権力の背中で嗅ぐ匂い - B-REVIEW
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権力の背中で嗅ぐ匂い    

権力の肌に嗅ぐ匂い 権力に身を委ねたかった。官能的権力の抗いようのない力で体に腕を回され、押しつけられた胸に顔を埋め権力の匂いを嗅いでいたかった。  そこはいつでも湿っている。甘い匂いがする。怯えさせ、手を取り足を取り、縛り上げて内と外から支配する。愛と称する暴力。  思い返せば意識の一部は、いつもそれを渇望していた。何も考えられなくなる。頭の中心がぼやけた空洞になり、日常を形作るルーティンの文脈が乱れ、心身の構造が理性的統一体の実質をなくす。  人として統一された構造体の形式だけが残り、止まった時間感覚の中で人らしい体裁がかろうじて取り繕われている。権力の腕の中の快楽によって人が人と定義される形式になる。  権力の背中に蜘蛛の刺青が描かれている。漆黒の艶を持った蜘蛛。まるまると太った蜘蛛だ。蜘蛛の八つ目は背中から世界を見ている。支配している。  権力がナイフを執って決定的な暴力の執行に及ぶときも、八つの目は行為の裏側で静謐に世界を監視している。  悶える。心身が悶える。桜色に悶える。  最後に蜘蛛の目が見たのは、ひと気ない海岸の風景であった。破片が散乱した砂浜。  使いかけのボールペン。  菓子パンのビニール袋。  乾いた食べかすが付着したポリエステルのパッケージ。  変色した服、破れていた。  裂かれていた。  腐敗し崩れた肉片。  動物の骨、人間の骨。  欠損のない骨、折れた骨割れた骨。  骨片、骨粉。  権力は現象であった。取り巻くものの総てが惹起する現象であり、取り巻かれるもの総ての実質に対し生滅する時間の様態であった。だが、だからこそ権力の匂いを思い出すと、口中に自然と唾が生じ、それがほころんだ唇の端から洩れてつうっと糸を引くこともある。美しい。


権力の背中で嗅ぐ匂い ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 9
P V 数 : 1723.5
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 52

作成日時 2020-01-02
コメント日時 2020-01-26
#テキスト
項目全期間(2024/04/20現在)投稿後10日間
叙情性128
前衛性33
可読性105
エンタメ30
技巧147
音韻22
構成80
総合ポイント5225
 平均値  中央値 
叙情性2.41
前衛性0.60
可読性20
 エンタメ0.60
技巧2.83
音韻0.40
構成1.60
総合10.46
閲覧指数:1723.5
2024/04/20 00時12分18秒現在
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    作品に書かれた推薦文

権力の背中で嗅ぐ匂い コメントセクション

コメント数(9)
右肩ヒサシ
(2020-01-02)

久しぶりに時間を掛けて書き、それなりに推敲したつもりです。 あえて人称を総て取っ払い、「権力」という語だけを残しましたが、何か僕の思っている以上のことを感じてくれると嬉しいです。

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mud man
(2020-01-02)

社会の中で、暴力は語ることを許されません。その暴力という極地的な行動は特に恋愛関係においてはとても人間的と言えます。この詩で本当に美しい物は暗がりに存在するのだと再認識させられました。

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エイクピア
(2020-01-02)

>権力の背中に蜘蛛の刺青が描かれている。漆黒の艶を持った蜘蛛。まるまると太った蜘蛛だ。蜘蛛の八つ目>は背中から世界を見ている。支配している。 ここがいかにも「権力」と言う感じで、昆虫ではない蜘蛛が昆虫を捕食する客観的事実、イメージと相まって権力の権力性を象徴しているように思いました。

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右肩ヒサシ
(2020-01-03)

