平素よりB-REVIEWへの投稿・コメント活動にご参加いただきありがとうございます。2023年5月の月間B-REVIEW杯選考結果を発表いたします。
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目次
・月間B-REVIEW大賞
・投票作品
・雑観 by 仁川路 朱鳥/永扇
・思うこと – 私にとってのビーレビ by 沙一
・【お知らせ】寄稿してみませんか
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・月間B-REVIEW大賞
ほば ( ID:342 )
『 しけしけのしけしけのしけしけのぱれーど 』14票
・投票作品
最終得票数が3票以上の作品を発表します。
ブス | 12票 |
色をもてたら | 7票 |
駅にムササビが | 6票 |
わからないものはわからない | 5票 |
ムラサキサギゴケ | 5票 |
小鳥曜日 | 4票 |
神話の夏 | 4票 |
未詩 | 4票 |
金属の魚 | 4票 |
頭上 | 3票 |
恋愛に関するあるひとつのエスキース | 3票 |
サンタクロース戦争 | 3票 |
その人 | 3票 |
隠された果実 | 3票 |
未明のラジオ体操 | 3票 |
急傾斜地 | 3票 |
世界の回路 | 3票 |
※『しけしけのしけしけのしけしけのぱれーど』への、よんじゅう氏からのコメントによる1票は、当人へのカード発行に伴い無効として集計されています。
※『ブス』への、三浦果実氏からのコメントによる1票は、投票に値する具体的な根拠を示されているとは認められず、当人の承諾の上で無効として集計されています。
・雑観 by 仁川路 朱鳥/永扇
もしもし? お元気にしていますでしょうか。
わたしです。永扇です。お世話になっております。
・異物混入
余談をひとつまみ、混入させます。
蠍座ってあるじゃないですか、釣り針として使われた実績があるあの星座。土の上をちょこちょこ動く、手先のようなハサミを持ったあの虫がモチーフとなっているそうなのですが、実は他にも「鷲」や「フェニックス」の象徴でもあるそうですね。蠍座といえばミステリアス、何を考えてるかわからない、欲が強そうという印象を持つ方もおられるかもしれませんが、実態としては「未知を探求するために生と死を繰り返す」というところが正確な表現です。
フェニックスといえば不死鳥であり、燃え盛る大きめの鳥として表されることが多いのですが……わたしの肉体のHNについては、蠍座の象徴が複数あることを知らなかった時期にわたしが授けた名前なんですよ。ネーミングに関しては、わたしの方が先です。ええ。実生活の中で、ガスコンロの火は青く、また恒星でも温度が高いのは赤色でなく青色なのですが、どういうわけか人間の認識の中では「火=赤色」と示されることが多く……
つまり、自身で定めた名前が、事前知識がなかったとはいえ本質を貫いていたことに驚きを隠せなくなっており、今となっては「ぴよぴよ∧( ‘Θ’ )∧」としか鳴かない小鳥となりました。人間の言葉を忘れた哀れなショウジョウコウカンチョウよ……
(フェニックスの綴りは「Phoenix」であって「Fenix」ではない的なツッコミは見なかったこととします)
・風の要素──アイテールに風穴開ける勢いで世界樹をはっ倒せ(偏見と独断で投稿作品を紹介する謎のコーナー)
ここ近年、今まで以上に魔術や錬金術、各国の神話に対する興味が増しております。そうした中で今の時代はとくに「風の時代」と呼ばれており、SNSを代表とし、既成概念を打ち壊す動きが多くみられておりますが……実際、SNSが発展してきた現代においてのデータなんてまっさらなところから積み立てていく他ないので、やっぱり「データがないから騒いでいるだけ」じゃないですかね? 予測可能なことは過去にもあったことですが、ときどき予定を狂わせるようなことが起きるからこそ、この世界から離れたくなくなるのかもしれません。生きることがたとえ、どんなに不合理で、不都合なことだとしても。
さて、わたしはここまでの雑観の中で、土の要素(基礎)、水の要素(共感)、火の要素(意欲)を示してきました。残りは風の要素だけとなります。水瓶座に代表されるように、オリジナリティとしか表現できない強い個性。個性は時折周りを進化させる鍵となることもありますし、有名なことわざで「出る杭は打たれる」ってありますけど、逆に言えば「打たれなければ杭ではない」と単純に読み替えられるんですね。とくにB-REVIEW上においては「打たれる」は「反応が少ない、薄い」と言い換えてもいいかもしれませんが、閲覧数が多い(PV数という表記で「ポイントセクション」から見れます)にも関わらずあまりコメントが伸びない場合、あなたは出る杭だったのかもしれません。どうか、地面に埋没しませんように。
ただ実際問題として、閲覧数が多いことはコメント数の多さと単純に繋がってしまっているのが現状であるため、そういった作品が見受けられないのです。そのため……今回も完全に偏見と独断の上でレビューをしていきます。お覚悟を。
注意:出る杭は打たれるものですが、間違ってもマナーガイドラインに違反した方向性で出てはなりません。目立ちたいのは十分ですが、違法行為で自身の名を広めるよりは、いい行いをして知名度を高めた方が、より良い結果・より良い歴史につながりますよ。例えば……より良い詩作を!
