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世界で最も可哀想な木
彼らは美しい。たおやかで、かすみががった色彩。木肌は紫が買った艶やかな色で、神様がいたずらをしたようだ。ソメイヨシノ程美しく人の心を鷲塚むものは、他にあろうか。 あるものは河川敷に、あるものは卒業の記念日に、あるものは並木道に花を咲かせている。蕾がゆっくりと解け、やがてビンク色の蕾が開き、夜風と共に花開く。散り際は潔くはらはらとも、春の風に激しく舞いちろうとも、残った仲間に別れを告げていく。あぁなんと美しかろう。 しかし彼らは世界で1番可哀想な木だ。継木でしか子孫を残せず、実がなっても芽になることは無い。30歳になると衰え始め気のあちらこちらに病がはびこる。人はこれを取り除いてやらねばならないが、人は非情なので美しい所しか見ない。ソメイヨシノは40歳ほどで寿命を迎えてしまう、樹木で最も短命な木だ。中心から腐り始め、最後にはやっかいものとして切られてしまう。 人はなぜ残酷なのだろう。美しくても醜くても、人は素直に残酷になれる。それが私たちの宿命なのか。そもそも街路樹は成長後のスペースを考えずに植えられている。ただ人間を楽しませ、景観のために。桜は語り掛ける。はらはらと。はらはらと。お前たちはなにものなのかと。
世界で最も可哀想な木 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 788.2
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2025-04-19
コメント日時 2025-04-22
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
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| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


初めまして。 えっと、冒頭。 ソメイヨシノの木肌など見たことないので、 できれば、 >ソメイヨシノ程美しく人の心を鷲塚むものは、他にあろうか。 ここから始めてもらいたいな、 と思いました。 二連目。 私はソメイヨシノの哀しさは、クローンであることだと思っています。 だから、一斉に咲き、一斉に散ります。 けれど、始まりは、たった1本の木。そのたった1本から、ずっと代々引き継がれ、植え広がったのは、みんながどれほどソメイヨシノを愛していたか、という証拠なのではないでしょうか? 寿命は80年だと聞いております。 私の知ってる所のソメイヨシノは、河川敷なのですが、伐られることもなく天寿を全うしてるみたいです。 三連目。 >人はなぜ残酷なのだろう。美しくても醜くても、人は素直に残酷になれる。 この部分は、一面的真実なので良いと思います。 ただ、ソメイヨシノを用例に用いるのは、 如何なものか?と思います。 街路樹は残酷な扱いを受けていますね。 街路樹が植えられているのは、第一に地震災害での延焼を防ぐ防火の為です。 せっかく枝葉を繁らせても、落ち葉が面倒なのだと思いますが、 枝葉は無惨にバッサリ伐られてしまいます。 あと、一連目の「ビンク色」。 誤字ですか?故意ですか? 自説を展開するときは、 物事の一面だけを見て展開するのは如何なものかと思いました。 ありがとうございます。
0樹木の語る愛と、それを受け止めつつも完全には樹木のことを考えてあげられない人間との、 関係といったことに思いをはせました。残酷な人間は、自分尺度で物事を考えがちでしょうが、 SDGsといったスローガンがあるように、自然と人間は、元々仲間です。
0人間の残酷さ的なものが感じ取れますね。 そもそも、自分が良ければすべて良しと考える人がおおいですから…
0北海道から返詩を。即興で。 彼らは ただ生える ソメイヨシノが枯れる 北の地 エゾヤマザクラも未だ咲かず 油断すれば 雪の六花が乱舞する そんな時でも フキノトウは頭を出す 山に 川に 庭に 土手に 雪捨て場に ただただ何の感情も抱かず 春になった その時を感じ取り そこかしこに 生え 咲き出す 誰も見ない 誰も気にしない ただただ緑の 地味な頭を突き出す 蹴られ 踏まれ 物好きが持って行って 熱を加えて 食い散らかす 残酷は残酷でも 今この春の時 やれる事は咲き乱れることだけだ 自らに課された 義務をこなし 新たな命を 紡ぎ出す 人のことなど気にはしない この命の手に届かぬ事を 気にして 何になろうか フキノトウはさらに花咲き 茎を伸ばして 大きくなる
1昨今DNAから絶滅種を復活させようとする技術も盛んに研究されていますが、虚しく感じられてくるのは否めません。これも納得させられる詩想ですね。
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