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二本足の人間
Excel開いてVLOOKUP関数で失せ物探しをするも 検索値と範囲は分かるが列番号は不明 完全一致なんてあるのかな 世の中曖昧で済ませたほうがジェネリックを見つけられるよ 東北の限界集落に棲む女は、今日もまた山百合を掻き分け山菜を摘み 山手線の内側に棲む女は、Francfrancでドライフラワーを買う 海を越えた先では見知らぬ男女が 断崖絶壁から今にも身を投げようとしていて さながらクリムトの接吻のように 美しい一枚絵の中に閉じ籠っている ゴオゴオと海風鳴る崖の上 その額縁の中だけはグレゴリオ聖歌が流れている 或る男は彼らの情死を阻止する為に奔走 しているように見えて実際は 彼の体で人差し指だけが半径3センチの範囲で西へ東へ 死にたいの! 死なないで・・・ 死にたいの! 死なないで・・・ 山鳩の鳴き声みたいに繰り返される演劇調な台詞に 通りがかりの漁師はうんざり溜息をつき 舌打ちしながら慣れた手つきで雑に緞帳を下ろす 結局男はグルーシェニカに裏切られ 昨晩 夕飯を食べ損ねたらしい 此処にいる中小企業のOLは なんでもない顔をして最果ての職場へ出社し 煙草と排ガスの臭いがする言葉が降り積もる画面を朝一番に掃き掃除する 駅前の青山フラワーマーケットで買った花を会社の花瓶に生けて ブレンディスティックの抹茶ラテを啜りながらオフィーリアごっこをするのは流石に傲慢かな くだらない思想で汚れた尻を拭くのは質の悪い再生紙にしよう 一度自分の股座に手鏡を突っ込んでご覧になりなさいよ 情けない姿を笑ってあげる でもそれだけ 助けてなんてあげないから 軽い気持ちでふらっと深夜徘徊に出かける人なんて大嫌い 勝手に部屋を抜け出しておいて 月が綺麗なことさえ教えてくれないなんて 私には 世の中にある美しいものを ひとつでも多く教えてあげるべきでしょ その美醜について考えるのは此方の仕事で 兎に角沢山掻き集めるのが其方の仕事なんだから とりあえず今のところ 本物の餅も、絵に描いた餅も、 どちらも同じくらい好きだけど 私 夢なんか見てないし 板の上になんか立ってない “O Romeo, Romeo!wherefore art thou Romeo?” ロミオはウィリアム・シェイクスピアが書いた戯曲に登場するキャラクターです。 “Hi, everyone!Welcome to Tokyo DisneySea!For your enjoyment, Tokyo DisneySea will be opened until 10pm.” オリエンタルランドの株価は今日も高値で取引されました。
二本足の人間 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 754.9
お気に入り数: 0
投票数 : 3
ポイント数 : 0
作成日時 2025-08-19
コメント日時 2025-08-23
| 項目 | 全期間(2025/12/06現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


タイトルが「二本足の人間」。 これは、スフィンクスの問答から来ていて、 赤ちゃんと老人を除いた「人間」を描いているのだと考えれば、 その章が、何歳くらいの人間を描いているのか?と当て嵌めたら、更に興味深い詩だなと思いました。 もしかして、 >オリエンタルランド 以降は、AI でしょうか。 そうだとしたら、 AI を次世代の人間と捉えているのかな?と思いました。 とても、理知的に組み上げられた詩だと思います。 ありがとうございます。
1こんばんは、 >>軽い気持ちでふらっと深夜徘徊に出かける人なんて大嫌い >>勝手に部屋を抜け出しておいて >>月が綺麗なことさえ教えてくれないなんて この連がなぜかものすごくすきです。 僕はこの文を見て、にこやかな気持ちになりました。 ありがとうございます。
1即座に感じ取れるのは、「年収1000万への道」みたいなくだらないもの(おじさんのファンタジー)に対する蔑視といえばいいでしょうか。とはいえ、王道のファンタジーに逃避する気もないようで。まあ、等身大ということでしょうけれども、ほとんどの日本人がそれしか選択肢がありませんが、口でいうほど、それを書くのは簡単なことではないと思います。力作でした。
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