なお、紹介するに当たって、以下の内容をご了承ください。
・2023年6月26日現在において推薦文が書かれていない、もしくは、2023年5月投稿作品内で投票数が2票以下の詩を主に取り上げます(ビーレビ杯不参加の詩作品である場合、「不参加」の意図を汲み取るため「基本的には」取り上げません)
・別に「取り上げてほしい」という声から取り上げているわけではありません
・カード発行されたことがあるユーザーさんの詩は取り上げません
・手っ取り早く表現するなら「B-REVIEWといえばこの詩、このユーザーさん」といった個人的な感想となりますので、これを機にさまざまな方の詩に触れていただけると何よりも嬉しいです
・長谷川哲志さん「宇宙の法面に張り付いた奴」
まず、タイトルのインパクトがジャイアントインパクト級でびっくりしました。日本語って、ものによっては重めの質量があるように見えますが、基本的に水のようにサラサラ流れていくものじゃないですか? 重たさを感じさせないにせよ、それでも頭に残る、これこそが風の要素的だなと思うんですよね。あとサイクリック宇宙論内の宇宙のモデル図を想起しました。
>解放されたい
>宇宙人だっているでしょう
>新しい場所に
>連れて行ってあげて下さいよ
>きっと喜ぶから
>知らない生き物は
>知らない世界へ
>行きたがるから
ここの着眼点も素晴らしく、こういった独自の感性を重要視し尊重する部分も風の要素を持っていると感じました。宇宙人、と指すからには人間ではない別の生物を思い浮かべて、そんなやつらが「新しい場所」を求めていると知ったとして、『そしたら別の星に行けばええやんけ』と思いがちですが、実はホモサピエンスだって宇宙人の一種なんですよ。そういうことじゃないですかね?
・m.tasakiさん「不満を募らせる柏餅」
今回、タイトルの発想がすごい作品ばかりになりがちなんですよね。「柏餅」のような、動かざるものに対して感情を実装するという発想、なかなかできないものです。
こういう寓話的な作風はとても好きですね。読むたびに「自分はしゃんとしているのか」と、お天道様に見られているような気分になるから。襟を整えられる作品は、とても良いです。たけだたもつさんによるコメントがおそらく、この詩への評論にふさわしいと感じています。
このような場で書くことでもないのですが、m.tasakiさん、いつもコメント活動に積極的に参加していただいてありがとうございます。無理強いはできないのですが(個人の事情もいろいろありますからね)、B-REVIEWを末長く楽しんでいただきたいところですね。
・もじゃおさん「自律神経出張症」
なにを隠そう、わたしもこの病に罹っていまして(自己判断)、インターネットで調べた知識をもとにして漢方薬を買い、症状がひどいなと感じたらその日の晩に飲むなど、そのように過ごすことで事なきを得ています(?)。「絶対症状でググるな」とは言われておりますが、医療職しか知らなかった知識が民間に出回るようになり、今こうしてこのような詩へと発展していったことに風の要素を感じます。風は国境を知らない、台風はパスポートを持ってないのに旅行している。
なお、本当にしんどくなったら病院に行くことをお勧めします。肉体が女性の場合だと婦人科の方もかかったほうが良いかもしれませんね。周期的に気分が悪くなることってありますので。
・&さん「猫ちゃんゴメンネ」
タイトルから責任感がなさそうな雰囲気がありますが、オカルト的には、これが動物霊からの執着を防ぐ方法として正しかったりします。手を合わせるだけで、感情を傾けなかったというところ、平静を保てたというところ。これからも自身は生きていくのだから、と思ったのか、靴を捨てる。これでよかったんですよ、猫的には。誰かを恨みたいと思って生きてきたわけじゃないでしょうからね。
街にはカラスが生息していますが、そのおかげか街中で動物のご遺体を見かけることはないので、このような知識を持ち備える必要はないのですが、私が中学生だった時、先輩と下校中にスズメの遺体を発見しまして。私は持っていたハンカチでスズメの遺体を包んで、先輩の家に畑みたいな広い庭があったのでそこに埋めてやって、当時の少ない小遣い(中学二年生だったので月4000円)で線香とガーデンシクラメンの苗を買って、スズメの遺体の眠る場所に植え、香を立ててやりました。今はその庭が、先輩が、ガーデンシクラメンがどうなっているかは知りません。また、当時持っていたハンカチの柄も思い出せないので、たぶんハンカチは捨てたと思います。そんなものです。
・ABさん「もう、触れることはない」
ここまで、感情があったりなかったりするような詩を選んできましたが、これは感情がありすぎて海って感じがあります。おそらく誰もが同じイメージを抱いていると仮定してこの話をしますが、「あの時のあの人」は、生まれて初めて感じた電車による風と、あの時感じた風とで、別のものだと感じていたんでしょうね。止めることが最適解だったか、このままでよかったのか……まだまだやりたいことはあったのに、それを選ぶしかないぐらい追い詰められていたのだと思われます。おそらくわたしなら、「やり残したことはないでしょうか」と聴きます。問答しているうちに、答えを考えているうちに、気が変わったならそれでいいし、何もできないよりはマシだと思えるので……
次回の「偏見と独断で投稿作品をレビューしていく謎のコーナー」の予定です。
・全芸術と呪術の関係性について──詩、小説、音楽、絵画、漫画、アニメ、動画、陶芸、手芸、裁縫、生花、料理、写真、声優、Vtuber、演劇、ゲーム制作のすべてに通じる「大いなる作業」
Rhra exec Ars Magna.