Snowmen911Snowmen911 さん、コメントありがとうございます。 これは権力という抽象を抽象のまま文脈に投げ入れてあるので、どう読んで下さっても正解であり、間違いというものはありません。ドメスティックバイオレンスについては勿論意識しています。でも加害者と被害者という二項対立の図式にはならないようにはしています。 「社会の中で、暴力は語ることを許されません。」とありますが、民主党政権時代に自衛隊を「暴力装置」と発言した政権関係者が右派から糾弾されたことがありました。国を守るために命を張っている隊員たちに対して「暴力装置」とは何事か、と言われ謝罪に追い込まれたのですが、隊員の人格や隊員の正当性とは全く別な部分で、警察も自衛隊(軍隊)も、権力の執行のための暴力=強制力を背負わされていることには間違い在りません。むしろ権力者が、権力というものの危険性を意識しないことのほうが問題ですよね。 そういう権力の問題を人間にとっての究極のプライバシーの場において見ているのが今作です。性的倒錯の要素も入れました。 美しさにも後ろ暗い美しさがあります。権力者の振る舞いの隠喩ではありませんが、文脈の許されない筈のブームに

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右肩ヒサシ
(2020-01-03)

エイクピアさん、コメントありがとうございます。 蜘蛛は権力の比喩として付きすぎかも知れませんが、刺青の蜘蛛としたところで、ちょっと離せたかなとも思っています。 エイクピアさんのおっしゃるとおり、実在の蜘蛛の存在が象徴性を引っ張り込むくらいのものが書けたらいいのですが。

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mud man
(2020-01-03)

右肩ヒサシさん  なるほど確かに権力や立場が上がると人は共感能力が下がるという論文がいくつか出ていますので権力者がその強制力を認識することは難しいことですが重要なことですよね。私は政治的視点の社会という意味ではなく地域や町やクラスのような肩書きに大した差異のない共同生活者に同士で暴力という措置を取った場合に弁解の余地は与えられないという意味です。いずれにしろ色んな様々な解釈ができる好きな作品です。

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右肩ヒサシ
(2020-01-03)

Snowmen911 さん、返信ありがとうございます。 昨日は眠いところを急いで書いたので、コメントの最後が尻切れ蜻蛉になっています。おまけに読み直しても、続きに何を書こうとしたのか思い出せません。「ブーム」って何だろ?……?? 権力は運動暴発のような短絡的な暴力ではなく、システムとして暴力を備えるんですね。家族の関係や地域社会でも、権力の振るう暴力は常に一方的です。ただし、その根源はやはりすべての人間の本能にある暴力衝動だと思います。 権力を振るわれる側にはまだ救いがあるけれど、たまたまそういうものを手にしたときこそ人は自戒しなければいけませんね。

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るる
(2020-01-22)

エロティシズムを感じました。冒頭で、官能的権力という強い言葉で読者を殴打しておられるのに、私の感想ときたら「エロティシズムを感じました。」なんという素直すぎる感想ともいえないコメントは、なんなんだ。と、自分でも思うのですが エロティシズムを感じました。 この詩で私が好きだったのは、話者の視点です。権力者の視点ではなく、権利に 身を委ねたかった話者の視点で書かれているところが、好きです。歴史上の本当に権利を持った人々の場合ならば、自分達の権力をライオンや薔薇といった 見るからに美しいものとして 掲げてきたのでずか、この詩の権力はセクシィです。そして、グロい。 この詩は、権力を客観的に捉えているところがクールで、惹かれました。中心人物の背中に蜘蛛の彫り物も まがまがしいですね。彫り物の視点も闇を感じます。闇と同時に、グロいものに惹かれる人間の実相を魅せつけられた気がします。

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右肩ヒサシ
(2020-01-26)

るるりらさん、こんにちは。返信に気づかず遅くなりました。すみません。 「エロティシズムを感じました。」という宣言がいいですね。それも「官能的権力という強い言葉で読者を殴打して」いるという「本質」を捉えた上でのことなので。 権力とその支配に置かれるものとの性的な関係にも似た気持ち悪さを揶揄したと捉えてくれていいんだけど、雌蜘蛛に食われる雄のような蕩然としたエクスタシーが被支配層には確かにあると思います。救いようがないですね。もちろん僕もその「被支配層」の一員です。

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