ドアを押し開ける
冷気の膜をひと破り。
ひんやりと冷やされた足で暖かな床をペタペタと歩き、そこに足があるのだと思い出す。
ジメジメとした温風が頬を撫でる。
気にせずペタペタ、ペタペタ、階段を上る。
洗濯物を畳みながらふと外を見ると、網戸越しにセミが声がした。
奥には目を凝らせば、少し色あせた青は澄みやかに、薄ら緑は大胆に共立している。
ふぅ、と息を一つ吐き
そのままペタペタ、ペタペタと階段を降りる。
トンと音を鳴らして足を出したら、少しひんやりとした空気が足裏にまとわりついた。
ドアを開く。
すると今まで気づかなかった汗がするりと頬を撫で落ちた。
目の前には古ぼけたエアコンが。
・・・
あぁ、夏だな。
作品データ
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作成日時 2021-07-17
コメント日時 2021-07-18
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
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| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
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| 構成 | 0 | 0 |
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2025/12/05 22時54分33秒現在
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肌感覚が敏感という感じがしますね。 夏の空気感を通して、夏を表現した作品だと思うのですが、例えばそれを「夏の空気」と一言で書いてしまうことも可能かもしれません、そしてその上で、夏の物語を展開するということもできるかもしれません。 でも、この作品のよさは、夏の空気感を、丁寧に肌感覚をもって表現しているところだと思います。 違和感なくさらっと読める。 それは夏の涼しいところから暑いところへ移動したときの感触。 それは多くの人がそう感じる感覚。 誰もが夏になれば体験する経験。 それは目新しいものではないかもしれません、ただ、それを丁寧に感触をともなって書けるところに、作者さんの特色を見ます。 触覚が優れているという。 はじめの方の、 >冷気の膜をひと破り。 から、そう感じました。
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