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うつくしくでかい屁
ケツを拭くとき おれはロシアの老科学者のように 凛々しい顔をしている ゲロを吐くとき おれはRPG-7のように 世のすべてをうらむ 今夜も うちに帰るやいなや でかい屁をかます まるで年季のあるホールでやる リサイタルように うつくしくでかい屁を すると 隣の部屋から 拍手が聴こえ さらにアンコールまでもらった (ブラボー! ブラボー! ブラボー!) おれは申し訳ない気分になった おれのうつくしくでかい屁は一発かぎりだった 物かげには殺し屋がいた そいつはおれの屁のでかさに心底おどろいていた 「……あんた、……とんでもない屁だな」と殺し屋の冷や汗が絨毯に落ちる 「その気になれば、おれの屁はおまえを貫くことさえできる」おれはそいつの顔を指差し、堂々と言ってやった びびった殺し屋は服を全部脱ぎ ピストルと飲みかけのドクターペッパーを置いて 出ていった 今宵のおれの屁はなんらかの賞に値する 立派な屁だった 後世に語られるべき立派な──
うつくしくでかい屁 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 609.6
お気に入り数: 0
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2024-11-05
コメント日時 2024-11-26
項目 | 全期間(2025/01/16現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
心頭滅却すれば屁もまた涼し... 「その気になれば、おれの屁はおまえを貫くことさえできる」のカマセ感好きすぎます。 投票
1和式に一本糞奏でる際にはどんな顔をするのですかねーコロコロコミック気質の僕は気になってしょうがない詩でありましたよー力ずくの不条理ッスねーコメントつけたくなったんだよー票入れときます!
1屁には発がん性があるらしいです。ただし、屁を出せば出すほど、健康になっていきますね。 それが屁の正義です。
1コメント&投票ありがとうございます!
0コメ&票てんきゅーです!
0コメントありがとうございます。 なんと。 我慢はよくないですね…
1すみません、奥間空さんの詩っていつもこっちに爆進するものがあるなって毎回良い意味で感じてます。でもロシアの老科学者の気高さなんて考えたこともありませんでしたし、たぶんそれは言えば本当はソ連なんだけど、ソ連の科学者と言うとメタルギアのソコロフだって形が決まりすぎているから、だからロシア。だからロシアなのか……という余韻が最後までしました
0「屁」のモチーフを使うことになれば、やはり笑いの方向に行きがちで、それだけに「屁」と「笑い」は親和性が高いと思います。強引に「切なさ」や「哲学」の方向へ書き連ねても、逆に「屁」のモチーフに異化の作用が働き、どうしてもユーモアが発生してしまうのでしょう。どうにか笑いが生まない「屁」の詩を書こうとすれば、つまらない書き物になってしまうのかもしれません。面白く書けてしまうなら、それは凄いこと。そう、難しいんですよね、この「屁」の使い方が。私が「屁」を主題にするなら、ユーモアとは逆の方向へ書けないものかと苦戦すると思いますが、今の私の技術では辿り着けない境地ではあります。それが書けるようになれば、もはや何でも書けるようになれる気がします。あと、ユーモアとギャグの違いは何だろうかと、ふとこの作品を読んで思いました。
0表現がとても面白く、ただのおならからこんな面白い作品に仕上げるというのは、発想力が独創的なのだろうと感服いたしました。
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