月の恋文
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Rabies
それは轢死した それは葡萄だった 検視調書にもそう書かれてある 蝸牛の殻の中に引き篭っていた偶然は ずぶ濡れの雨音に水分の充満を助けられ くらげは泣きながら 私も生きると言った 死体の山がこっちを見つめている 死体の山でも蛆虫にとってはご馳走の山だ 土葬された空はすぐに掘り起こされ 数え切れない数の鳥にもてあそばれる 嵐がやがては葉の上を転がる一滴の雫になって 水溜まりの中へ綺麗に飛び去った 火はどこにある？ 灰まみれの暖炉から拾った熱い言葉で びっしりと膨らんだ蛭のような固定観念を その石頭全体から剥がしてやろう 燃える部屋を心の奥にしまい込んだ 詩人が全員業火に焼かれる 写真から飛び出した拳銃が床で魚のように跳ねるとき 手を伸ばした指先に現実が引っかかっていた 黒い下着の中に隠れた愛の存在を手探りで探していよう 雄しべを失ってもたれる蝋燭の老化現象 開かれた胸から聴こえる命の音楽に震えながら 喉が渇いてひくつく傷の上に コップ一杯の唾液を注ぐ 噴水が水を拒絶した 狂い出した一篇の詩に噛まれたせいだろう 脳に包まれたグロテスクな密室で 顔のない旅人が鏡の中に飛び込む 鏡のもつ柔らかな神経の構造を解き明かそうとして
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作品データ
コメント数 ： 2
Ｐ Ｖ 数 ： 1028.3
お気に入り数： 0
投票数 ： 0
ポイント数 ： 5
作成日時 2022-10-10
コメント日時 2022-10-14
Ｐ Ｖ 数 ： 1028.3
お気に入り数： 0
投票数 ： 0
ポイント数 ： 5
作成日時 2022-10-10
コメント日時 2022-10-14
#現代詩
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 2 | 2 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 3 | 3 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 5 | 5 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 2 | 2 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 3 | 3 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 5 | 5 |
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Rabies コメントセクション
コメント数（2）
知的で良いですね。
0ありがとうございます(∩´∀`∩)
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