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透明なひとつ ※B-REVIEW杯不参加   

永峰半奈 
作成日時 2018-11-08
コメント日時 2018-11-08

 

ひとつきりの信号機が明滅する 信号機はいつまでも黄色で どこにも沈んでいかない 誰も見ていないというのに 言葉そのものに意味があると信じていた 子供は困惑する 地球語がわからない! 全く、自分はどこの星から来たんだろう しかもどこにも沈んでいけない 誰も見ていないというのに 誰も見ていない午前四時に 僕はふつりと目が覚めた 昨日の記憶がまだ体に宿っていて 昨日のつづきをしているようだった 人びとの孤独は クモの巣のように街に張り巡らされ 何かを捕らえようとひそんでいる コートの繊維から ネックレスの鎖から 透明な糸が無数に絡み合い、膨らんで 街を構成している 太陽が未明のイルミネーションを照らす 命をどこかに置き忘れてきたような 硬く白いばかりの木々も 誰も見ていないのに どこにも行かず、みずから輝くこともない 僕には海の輝きが熱かった 自然の木々の葉は分厚く、鋭かった 萎びた呼吸をくりかえすサクラの木や 空腹のまま眠り続けるクマは 永遠のような冬に身をひそめている いつか春が来たことは 記憶の彼方にあるのみで 今この身を刺すような風だけが 僕には永遠のものに思われた


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永峰半奈永峰半奈 (2018-11-08):

※こちらの作品はB-REVIEW杯不参加とさせて下さい。

永峰半奈永峰半奈 (2018-11-08):

なお、「記憶の川、真昼の星」を投稿した永峰半奈とは同一人物です。いたずらではありません。登録アドレスを間違えたため同じネームで再登録しました。(運営様の許可済)

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