Art

黒い光輪
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ベルゼバブ
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私はキリスト教のことや蝿の王のことを殆ど何も知らないのでストーリーなどについては何も分からないです。ただ分かるのはこの作品たちは現代日本語のクリエィティブライティングの頂点のようなものだということです。

空を噛む目
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あまみや

まず空は噛むものじゃないし、目は見るための器官です。つまり言葉の異化が2回タイトルにおいて行われています。一連目に関してはどの行もそのような異化がありつつ、二連目の書き出しは思い切りシンプルな言説で書き出されていて、こんな言葉で評するのはちょっと意味がないのですが、上手いな…と思いました。

さだめ
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fujisaki

産まれる、生きるとは、死に向かう、ということで、逆説的には、死が向かってくるということであり、たくさんの人たちが、実に様々な人生を生きていくなかで、平等なことなんてなにもないけど、きっと生きて死んでいく、ということだけがたったひとつの、平等に降りかかる出来事で。私には子供がいないので親が子を見守るという気持ちわからないのですが、孚という漢字を考えたときに、孵るということ以外に、まこと、という意味があって、そんなことを思いました。

2025年1月17日
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ハツ

まるでハツさんとテーブルを挟んで喋っているような語りのポエムですね。

おせちつくってて、エビの旨煮を、つくってて、あ、そうエビの形を整える。ヒゲとか、尻尾とかを、きれいに。そのときに、なんか、すごく、急に泣きたくなって、ウッ、て、なったけど、

ここらへんなんか実に身に迫るような迫力を感じます。独白体とでも言うのでしょうか、太宰治の女生徒が想起されました。しかしそうなると、読者が先生になってしまうと、なかなか不思議な感覚にさせてくれます。

あわくしろい日々
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ハツ
そしてこちらはイメージの飛躍や繋がり方がとてもファンシーです。まさに夢のようです。

闇を見る
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yasu.na
抽象性の高いことを例え話としてするときに、どうしても難しくなってくるのは、自分の伝えたいことを優先するあまりに、それが意味不明になってしまうこと、あるいは逆に説明的になりすぎてしまうと妙味がなくなってしまうので、そのバランスを取らなけばいけないところだなあ、と思っているのですが、この作品ではそのピントがズレずに、言わば詩の論理でしか辿りつけないようなところに、文章として辿りついてるのではないか、と思いました。ビーレビマニアに対して補足ですが1.5Aさんのコメントがヤバいいいです。

惺座
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佐々木春

圧巻につきますね。オペラのような、ストーリーよし、演出よし、音楽よしの大作映画みたいです。


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1.5A

エミールはずっと眠っていて、それを「僕」が語りかけ続けるという、とても童話的で優しいお話しですね。誕生日のことが主眼に置かれながらどこか人生の全てが示唆されているようなひたすら素敵な作品です。


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さか たけお

星を集めるために蛇の宇宙にまで飛んで行く、解説を書いているだけで詩的になってしまうお話しで、まるで現代のアラビアンナイトを読ませてもらったようです。

死後のダリはどのような夢を見るのか?
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上野だったか。ダリの絵を見たことがあります。例の時計がとろけてるやつですね。Artは確かに受け継がれ受け継がれ、死ぬことを知らないのかもしれません。この作品も言わばその永遠に参与するための作品だと思います。素晴らしいです。

たたかい
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高橋高橋

なんだかまるで手品を見てるようですね。わかってるわかってると思うと意外な起承転結というか、ビックリするようなことがある。散文詩ならでは、テキストならではのトリックが心地よいです。

ギルバート試文
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高橋高橋

そしてこちらは、SFの設定を読んでいるような作品です。ゲームとか漫画の設定を読んだりしてると、とてもその奥深さに感動して、その世界に行ったような気がするのですが、この作品は擬似的にそれを想起させるようでした。

Brilliant

ひめごと
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William

ちょっと抑え気味のテンションから始まってドライブしていく感じがかなりカッコいいと思いました。性的なことを真正面から詩的に描いた作品で、まさにリビドーというか、生のエナジーを感じます。

血の匂いがした
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尾崎ちょこれーと

生理があるという一事で俺は女の人には頭が上がらないな、という気持ちがあります。この作品の文体にはある種のフォームがあって、それがまさに月のものの表現とオーバーラップされています。

日々
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福まる
多重人格者の詩でしょうか。まるで漫画の第一話みたいですね(?)

