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春は死せり
雨が降る。 雨が降るとも花は散らず、 かれらは既に混凝土の際に朽ちて赤い土くれ。 誇りて咲くかれらの容を春として、 見上げて細むる目は既になく、 あるのはそれらを踏みゆく脚と厭がる声。 見下げれば今こそ我が身に春は来たりと、 白詰草に群がる芝の青々と。 雨が降る。 桜の死骸を糧にして、 夏は静かに目を覚ます。
春は死せり ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 389.9
お気に入り数: 0
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2025-05-10
コメント日時 2025-05-11
| 項目 | 全期間(2025/12/06現在) | 投稿後10日間 |
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| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
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| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


花も散ってしまえば無惨なものですね。 あんなに「きれいだ、きれいだ」と持て囃されていたのに。 桜の花びらって、雨で歩道のレンガ風の敷物に、 ペタってくっつくんです。 昔、ビルの清掃をしていたとき、1階のテナントがコンビニだったので、 歩道を掃かなければならなかったのですが、 掃いても掃いても、ペタっとくっついた桜のはなびらは剥がれなくて。 花が散る度、苦々しく思ったものです。 雨に煙る様子が目にうかびます。 春の柔らかな雨ですが、 白詰草が咲いているのは、 日本画の風情を思わせます。 雨に洗われ芝草も色鮮やかですね。 桜をはると読ませ、死骸と表現し、 >夏は静かに目を覚ます。 と結んだところに、 センスの良さを感じました。 ありがとうございます。
0美しい詩ですね。シロツメクサとか、芝とか、桜とか、雨から自然に紡ぎ出される詩の言葉。 簡潔で、余分なもののない潔さを感じました。
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