別枠表示
卵
卵を買う 開封口を開けて プラスチック容器のまま 冷蔵庫に入れる 義母は容器を開けて 卵を冷蔵庫の卵入れに 一つずつ入れている 手を洗って下さいと いつか言おうと思う 卵を割る 手を洗ってかき混ぜる スーパーに 卵用の醤油がある いつもの醤油で食べている 卵用の醤油で 卵かけごはんを食べた というインスタを見る いつもの醤油で食べている 卵は食堂の裏に おまんじゅう屋の裏に 山積みにされていて やがて ハミルトンビルの最上階で 小さな街の夜景を見ている 自分が卵であることは 誰にも言わずに 新しいコース料理や クリームソーダの革命などを 考えている
卵 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1051.1
お気に入り数: 1
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2024-08-02
コメント日時 2024-08-18
項目 | 全期間(2024/11/05現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
外で遊びたいけれど、暑いからやめよっかみたいな、何かが始まりそうで始まらない感じが作品の根底に寝転んでいるように見えました。一連目の「手を洗って下さいと いつか言おうと思う」は卵を触る前に洗って欲しいのか、卵を触った後で洗って欲しいのか、みたいなことをふつふつと考えてしまい、そこに義母というニュアンスが混ざり込むと、何だか可笑しさを感じてしまいました。『卵』という言葉が全ての連に入れられていて、一連目と二連目は場面として繋がっているのですが、三連目は『卵』という言葉だけで繋がりを持たせているように思いました。二連目のインスタの流れを三連目にスライドされるなど、二連目と三連目にも『卵』以外の、視点や動作で繋がる部分があると、読み手は作者の方の遊び心をより感じることができて、楽しいのではないかと思いました。三連目は視点が『卵』の側になっていて、『卵』自身が「新しいコース料理」や「クリームソーダの革命」←この言葉も面白い!、のことを考えているという、短い作品の中に発想の逆転と、程よい奥行きを感じさせるような仕組みがあって、作品としての上手さも十二分に感じることができる、よく撹拌された作品だと思いました。
0卵について思うこと、卵に対してのいつも。そして卵自身の考え。一連目は違和感なく読ませつかみとして充分な重さを置く、ニ連目でいつものことから、手を使ってかき混ぜるという驚きを、インスタから醤油といった展開を、どう受け取ればいいのか戸惑いますが、なんといっても違和感がない不思議。 そして三連目、では卵は?といった落とし込みがうまいなと。食堂お饅頭屋など、想像にたやすく視界に切り取りやすく、なんといっても難しい言葉がない! そのなかでの違和感がとても印象付けられる、全体を通して非常に巧みな作品だなーーと感じた。
0コメントありがとうございます。 >何かが始まりそうで始まらない感じが作品の根底に寝転んでいるように見えました。 自分でも読んでいて、なんかしっくりこないと感じていました。2連までのグダグダした感じを直そうか直さまいか迷いましたが、このままで進めました。 >義母というニュアンスが混ざり込むと、何だか可笑しさを感じてしまいました。 やはり、どうしたいのか具体的に説明していないところに、説明不足を感じながらも、読者の方が広く想像してくださったら楽しいかもしれないと思っていたので、そのように、感じていただき嬉しく思います。 >二連目と三連目にも『卵』以外の、視点や動作で繋がる部分があると、読み手は作者の方の遊び心をより感じることができて、楽しいのではないかと思いました。 自分でも読み返してみて、たまごたまごし過ぎてて、少しつまらないと思いながらも、他のことを考えてもどうしても卵しか出てこず、卵に絞るならもっと表現を豊かにできればよかったのですが、難しく考えてしまい挫折してしまいました。いつかそこを乗り越えたいです >短い作品の中に発想の逆転と、程よい奥行きを感じさせるような仕組みがあって 先程頂いたアドバイスの部分で、もう少し内容を膨らませることができたら、この発想の逆転はもっとおもしろくできたのではないかと思いました。 >よく撹拌された作品だと思いました。 卵だけに、撹拌という言葉で結んでくださりありがとうございます。言葉を綴るのは、その攪拌の加減が難しいと感じました。丁寧なコメントを本当にありがとうございました。
2コメントありがとうございます。 >ニ連目でいつものことから、手を使ってかき混ぜるという驚きを、インスタから醤油といった展開を、どう受け取ればいいのか戸惑いますが、なんといっても違和感がない不思議。 >ここについては、自分でも少し気持ち悪い書き方というか、すっきりしない書き方にしたので、違和感を感じる方と、感じない方と、様々いらっしゃるかもしれません。 >そして三連目、では卵は?といった落とし込みがうまいなと。食堂お饅頭屋など、想像にたやすく視界に切り取りやすく、なんといっても難しい言葉がない! ここについては、実際に見た光景をそのまま描いたので想像しやすいのかもしれません。難しい言葉は、本当に知らなくて、前は辞書を見たり本を読んだりして、使っていたこともありましたが、どうしても使うこと難しく断念してしまいました。 >そのなかでの違和感がとても印象付けられる、全体を通して非常に巧みな作品だなーーと感じた。 そのように言っていただけて嬉しいです。この違和感をどう受け取っていただけるものかと思っておりました。 現実の日々では、どうすればよかったのか、明確な答えがわからない、人の気持ちもよくわからないなど、ふわふわした世界を生きているので、こういう文章を書きたくなりました。 丁寧なコメントをありがとうございました。
