お前の影がずっとある。
私が眠る部屋着の裾を、ベールのように引っ張り続ける。
私はお前にうんざりしている。
ただそこにあるだけで、お前は私をへこませる。
日常を緊張にしてしまう。
しかし、知っている。
私は本当は、お前がいなくなってほしくないと願ってる。
お前までいなくなってしまえば、私は本当に日常を愛せるだろう。
だから、お前の影がまだあるうちに
お前がいるから、私は書くのだ。
お前が押し寄せるから、私は抗う
お前が蝕むほど、産むことしか残ってはいないことを知る。
影よ、虚無よ、鬱よ。
お前は私の毒であり、同時に燃料だ。
私を潰す手で、私を走らせている。
歩くには一人では迷ってしまうから
お前を知る唯一の存在の私が
いつか消えてしまうとしても
今はまだ、そこにいてくれ
作品データ
コメント数 : 4
P V 数 : 509.0
お気に入り数: 1
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2025-09-09
コメント日時 2025-09-10
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
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| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:509.0
2025/12/05 18時34分52秒現在
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鬱状態に追い込まれたとき、しばしば当事者は自己を分割化し、この作品のような状況に陥る。アンヘドニアとまでは言わないが、この作品はまだ先に灯りが見えるように思えた。いきなり、影の主体にお前と上からよびかけるだけあり、作品の主人公は生を強く生きている。
0誠実な影、虚無、鬱への向き合い方が美しいですね。負の要素と向き合うことは、例えば酒を飲んだくれるようなことかと思います。いつかは消えるもの…自分のある意味では愛しい一部。
0いい詩ですね。ですが最近この作品のような陰り、暗部をむしろパワーとする、というタイプの詩にちょっと疲れてきているので、正統な評価が出来ないかもしれませんが。影や虚無が、燃料で毒というのはいいですね。ネガティヴな要素が個人的な原動力になるのはよくあることですから。僕も筋少「オウムの世界」における「詩をつづろう、世界を憎む詩を!」。ソフトバレエ「engaging univers」における「喜びのそばで憎しみを背にし」などは大好きですし。でここまでつれづれと書いて、緒北くない≒起きたくない。ならばちょっとした味わいが出ると同時に、爆発して光の中へ行こう!と呼びかけたくなる気持ちにもなります。自分に照らして言えば、陰りのパワーは劇薬で自分自身も蝕んでいくのです。そういうことを色々ホントに色々考えたし、くないさんに伝えたくなりました。
0自分とは不可解なものであり、その不可解さに向き合うことが生きて行く唯一の手段であるならば、生きることはかなり苦しい苦行。 そうした苦しさを目を見開いてしっかり見て、写生してるのが、とても素敵だと感じます。 そういうことにしっかりととことん向き合ったものにしかわからないものを私はこの詩から感じました。だから、とても嬉しい気分です。同じ釜の飯を食べた戦友に生きて久しぶりに会って、抱きしめたいような気持ちです。これが、私がこの詩を読んでその作者に伝えたかったことです。 読んでいただきありがとうございました。
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