度も書いた 誰でもが経験するわけではないですが、経験した人にはわかる類のひりつくような切迫した感覚が沁みる冒頭だなと感じました。
0素敵。 >お腹が とても空いていた とても、良いと思います。 しっかり現実。 死にたくても、 どんな状況下でも、 お腹が空きますよね。 ありがとうございます。
0相変わらず、綺麗で上手いですね。
0最後、お腹が とても空いていて よかったと思いました。 お腹が空くということは生きているということだからです。 ありがとうございます。
0綺麗かなぁ
1タイトルに置かれてある『june,』というのがシュールなイメージに輪をかけて読めてくる。 こういう作品ならば高い技術力も画になる。評価も高いよ、兄ちゃん。 夢のまた夢。とりとめのない夢をみた。ってことだろうけど… ここで扱われる『雪』や『死体』そして『夜』に『星』などは無意識をイメージとして置かれた象徴的な記号だ。 「夢の絵画」として有名な画家ミロは覚醒したまま無意識な夢が描けたという。 奇抜でとても難しい技法だが、~わたしは小学校に立っていた~と、言った。~この作品にもそんなシュールリアリズムを装う非現実感に誘因される。 『詩人の殺害』 自らを含めて詩人という愚者を殺したいのだと思う。 夢のまた夢。どこから現実か非現実なのか。 日常が繰り返された非日常。 high-levelな夢詩。高評価を与えたい。
0※ 余談だけど、久々に刺激のある作品を読んだよ。 これくらいレベルの高い作品ならば、例えば現代詩人会。 もう少しhigh-levelな位置で大勢の評価の眼に晒されてもよい。と思う。 きっと好評は得られるだろう。それくらい技術的にも高い作品だ。
0人間性を無視されてもね。 再度ごめんくさいだが、 たとえ嫌な奴でも人間性云々じゃないところで(イイモノ)は生まれるから 詩とか芸術って、人智を超えた良さがあるんだな。
0アラガイ氏が褒めてくれるとは珍しい
0うむ、なんだろう。いつもなら途中投げやりになって放りだすとこをギリギリでセーブしているところかな。 後半部分、~わたしは小学校に立っていた。当時既に五十代だった~このつじつまの合わない違和感に引かれる箇所が、~おお木原か、一目でわかったよ。~君もどうだい。この突然現れる場面を非常にシュールな幻想美に導いている非現実。ここに唸ったね。これはシュールリアリズムの手法を技術力に会得していないと出せない違和感だ。と思う。
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