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しゅうまつのゆめ
あなたが夢に出てきたのは さっき飲んだ 風邪薬のせい やけにまぶしい月灯り やけどにも似た からだのほてり 実演販売される肉のきもち 寝付きのわるい日曜日 夢の中で会ったあなたは 今より少し出世してて 伸びた襟足もすっきり切って 知らない人みたいなのに 木洩れ日みたいな笑顔も 小川のせせらぎのような声も そよ風よりしなやかな指も あの日とおんなじだったから わたし 嬉しくて ふわり 舞い上がって くらり めまいがして うっかり 「すき」なんて でもやっぱり 云えなくて まぶしさで気がついた 見慣れた天井 窓の月 部屋を照らす青白いひかり すきま風に揺れるカーテン 日曜日がしんだ匂い 鼻の穴から脳にしみる かろやかで あまやかな絶望 目はさめたのに 夢もさめたのに どうせみんなしぬのに あなたは きえない からっぽのわたしのなかから あなただけが きえてくれない もう一度 祈るように目を閉じる 朝が来るまえに 月曜日になるまえに むなしさにころされるまえに まぶたのうらで待ってるあなたが ちゃんと 息の根を止めてくれるように もう二度と さめてしまわないように
しゅうまつのゆめ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 433.4
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2024-11-08
コメント日時 2024-11-23
項目 | 全期間(2025/01/16現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
タイトルも本文もかっこいいな。でも章末でもよかったね。
0丁寧な詩ですね。詩の題材として、恋愛はよく使われることもあり、手垢に塗れていて新鮮味を感じることは難しいです。詩をどのような目的を持って書くかによって、言葉選びも構成も違ってくると思います。筆者の今回の詩は、まるで事実に即したような出来事のひとつひとつが、自然な比喩と自然な描写によって丁寧に表現されており、不自然な要素が見当たりませんでした。平仮名の使い方も巧みであり、作品全体に柔らかな印象を与えることに成功しています。面白い作品を創造することを目的としたのではなく、素直な感情を綺麗な言葉でしたためる、そのことを目的と言いますか、信条としているように感じました。私は面白い作品が読みたいとも思いますけれども、このような素直な詩もここまで洗練されていると味がありますね。
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