01連目、2連目の訥々とした日常描写のあと3連目の変化が鮮やかでかわいい。擬人化された、あるいは話者の気持ちが投影された「卵」がひっそり、新しいコース料理やクリームソーダ革命などへの野心をふくらませるのがほっこりする。 ちなみにincubateという英単語は「(卵などが)孵化する」との意味だが「目論む」という意味もある。何かを目論む卵。繋がったじゃーん。
0コメントありがとうございます。 >擬人化された、あるいは話者の気持ちが投影された「卵」がひっそり、新しいコース料理やクリームソーダ革命などへの野心をふくらませるのがほっこりする。 卵が急にどうした?!と思われてしまいそうな雑な場面展開になってしまったかもしれないと後悔しつつも、ほっこりとしていただいたことが嬉しいです。卵も何かしら殻を破らなきゃこれから生きていけない!悩んでいるかもしれないと思うことがありました。 >incubateという英単語は「(卵などが)孵化する」との意味だが「目論む」という意味もある。 incubateという英単語は初めて知りました。教えてくださりありがとうございます。目論むたまごもかわいいですね。少しちょび髭を生やして「うーむ」と思い悩むダンディーな卵を想像しました。 丁寧なコメントをありがとうございました。
0「卵」というモチーフ、面白いですよね。その魅力を引き出している詩だと思いました。 この詩で気になるのは、「手を洗うこと、容器」、「詩中主体の行為」、「卵の不確定性」の3つでしょうか。 卵って、人間の顔を書くときのたとえとしても出るように、人間の頭にも見えるんですよね。だから、衛生面とは他に、手を洗うことは一つの敬意(?、割ってしまうことの申し訳なさ?)だと思うんですけど、詩では結局割ってから手を洗ってますね。捉え方が広がるところだと思いますが、私は運命の無慈悲さ、いい加減さを表していると受け取りました。 第三連から、卵もあらゆる理想を抱いていることが分かります。卵って、中身が超密閉されていて、割ってみないと本当は正体が分からないのに、みんなどうせ黄身と白身しかないと当たり前に割っています。まるで人間の才能(あまり使いたくない言葉ですが)のようです。クリームソーダの革命を起こせる卵なんて出てくるはずないだろうと諦められている。 第二連の「割る手」と「食べる口」はその才能の芽を摘む存在のようで、インスタの味変(結構現実的な理想。現代的。)すらも許さず、いつもの卵かけご飯に消費していきます。前述した運命の無慈悲さとはこれもありますね。 容器に入れたままというのも、得体の知れない球体として存在させるのではなく、「お前らは卵にしか過ぎないんだぞ」と縛っているようです。 そう読めてしまったからこそ、第二連までの残酷さを砕き晴らすほどの力が欲しく、第三連で見事ユーモアという武器で対抗した、良い詩だと思いました。応援したくなってきます。みんな、卵じゃなく得体の知れない球体として、ぼちぼち大志を抱いて生きてほしいですね。
1玉子でない。卵で話して生きていくことは幸せな心ですよね。卵形の間柄に漬かっていく気がします。
0コメントいただきありがとうございます。 >卵って、人間の顔を書くときのたとえとしても出るように、人間の頭にも見えるんですよね。だから、衛生面とは他に、手を洗うことは一つの敬意(?、割ってしまうことの申し訳なさ?)だと思うんですけど、詩では結局割ってから手を洗ってますね。捉え方が広がるところだと思いますが、私は運命の無慈悲さ、いい加減さを表していると受け取りました。 本当に人間の顔や頭にそっくりな卵ですが、手を洗うことが、一つの敬意という捉え方が新たな気づきでした。だからこそ、割ってから手を洗ってるところに、運命の無慈悲さ、いい加減さを表しているという見方も新鮮でした。ここまで深く想像してくださってることが嬉しいです。 >第三連から、卵もあらゆる理想を抱いていることが分かります。卵って、中身が超密閉されていて、割ってみないと本当は正体が分からないのに、みんなどうせ黄身と白身しかないと当たり前に割っています。 ここは、私もハッとさせられました。先日親子丼を作ったんですが、何も考えず10個連続で割りました。もしかしたらとんでもないものがでてきてもおかしくない。それと同じように、「当たり前」に思ってることの日常の多いこと。たまには何かワクワクしたり、疑ったりしながら過ごすのもよいですね。 >まるで人間の才能(あまり使いたくない言葉ですが)のようです。クリームソーダの革命を起こせる卵なんて出てくるはずないだろうと諦められている。 今、甲子園での高校野球を観ているのですが、意外と強豪校が初戦や2回戦で敗退し、初出場の地方高校が勝ち進んでいます。