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ノスタルジア
家から一歩出たところで 死にたいと我が子が言った 初めての発語だった ずっと空を眺めているから 恋でもしているのと尋ねると 雨が降ってきた 鳥達はこの子に話しかけている この辺りのヒヨドリで この子を知らない者はいない 雑草を抜いていると じっと草むらを見詰めているのだ 四つ葉を私にあげる為に 数式を解くために必要なのは ただ見つめること 愛のささやきに耳を傾けること ある日恋人ができたと言って 死にかけた人間を拾ってきたときは 遂に神になったと思った すべては川なのだと この子は笑う 堰き止めてはいけないのだと たまに寂しそうな目で 月齢を数えている 本当は愛を知っているのかもしれない ずっと前から 私達がこの子を産むよりも前から この地球という星がまだ宇宙だった頃から 黑糖蒸しパンより チキン南蛮が好きだ 最近分かったことリストに書いてあった 踊ることも歌うこともない 悲しいとも嬉しいとも言わない まばたき一つで人を殺す 世界は終わった そして始まる 輪廻の突端でこの子の目がいう 〇も△も書けなかったのにねぇ みんなが笑っている 光と闇を描きわける手 一緒に帰ろうか、と言うと うん そう頷いて手を繋いでくれる
ノスタルジア ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 483.7
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2025-03-01
コメント日時 2025-03-02
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


おはようございます。 この子が「うん」と頷いて、 手を繋いでくれて良かったです。 この子をこれからも慈しんであげて下さい。 ありがとうございます。
1おはようございます。 有難うございます。 そういたします。
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