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<お互いの欠落を暴き立てる>
子が眠り、 一日が死んだあと ソファーで寝そべる妻 スマホからあふれた光が ぽたぽたと腕をつたい 床につくる水たまり を横目に もずくでご飯を食べる 言いようもないしんどさがあり くしゃみをすると胸が痛い そんな家で 妻には妻の疲れがあり それでも二人は 一緒に寝室へ向かう 蛇口を閉め 戸締り 交互に 指差呼称 妻が寝返りしたあと 子も寝返りする あいだに挟まれて 僕は夢を見ない 生きること丸ごとの 幸福を思う 入江ができるのは 波が絶えず打ち寄せるから
<お互いの欠落を暴き立てる> ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 747.4
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2025-04-22
コメント日時 2025-05-27
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
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| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


いいのですけど、あともうすこしで、たとえばですが長嶋有のような世界観になるかもしれない。そんな不足感も覚えました。この書き方では、子供と妻の顔が見えてこないですね。
0ちょっとわかりにくかったですね。より具体性をもたせていけば、長嶋有の作品世界のような豊かさがありえる、という意味でした。
0>子が眠り、 で、まず句点を打たれているのが、センスが良いなと思います。 スマホの光の部分も、文章から疲れが滲み出ておられます。 >もずくでご飯を食べる 「もずく」というところが良いです。 何とも言えないやるせなさを感じます。 >入江ができるのは >波が絶えず打ち寄せるから この最後の箇所は、人間同士の軋轢やぶつかり合いを連想いたしました。 だからタイトルが、 《お互いの欠落を暴き立てる》 なのかな?と思います。 とても、ことばに対するセンスが良い詩です。 ありがとうございます。
0ありがとうございます。 エクスキューズとしては、エビスではなくスーパードライといいますか、キリッとスパッと俺はカミソリフジサキや!みたいなテンションでクールにまとめようというのが当初の趣向だったため、具体性あるいは生活感の物足りなさがあるのかなと。 とはいえ、二連目なんかはご指摘の点も膨らませつつ、もう少し何とかなりそうな気がしますので、また書き直しをしてみようと思います。 氏の作品は未読なので、これを機会に拝読します。
0ありがとうございます。 句点は意識的に打ったので伝わるところがあったのでしたら嬉しく思います。 タイトルは、河合隼雄との対談の中で村上春樹が述べていた言葉をそのまま引用しています。
0最後の 入江ができるのは 波が絶えず打ち寄せるから という部分にこれまで繰り返してきた日とこれから繰り返すであろう日を思い浮かべました。 幸せを願い、地続きの日常を歩む そんな姿を幻視する一文でした。
0ありがとうございます。 最後の二行は個人的にお気に入りなので着目をいただき嬉しいです。
1“入江”について色々と思いをはせました。家族が一緒の部屋で眠るのっていいですよね。みんなが寝返りをしたり動いたりする夜は波打ちのようで、朝にはその形が入り江のようにくぼんでいたり。でも家族だから、力を合わせてまたもとの形に修復できる。そんなことを思いました。
0ありがとうございます。 温かいコメントに嬉しくなりました。そんな風に読んでいただいて励みになります。
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