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Rust
鎖を切る音が響いた そ れは金属の軋みではなく 骨を砕くような感触だった 飼われたまま過ごした時間が 皮膚に染み込んで 剥がれそうで剥がれない それならいっそ この身ごと焼いてしまえ 自由が毒なら もう少し甘いはずだった 風は優しくなびくはずだった なのに この空気は 肌を刺すように冷たく 誰の許しも得られないまま 肺の奥で錆びついていく 砕いた赤いシンボルは 足元で光を失い それでもまだ 瞼の裏で熱を持ち続ける 爪痕を刻むことでしか 生きている気がしないなら この指が朽ちるまで 刻み続けるしかないのか 悪魔が微笑む 遠くの方で靴紐が絡まる それを解くたびに また新しい縛りが生まれる 今度はどこへ閉じ込められるだろう 分からない 地獄を見なくていいと 誰かが保証してくれるなら この足を前へ出せる 無責任を飾った部屋で寝たくなる それとも 新たな檻の中で 穏やかに眠れる方が 幸せなのか ??
Rust ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 503.0
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2025-05-03
コメント日時 2025-06-20
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


Rust さび。 やはりリズムが揃っており、歌詞のようです。 そしてそれは、とても心地よいです。 返詩 絡まりついた柵は 一生消えないのだろうか 逃げても逃げても 私を捕らえようとする 近道も回り道も 等しく歩き 立ち止まって座り込む 私のいのちなど 儚く散れば良いのだ 何も遺さぬままに 潔く それでも世界は 追いかけてくる 果てはあるのか? 私に選ぶ自由はあるのか? 無意味だとしても 問わずにはいられない 神よ なぜ、私を見捨ててくれないのだ? もうあなたの気紛れは うんざりだ。 私は夜毎、 傷ついた獣が 傷を癒すためだけの眠りを 求めるが如く 無心に眠る
1感情の流れがしっかりと見えていて、強い表現たちに釣り合った想いが確かにあると感じました。 核として、第六連に見られる、世界の不条理さに向き合っている。レモンさんの返詩には「あなた(=神)」が出てきていますが、もっと、神よりも目に見えないところから力を振りかざす存在を意識しているように思います。 悪魔の微笑みと靴紐、といった、人間味と異形が混ざり合った所から生まれる「縛り」。「地獄」と「部屋」が同じ連に含まれるのも、そこが隣り合った空間のように感じる恐怖が、描かれているようです。 まだまだ、連構成、順序なども考察のしがいがある、良い詩でした。
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