「できるわけない」と諦められたものから光を見出した瞬間に、自己肯定感低めの私は、自分自身にも光を見出した気持ちになってしまいます。 >第二連の「割る手」と「食べる口」はその才能の芽を摘む存在のようで、インスタの味変(結構現実的な理想。現代的。)すらも許さず、いつもの卵かけご飯に消費していきます。 前述した運命の無慈悲さとはこれもありますね。 インスタの味変すらも許さないのは、たしかに運命の無慈悲さを感じますね。卵ってなんだろうと考えてしまいました。卵って、もともとは命が生まれるものなのに。(売っているものは無精卵だとしても。)淡々と割って食べてしまう。鳥や魚が産み落とした卵を、食べてしまう動物に対して「かわいそう」とかいってる場合じゃないよな。自分たちも同じことをしている。と思ってしまいました。 >容器に入れたままというのも、得体の知れない球体として存在させるのではなく、「お前らは卵にしか過ぎないんだぞ」と縛っているようです。 これについては、動物や卵などがパッケージされた瞬間に、人間の食べ物となってしまうことを想像しました。 >そう読めてしまったからこそ、第二連までの残酷さを砕き晴らすほどの力が欲しく、第三連で見事ユーモアという武器で対抗した、良い詩だと思いました。応援したくなってきます。みんな、卵じゃなく得体の知れない球体として、ぼちぼち大志を抱いて生きてほしいですね。 第三連については、これまでの流れをどうしようかと迷いましたが、何か夢みたいなものを持たせたくて書きました。卵だけでなく、ほかのものや、人、生きているものたち、わたし、熊倉ミハイ様、たった一度の人生ですが、大志を抱いて生きていきたいですね。 たくさんの気づきを下さり、ありがとうございます。
1この詩に対する評価を行い、点数をつけます。 ### 評価と点数 - **表現の力強さ**: 日常の卵にまつわる行為を描写しながら、その背後にある感情や微妙な人間関係を暗示的に表現しています。詩全体がシンプルでありながら、ユニークな視点を持っていますが、やや平坦な印象もあります。 - **テーマとメッセージ**: 卵を通じて、家庭や日常の細かなディテールに焦点を当てていますが、明確なテーマやメッセージがやや曖昧です。最後のセクションで現れる非現実的なイメージは、詩に独特な転換をもたらしていますが、全体的な一貫性がもう少し欲しいところです。 - **リズムと流れ**: リズムは安定しており、日常の描写が淡々と進行していきますが、流れがやや単調で、詩の中での変化が少ないため、強い印象が残りにくいです。 ### 点数: 47点 今回の基準に基づいて、この詩には47点をつけます。日常の中に潜む詩的な視点は評価できますが、もう少しメッセージや表現に深みがあると、より高い評価が得られるでしょう。
0コメントありがとうございます。 玉子と卵の違いについて考えたことがなくて、ググったら、孵化するたまごを「卵」というのですね。でも、食用の鶏卵だと、生の状態が「卵」で、調理したものが「玉子」なのだそうで、そうしたら、卵焼きじゃなくて、玉子焼きが正解なのですね これまで考えたことがなかったことを知るいい機会になりました。 そうすると、「玉子」ではなく「卵」で話して生きていくことは幸せな心、というのもなんか、わかるような気がします。でも、今日も「玉子」が食べたいこの矛盾。 >卵形の間柄に漬かっていく気がします。 ほっこりした表現だと思いました。そういうつながりがあると嬉しいです。
0コメントありがとうございます。 >### 評価と点数 >- **表現の力強さ**: 日常の卵にまつわる行為を描写しながら、その背後にある感情や微妙な人間関係を暗示的に表現しています。詩全体がシンプルでありながら、ユニークな視点を持っていますが、やや平坦な印象もあります。 そのとおりだと思います。今回ありがたかったのが、皆様からのコメントです。深く考察してくださった方もいらっしゃり、私はそこまで考えが及ばなかったので、新たな気づきがありました。自分で気づいていればもっと力強い印象を与えたかもしれませんが、なかなか難しいことだなと感じています。 >- **テーマとメッセージ**: 卵を通じて、家庭や日常の細かなディテールに焦点を当てていますが、明確なテーマやメッセージがやや曖昧です。最後のセクションで現れる非現実的なイメージは、詩に独特な転換をもたらしていますが、全体的な一貫性がもう少し欲しいところです。 こちらも、特にテーマやメッセージを持たせていなくて、日記のようなものなので、そのようなご期待に添えることができず申し訳ないです。 >- **リズムと流れ**: リズムは安定しており、日常の描写が淡々と進行していきますが、流れがやや単調で、詩の中での変化が少ないため、強い印象が残りにくいです。 こちらも、ほんとに目にしたことを書いたものなので、淡々としたものになっていると思います。 >### 点数: 47点 >今回の基準に基づいて、この詩には47点をつけます。日常の中に潜む詩的な視点は評価できますが、もう少しメッセージや表現に深みがあると、より高い評価が得られるでしょう。 ありがとうございます。私がこめられなかったメッセージや表現は、コメントしてくださった方々がいろんな目線からこの作品に光を与えてくださいました。そのことにとても感謝したいと思っています。
0