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Bの裏山に棲息するクマさん
国内の熊害が深刻になっている。昨年は百数十件もの被害が出ており、内5名は死亡している。そして今月12日に起きた、北海道福島町での凄惨きわまりない熊害事件... 熊害と聞いてパッと思いつくのが福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件である。熊の狂暴さをこれでもか!と詰め合わせたような事件であった。 熊は北海道や東北の山奥に出没するイメージがあるが、最近では住宅地にも侵出し、家の庭先にも出没するようになった。そのため、都市部で熊との遭遇が懸念されるようになり"アーバン・ベア"という言葉が生まれた。このような状況下では、子どもたちは、おちおち登校もできない。もはや他人事ではなく、すべての人々に影響が及ぶ蓋然性がある。 これまで対策はおもに山間部など非居住地での実施が中心で、市街地の人々の生活を脅かすという想定はあまりしてこなかったはずだ。このような新たな現実を受け、最近では熊を人里から遠ざけることを目的とした取り組みが行われている。 その一環として、まずは捕獲した個体に追跡装置をつけて監視する。これにより、その行動範囲を把握することができる。もし市街地に近づきすぎた場合は、追い払うなどの施策がなされる。熊も徐々に順応し、山の方へ退いていく。命がけの仕事である。 たまたまみかけた動画(なにかのニュース特番の切り抜き)で、熊害にくわしい大学教授が、熊との共存のあり方について議論し、人間の生活圏とクマの生息域を棲み分ける「ゾーニング戦略」を立てる必要性を説いていた。人里に近づきすぎないように緩衝地帯を設けるのである。 もっとも、すべての個体にこのような「行動療法」を実施するのは容易なことではないし、熊だって、山の自然生息地が減少すれば、餌がなければ、必然的に都市部に下りてくるだろう。そのため、このような”なまあたたかい”やり方の有効性には若干の疑問が残る。 後日、もそっと調べて、いろいろわかったことなのだけど、熊害が激増した根本原因は、生態系の破壊であり、たとえば熊の餌であるドングリの木を増やせば解決する云々という単純な話でもないらしい。生態系を壊さないバランスで、山野の維持管理を徹底することくらいしか、本質的なソリューションはないのだけど、いずれにせよ、莫大なリソースが必要となるだろう。 あと、これはごく個人的なお気持ちだが、最近この「ゾーニング」というワードにキナ臭いカオリがするのである。モニターの前でくつろいで見ていたのに、突如現実に引き戻されたような生々しい感覚があった。この話、ウェブの方々でおこなわれている「ゾーニング」と一体何が違うんだろう?と。 なぜだか自分も裏山の熊になった気分である。
Bの裏山に棲息するクマさん ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 604.8
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2025-07-20
コメント日時 2025-07-22
| 項目 | 全期間(2025/12/06現在) | 投稿後10日間 |
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| 叙情性 | 0 | 0 |
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| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


真面目な論文を読んだような気分になりました。熊森の必要性は、万人が認めるところです。 共生の時代。
0こんばんは、フォーゲル部の事件は初めて知った時、吃驚しました。熊は執着心がものすごいらしく彼らが興味を示したものは無理に奪い返したりしないほうが良いと。 ラスト一文、興味深いです。
0黒髪さん、昨日、福島町役場に鬼クレームをいれてきたクマ。ここ最近、SNSで熊ヘイトが巻き起こっていて迷惑しているクマ。熊のものは熊のもの、オマエラのものも熊のもの!
0ぼんじゅーるさん、フォーゲル部事件は完全に学生たちに落ち度があって、熊はなにも悪いことしてないですからね。熊を殺すな!
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