人間ロボット
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万太郎
リフレインの言葉がひたすら繰り返されることで否が応でも批評的な意味合いを持っていますね。問いかける話者がどこか常軌を逸しているところなどが、あれ、これなに読んでたんだっけ、みたいな現代アート的センスを感じます。

チャンネルを合わせる
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熊倉ミハイ
チャンネルを私は合わせることができなかったあまりいい読者ではないのですが、分からないなら分からないなりに楽しませていただきました。カラーバー。あれはデジタルな虹でしょうか、幕でしょうか。

ウィンター・ユース
https://www.breview.org/keijiban/index.php?id=14202
田中恭平 new

こう無頼派なんだけど、あそこまで破滅的じゃないし、ビートなんだけど、あそこまで危険でもない、田中恭平さんの飄々とした、答えだって?風にでも聞いてくれ、そんなスタイルの軽快な作品です。

ローリング・ストーン
https://www.breview.org/keijiban/index.php?id=14206
富井嫉妬

そしてこちらは健気なローリング・ストーン。向かう先も分からないような、青春の力といったような若々しいヴァイブスを感じます。

Creative

ロード、バード、ストックヤード
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らりるれろ

こうテンションの高さが良いなって。!!!ってポエムのなかにあるの素敵だなと思います。普通SNSとかにしかないですよね、あってもそうとうエモいときです。

誰も知らない
https://www.breview.org/keijiban/index.php?id=14082
あまみや

人が花になる?といった擬人化といった、ある意味では使い古された、王道のテーマですが、詩作品として成り立つ、フレーズの強さみたいなものを感じました。

あのね、私、あなたを呪うよ
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墨野みどり

なんだかすごくポップな見た目で、すごく重たいことが書かれている、ギャップの妙味があります。コーラだと思ったら炭酸コーヒーだったみたいな感じでしょうか(?)

墓滅入り
https://www.breview.org/keijiban/index.php?id=14096
三明十種

小石が連続するところが堪らなくカッコイイですね。字面検定士1級を目指してる私が言うのだから間違いないです。乾いたメルヘン。


不随意な空隙について
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よびな
カフカの好きだった詩人にヴァルザーというひとがいるのですが、彼はカフカのように熱病の夜に見る夢のような、実に不条理ですが世界の理を示唆するような、真に迫る詩を書いています。彼を彷彿とさせるような作品でした。

黄金色に燃え 乱舞する光の世界
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浅川宏紀
書き出しがミシマみたいでとにかく圧巻でした。

敗者
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相野零次
悪人正義とかってことではないですが、負けた方、負け組、ルーザーだから分かることってのはなかなか多いと思います。

バレンタイン
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ほり
短いながらに耳すま的な世界が凝縮されています。甘い内容なんだけど構造的には鋭い感じです。

愛媛、大阪、釧路、そして、人間到る処青山有り
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watertime

読んでいるとたいへん暖かな気持ちになりますね。大阪。たしかにそんなとこありますよね。こうなると釧路バージョンも大変気になってきます。

「ロード、バード、ストックヤード」らりるれろ【A】

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ストックヤードは、ゴミ出しや物干しのために家に外付けされる、公私二つの性質を持つ小さな小屋。肉体も、内部(精神)と外部の世界の媒介として在るなら。 「引っ掻かれた痕」が喋り出す。絵は無くとも、「額縁」だけで生きる他者を見る。 身体という器の不自由さを感じながらも、後半、「かわる」ことについては懐疑的になり、持つ肉体のまま「歩みゆ」こうとする決意で締められる詩と受け取った

「踊り子」夏立むぎ【B】

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強引に拘束され、遊覧、搾取の対象とされる人々というのが、「動物」や「果実」が比喩しているものとするなら。 最後に出てくる踊り子は、鑑賞される対象ではあるものの、場所を誰からも縛られず自由で、そして「ふっくら」と時も越えていく存在だ。人間は果実や動物らの生き様を求めるよりも、その身体をまず最大限に解放することから、始めるべきなのかもしれない。

「狐火」関谷俊博【C】

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詩における改行や段落空けには、飛躍や断絶がある。しかし、無闇矢鱈にその手法に則ることにはしばしば虚しさがあり、続けていけば形骸化していくだろう。空白が生まれることには、必然性があることも時に確かめていきたい。 この詩にある短い各連から差し出される空白は、読み手に詩中主体の罪の意識を想像させ、一つ一つの言葉の重みを認識させていく。恣意的に「語らない」のではなく、「語るべきではない」という意思がそこにある。

