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史上最強の伊達メガネ
俺は史上最強の伊達メガネを掛けている なんだか世界がぐらついて見える 友達は伊達メガネのせいだと言うけれど 俺は決して外すことなんてしない だってこれは史上最強の伊達メガネ そうは言ったものの 史上最強の伊達メガネを掛け始めてから 俺の全てが空回りだした ずっと頭が痛いし 何にも手が付かねえ YouTubeを見るのすら辛いし LINEを返す気にもならん そもそも伊達メガネなんだから付ける必要がねえ ある日ついに伊達メガネを外すことにした その日の夜、夢枕で大江健三郎が話しかけてきた 「ターボ君、伊達メガネを掛けなさい」 大江さん 貴方の言っていることは正しいのかもしれない でも伊達メガネをつけると辛いことがたくさん ただの伊達メガネに人生を棒に振りたくない どうか俺の心をわかってください その日の朝 俺の目元は少し腫れていた そして俺は伊達メガネを掛けずに学校に行った クラスメイトに裸眼の方が似合っているよと言われた なんだか俺は淋しい気持ちになった 学校からの帰り道 時間ごと古ぼけたみたいな爺ちゃんの家へ寄った 今は誰も住んでいないがやけに生活感を感じた 縁側に座り伸び切った青臭い雑草を眺めていた 爺ちゃんと婆ちゃんが生きていた頃 庭には真っ白なジオラグラスが咲いてた 爺ちゃんは俺の隣に座り手間かけて育てた庭のことを自慢げに話してくれた そういえば爺ちゃんも伊達メガネをよく掛けていた その日の夜、夢枕で爺ちゃんが話しかけてきた 「ターボ、何を燻ぶっておる。お前の伊達メガネはただの伊達メガネじゃあない。史上最強の伊達メガネじゃろうが!!!」 爺ちゃん... それはマジで正しい! 俺の伊達メガネは世界中の誰のメガネにも負けない 史上最強の伊達メガネ! 心がすごくライフリー! 「ありがとう爺ちゃん!」 そう言うと爺ちゃんは皺いっぱいの笑顔を見せてくれた よく見たら背後霊の大江健三郎も微笑んでた 憧憬如水月鏡花、恍若雲端之夢 俺は史上最強の伊達メガネを掛けている ひどく世界が歪んで見える 友達は伊達メガネのせいだと言うけれど 俺は決して外すことなんてしない だってこれは史上最強の伊達メガネ 硝子を通して見える多くの景色が こんなにも眩しくて愛おしい
史上最強の伊達メガネ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 426.7
お気に入り数: 1
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2025-10-18
コメント日時 2025-10-19
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


僕は伊達眼鏡ではなく、マジ眼鏡を愛用しておりますが、いままでに300本の眼鏡を壊しました。眼鏡について、こだわる気持ちがなんとなくわかります。
1伊達メガネ憧れました。背後霊のオオケン(笑)それで、そういえば鬼籍に入ったなあと思いました。
1背後霊の大江健三郎、夢に出て来る大江健三郎がすごいですね。ガラスを通して見える景色の愛おしさ。勿論伊達メガネの存在が主役ですが、夢枕に出て来た大江健三郎氏のお告げ。何か愉快な感じもします。史上最強の伊達メガネですか。爺ちゃんの皺いっぱいの笑顔など印象的な場面もありました。
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