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紫煙と咲く花   

kikunae 
作成日時 2017-08-21
コメント日時 2017-08-26

 

 ひかり  、眩いくらいに輝き  閃光に包まれて  叫んだ声は  冷たい金属に反響する  紫煙が視界を覆う  もう  どこにもいけないままに  吐き出された血は  歪な球形をなして  果てない宇宙に散らばり  何処へともなく広がっていく、  願えるなら  最期に  願うことができるなら  この声も血も  君には届かないでほしい  知らないでほしい  君は  君だけは、どうか  こんな  寂しい最期なんて  知らないでいい  紫煙に呑み込まれる  意識が遠のいていく  それでも  叫ぶ声は止まらず  止められず  自我を離れて言葉が落ちる  君に  何も残せないまま  守りきれないまま  ここで  この広い宇宙の  どこかもわからない場所で  ひとり  孤独に叫びながら散っていく  後悔と絶望と  未練と  そんな、  そんな想いばかりを残して (機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ 敬愛するノルバ・シノの最期より感銘を受けて)


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花緒 (2017-08-22):

前作もそうでしたが、筆致が良いなと思います。君は、君だけはどうか、など、それこそライトヴァース的というか、アニメ的とも感受できるところですが、筆致の滑らかさ故に、甘くなりすぎていないところに良さがあるのだと感じます。

kikunaekikunae (2017-08-22):

コメントありがとうございます! 自分の普段書いてるものとアニメの感じが離れてるのでどうなるかどきどきしてたので、うまく雰囲気があってたならうれしいです。

まりも (2017-08-26):

二個優さんの作品を拝読したあとにkikunaeさんの作品を拝読して・・・同じ「煙草」なのに、こんなにも捉え方が異なるのか、と驚きました・・・と書き始めて。紫煙=煙草の煙、とは言い切れないのではないか、という感触を持ちました。 文字通りの、紫がかった煙、なのか・・・ 〈吐き出された血は/歪な球形をなして/果てない宇宙に散らばり〉煙草の煙、という前提で読むと・・・たとえば二個優さんが、吐き出された魂になぞらえているけれども・・・自らの血(いのち)を吐き出す、というような、壮大な比喩とも読め・・・壮大すぎて、ちょっとデフォルメをやり過ぎているのではないか?という気持ちになるのですが、他方、激しく閃光を発して、紫がかった煙が視野全体を埋め尽くすような、世界崩壊の瞬間に立ち会っているようなイメージを表現したかったのである、とするなら・・・千々にちぎれて宇宙の一部として溶け込んでいくような肉体と意識の中で、もうもうたる煙の中に飲み込まれていく、最後の視野に写った光景、に見えて来る。 ドラマティックな悲劇の死に共感し共振した書き手の心が、素直に描かれていると思いました。


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