半年前にピザを食べた
半年後にもピザを食べたい
九月も半ばなのでそう思った
次の年度末にもピザを食べよう
食欲の話はしてない
自由と尊厳の話だ
どうしても、
人の社会で生きたかったので
取引をしたんだ
対価は酒とグレープフルーツ類
実家で漬けてある梅酒が
多分もう一生飲めない
それだけ支払ったんだ
それでもくたばりそうだ
呻き声を上げながら
人の面の皮を維持する夜
生ぬるい食事を完食する頃に
やっとこさ正気に戻る
週に十時間程のタイムロス
『人』ではないが故の苦痛
なのでピザを食べたい
食べなきゃならないんだよ
自分が望んだピザ
きっと忘れてはいけないピザの喜び
独りっきりで食うピザ
ゆっくり食うピザ
白のノンアルワイン丸一本
喋らなくていいピザ
分けなくていいピザ
味のするピザ
うまいピザ、好みのピザ
残して冷凍出来るピザ
自分の金で買ったピザ
確かな俺のピザ
だから守らなければならない
取引は続いている
秤にかけては捨てる幾つかの自由
ピザはまだ残っている
ピザはまだ残っているんだ
半年前にピザを食べた
半年後にもピザを食べたい
皿から落ちそうになっているピザを
今 置き直しているところ
作品データ
コメント数 : 5
P V 数 : 653.6
お気に入り数: 0
投票数 : 2
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作成日時 2024-09-15
コメント日時 2024-09-18
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/12/10現在) | 投稿後10日間 |
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エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
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前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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2024/12/10 17時10分38秒現在
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だからスマホのホーム画面があの日のピザなんです。
0いいですね。人生は短いですから、優先順位を決めて、取捨選択しなければならない。「これ」だと決めたものに、時間・金・努力を捧げる覚悟を持て!そんなメッセージを感じました。比喩の対象にピザを選んだ背景が気になります。好きな詩です。
1何が刺しなにを示しているのか、ユニークに衝動的なようにおもわせながら、とてもスムーズに読ませ呑まれることができた。コメントに書かれていた一文を、入れ込んでしまえば完成してしまうところを、うまく外せる力量がしっかりある。巧い。確かに定期的にピザ食べたいですね、そういう尊厳自分にあったかなと振り返りましたが……(無言)
1良いね
1今すぐにもピザを食べてくださいな。
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