・思うこと – 私にとってのビーレビ by 沙一
私がB-REVIEWに初めて参加したのは、2017年11月のことです。それまではSNSに詩などを投稿していた私にとって、B-REVIEWはどの参加者も作品と向き合ってコメントしている、真摯な合評の場として映りました。また、マナーの遵守を徹底されており、奇矯な振る舞いをするような方も見受けられず、ここなら信頼して活動できそうだと感じられたことも、私がB-REVIEWに参加するようになった大きな理由です。
参加した当初は、作品を読んでコメントを書くことにとても緊張しました。見当違いな読解や、不適切な発言をしていやしないかと、おそるおそるコメントしては、作者さんから好感触な返信をいただくたびに安堵していました。投稿されている作品群も、それまでのSNSと比べて私には高度に感じられました。あたかも高山の空気に触れたかのように、引き締まる思いのしたことを覚えています。
ちなみに、B-REVIEW創設の端緒となったサイト『文学極道』について、当時の私は一切知りませんでした。(B-REVIEWの沿革について知りたい場合は、『B-REVIEWの碑』をご覧ください)
B-REVIEWの創設に携わり基本理念を立ち上げた初代運営の方々や、サイトをリニューアルしシステムを保守管理していただいた旧運営の方々に、大変感謝しております。少しでも恩返しになれたらと思い、私は2022年2月に第六期運営に参加いたしました。
→運営参加のご挨拶
しかしながら、私の運営としての力量を問われる事態も起こりました。
→沙一さんへのレッドカードを提案させてください
先述のように、私は恩返しのために運営に参加しました。よって、敬服する初代運営である花緒さんから誡められては、慚愧の念に堪えません。以下にその一部を引用いたします。
“残念ながら、沙一さんは、この場がどのような価値を標榜し、あるいは頓挫してきたかに対する、Breviewの経緯や出自、大仰な言葉を使うなら、Breviewの歴史に対して、まともな鋭敏さをお持ちとは思えない。
この場はマナーを守ることを重視する場であります。そのことには深い意味があるはずで、マナーを守る意思を持つ投稿者であれば、作風や筆力、社会的属性、個人的な好悪の感情などによって、運営者は投稿者を排斥することは許されないということです。また、どれだけ筆力があれ、評価が高く、活発な活動や貢献があっても、マナーを守る意思を持たない者に対しては運営者はその方を排斥する義務と権限があります。
このレベルのことに貴方は同意できないのでしょうか?”
この誡めを受けて以降、私は運営としてB-REVIEWの原点に立ち返り、「マナーを守ることを重視する場」であるという基本理念を徹底し、私にとってビーレビの原風景である2017年11月当時のような「どの参加者も作品と向き合ってコメントしている、真摯な合評の場」を守ることを決意しました。
今現在のB-REVIEWがそのような場ではないというわけではありません。しかし、基本理念を理解していないと思われる、作品を読んで合評するという基本から逸れた行為をする方も見受けられ、そうしたことを容認してはならないと私は考えます。
B-REVIEWの運営は代替わりし、時代に合わせて場も変化していくものかもしれません。それでも、B-REVIEWの原点たる基本理念は、決して忘れられることのないようにと望みます。
・【お知らせ】寄稿してみませんか
選考結果発表に、皆様からの寄稿をお待ちしております。
内容は、常識に反しない限りで自由。ただし、運営で不適切な内容であると判断された場合、掲載を見送る場合があります。
毎月一人一編づつ掲載する予定です。
なお、報酬は出ません。ご了承ください。
寄稿に興味がありましたら、Twitterのビーレビ公式アカウントか、 breview.works@gmail.comまでご連絡をお願いいたします。
以上で5月選考の発表とします。
2023.7.2 B-REVIEW運営一同