彼女と初めて出逢った日
付き合うことになるあの日
彼女は寒さに震えてて
上着をかしてあげたんだ
「これもうあたしの!もらったからね!」
って、いたずらに笑う彼女
よほどお好みだったのか
返すつもりはないらしい
どんな服でも似合う彼女は
俺の上着さえ着こなして
俺より似合う…と苦笑い
まぶしかったの覚えてる
お店に入って脱いだあと
ずうっと掴んで離さない
最初はあげるのイヤだった
でも、そんな姿に愛を感じた
しかし、彼女はその日以降
一度も袖を通さない
実は好みじゃなかったからか
大事にしておきたかったからか
離れ離れになった今
考えても、もうムダだけど
いきなり連絡手段を絶って
なんにも言わずに消えた、キミ
あんなに大事にしてたのに…
って、心のどこかで泣いていた
だけどそれすら届かない
あの日のふたりに戻れない
思い出すのが辛いから
逃げ出したのわかってるから
楽しかった思い出ごと
上着と一緒に捨てたんだ
風の冷たい夜の街
ふたりで歩いた帰り道
きっといつかは思い出す
あの日の上着のぬくもりを
初めてデートに着ていった
お気に入りだったあの上着
もう二度とは戻ってこない
大好きだった俺の上着
作品データ
コメント数 : 4
P V 数 : 533.5
お気に入り数: 1
投票数 : 1
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作成日時 2025-09-06
コメント日時 2025-09-09
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
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| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
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| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
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2025/12/05 19時55分36秒現在
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こんばんは、 >>しかし、彼女はその日以降 >>一度も袖を通さない この連で転調といいますか、詩の雰囲気がビターの予感に変わっていくのが好みです。 この詩の「彼女」はリセット症候群のような影があるように僕には見えました。 >>きっといつかは思い出す >>あの日の上着のぬくもりを これは、双方の心模様あるいは彼の側の祈り、とも取れるのが切なくて。
1悲しみに、よく向き合って詩にされたな、と思いました。上着ひとつに、愛情の後がある。詩にする、ということは、物事を対象化することでもあると思います。
1上着を貸してあげたんだ 魂 否 スピリットはものに憑いて その憑いたものを唯一無二のもの に変える。そういうプロセスが手に取るように分かる作品。
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