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蝶と私   

yoshiya asato 
作成日時 2017-08-20
コメント日時 2017-08-21

 

 ストレンジ・バタフライよ  夜には明日の希望を持ちたい  途中の駅で降りて歩いて帰る  オリオン座くらいは見つけられる  庇にひっそりぶら下がる目玉が光る  心のゆりかご、アフォーダンス  しらじらしく宇宙は瞬いた  南で語らうクローバー  月の光が淡く撫でる草原で  ストレンジ・バタフライよ  羽が破れる様子で飛んでいる夜の蝶  くすんだまなこで私はいつも居ます  君は悪びれずに飛んでいる  揺らいでいる苦しんでいるような感じで  やはり君は悪びれずに飛んでいる  くすむ眼に映る宇宙は瞬いた  七輪で妬かれるキモチを以って  声に出せば崩れる表層世界のはなし   ストレンジ・バタフライよ  雷雨の最中、自由を謳歌した夏の羽は  とうとう脆くばらけてアスファルトの上  散らばった君の欠片をかき集め  センチメンタル気分で揺らめいて  私はまるで仄暗い闇に佇む幽霊だ  君はやぶにらみで不貞腐れ  フローリングに寝そべって  夜には漆黒の希望、厚ぼったい希望


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みうら (2017-08-21):

ストレンジ・バタフライというフレーズに、固有名詞と形容詞の二つを含むためか、読んでいるとリズムカルに心地よく(読みやすさがある)。ただ、『苦しんでいるような感じで』や『センチメンタル気分で揺らめいて』などの直喩が、読みながら少し醒めてしまうと、個人的には思う。折角、魅了される世界が展開されているのに、タイトルに『蝶と私』とあるせいか、語り手が読者へ開かれていない感じを受けてしまう。ただ、作品のテーマが、ストレンジ・バタフライとは作者(語り手)が手にしたい焦がれる他者への暗喩としてのものだとすると、私のような読者は不要であるけれども。幻想的な場所へ読者である私を置き去りにして欲しかった。欲を云えばそのような感想です。

まりも (2017-08-21):

六連三連というリズミカルな繰り返し、〈ストレンジ・バタフライよ〉と呼びかける歌い出し。 歌詞の印象が強い、スタイリッシュな作品だと思いました。 三浦さんが〈少し醒めてしまう〉と感じたところ、私も同感です。直喩だから、ということ以上に・・・センチメンタル気分で、というような、音楽にのせて歌われたらしっくり馴染むような部分。文字で読むと、意図的に感傷的な世界を用意して、ほら、こんな感じを感じてよ、と手渡されてしまうような、ある種の強引さを感じる、と言えばいいのか・・・。 夜の蝶として〈悪びれずに〉飛んでいる〈君〉が、自分の思い通りにならない(というと変ですね。思いが上手く伝わらない)恋人や片思いの君、なのか・・・あるいは、親が娘を歌っている、設定なのか?小悪魔的に夜の街を飛び回る〈君〉を、ハラハラしながら見守るしかない〈私〉。〈とうとう脆くばらけてアスファルトの上/散らばった君の欠片をかき集め〉る〈私〉。もう立ち直れないほどに〈君〉は傷つけられてしまったのか、と思ったのですが・・・最終連で、〈私〉の足もとにふてくされて引っくり返っているようなイメージでもあり(それゆえに、親子という設定を連想したのですが)なんとなく、無事でよかったな、という読後感を持ちました。


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