海を舞え

海を舞え。馬よ。嵐よ。攻撃的にして饒舌に羽ばたくハリケーンは「宙」を作り、また何処かカオスで瞬く蝶は「宇」を繰り出す。悲願となったこのネット構築の区画では、暇さえあれば帳の魔法使いの文言のように夜を啜り泣きながら夜なべをする。理屈はさておき、情報の価値化は次第に極論の渦の中、槍となって穂先を鋭利にするばかりとなった。質感を重視しながら、およそ中味を調べた形跡のないもの達が恐るべき短期間のうちに歌綴りの物の怪と化し、文字数や頁数に踊るメメント・モリが毎晩開催されている。従って食わせものたちが、人の皮が多く捨てられている小川で水子の真似事のように石を積み、眉間に皺を寄せた老人ような顔つきで、怪しい喃語による会話を成立させる赤族の祖となった。しかし、それも大空襲によって赤は熱線の赤に上書きされてしまったが、複製や復元は幾らでも手がある。何処かの薄い記憶の知恵文字じゃそれはこう表わす。「時は金なり」と。効率化を図るあまりに、余りを迎える準備が出来ぬまま決算を迎える慌ただしい世の中で。世は末期を諸説二万年、定説二千年、空論五十六億年と重ねてきた。従って偶数は奇数となり、閏秒は身売りへ、しまいには蝗害は幸害。実のないこの文書はいずれゴミ箱フォルダへと転送されて消えていくだろう。だが夢のように夢じゃない一日をまだ、それかまた過ごす。もしくは過ごさないのであれば。それは努々屡々と那由多指折りに諭してくる。一般的にこれを余計なお節介というが、俗説的には説法とも言うのだとか。さて、拙い物書きはおしまい。気軽に寝てくれ。むせた時はそこにあるペットボトルから水を取り出してみるといい。海水が氷と一緒に入れてあるから。

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