「朱く」古銭好き【B】

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人は、「痛み」の感覚を麻痺させながら生きているのかもしれない。それは、たとえばある痛みを訴えても、周りの同じような境遇の人らを見て、閉口させられていくような、麻痺。 頭を傾けるだけで、幾ばくか「朱」が垂れ流されて、生きてきた証のようなものが確かめられればどんなに楽なことか。「垂れればいい」と諭すように語るが、それは不可能な事で、それができないからこそ人生だろう。だからこそ、「生きて、いる」と締め方に強さと少しのぎこちなさがある。

「もや」omado【C】

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情報の正しさと、徳の正しさがある。個々に分かれているように見えて、たとえば歴史と徳は相互作用の形を取ってきただろう。 そして今、通時的にも、共時的にも溢れ出る「正義」の「もや」の中、自分の身体しか見えないせいか、懐疑は自分に向き、間違っていると「つぶや」かせられる。 さて、であれば信じられるのは冒頭の「反射」という、人間に備わる本能ではないかと。 しかしそれも、一考も二考もある問題のように思う。

1月分セレクションby黒髪 感想 今月も読みごたえがありました。頭抜けた才能が散見され、常連さんも安定した実力を見せる。これからのネット詩が楽しみです。

湖湖「降る」B
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安定した作品。戦争に関連したことについての言及があるが、猫も、龍も、水も知っている。そして当然ながら、目覚めている人間(詩人)も知っている。

カオティクルConverge!!貴音さん「アカシックknowレコード/崇拝って名のスーサイド/SUPER REAL NIGHT FEVER!!!/化けの皮を剥がす」C
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戦闘的、いや攻撃的姿勢に美が見える。調和を取り入れれば、もっと化けると思う。長さにも関わらず読み易いので、言語感覚は優れていると思われる。

海 蛙「おやすみマンボウ」C
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マンボウという存在を上手く見つめている。実にCreativeだ。雰囲気の作り方がうまい。

夜行「夜明け」B
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失望と共に夜明けがある。発見した自己に、全てをかけて行け。

夕賀 瀧男「そして嫌われる」C
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嫌われるべき点はないはずなのに、何故か嫌われる。だが、この思考は、新たな方法を見つけ出して、きっと嫌われない状態へ向かうだろう。

テイラ「日常の隙間で」C
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とらわれのない思考で、死に対する。その過程で、のりこえんとしている。つまり、知の終わりこそを恐れているようだ。詩人の美しい心で、死に向き合うさまが美しい。

かずや「花に捧げる幾つかの歌」C
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しっとりとした情景が美しい。言葉に対する感受性が強い。

いお「MOTHER」B
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尽きせぬ想い、めぐらす心。頭の中で考え続け、涙もいくつか落ちるような真摯な思い。ストーリーでしか愛せない、その向こうへ行けるか?

鏡鏡「エイプリルフールが嫌いな理由」C
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理想化されたあなたと、決して結ばれることはないという初恋。エイプリルフールと嘘までからめて、大胆である。

如月「前頭前野に種が落ちる」B
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ヴィジュアルが強い。イマジネーションの中で思索が進み、詩人はまた新たな言葉を見つけ出す。

omado「”さようなら”」A
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さようなら、という言葉を獲得する上で、つまずく人とつまずかない人がいるだろう。貴方だけが明るく他は暗いと言える作者は、なんと誠実な人間だろう。

『ベルゼバブ。』田中宏輔 評価【A】
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すごいなー。蝿の王って感じで、冷酷さがひしひしと伝わる。そんで面白い。これを書けるようになりたいです……。

『黒い光輪。』田中宏輔 評価【A】
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作者の知識量に驚かされる。そんでアカデミックな感じがしない。純粋に読み物として優れている。読むべし!

『惺座』佐々木春 評価【B】
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センスが炸裂してます。言葉が身体的というか、イキイキしている。才能を感じます。

『子どものための連柴』田邊容 評価【B】
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なんて深い詩なのだろう……。思わずね、ジーンときちゃいましたよ。血が、流れているなぁ、と。人間だよなって。

『The Morning of the Neon Demon(序)』おまるたろう 評価【C】
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なんかいいよね。若々しい視点というか、若さゆえの鋭さが光ってる感じがするわ。作者の視線は外側に向けられている。そこを評価した。

落とし物

ゼッケン

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Back cover by ryinx